宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)

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プロジェクトトピックス


2013年8月4日 更新

「こうのとり」4号機、打ち上げ成功!

8月4日4時48分46秒(日本標準時)に、宇宙ステーション補給機「こうのとり」4号機(HTV4)をH-IIBロケット4号機で種子島宇宙センターから打ち上げました。
H-IIBロケット4号機は正常に飛行し、打ち上げ約14分59秒後に「こうのとり」4号機を分離したことを確認しました。
打ち上げを種子島島内で見学されていた方はぜひ自慢の打ち上げ写真を特設サイトにお送りください!
なお今後「こうのとり」4号機は国際宇宙ステーション(ISS)に接近し、結合する予定です。その模様もライブ中継でお届けする予定ですので、ぜひお見逃しなく。

プロジェクト概要


プリント

国際宇宙ステーションへの補給の要「こうのとり」(HTV)

(写真提供:NASA)

宇宙空間という特別な環境を利用して、地球・天体の観測や、宇宙での実験・研究などを行う国際宇宙ステーション計画(ISS)。15カ国が協力する国際プロジェクトで、日本も日本初の有人実験施設となる「きぼう」日本実験棟で参加しています。
ISSでは、2009年から6名の宇宙飛行士による常時滞在が始まっています。長期滞在のため、宇宙飛行士の食糧や衣類、各種実験装置などを補給する輸送業務は欠かせません。これまでアメリカのスペースシャトルとロシアのソユーズやプログレス補給船が輸送を受け持っていましたが、ESA(ヨーロッパ)がATVを打ち上げ、日本も「こうのとり」(HTV: H-II Transfer Vehicle)でISSへの補給を担います。
「こうのとり」は、H-IIBロケットにより打ち上げられる無人の宇宙船で、食糧や衣類、各種実験装置など最大6トンの補給物資を地上約400km上空の軌道上にある国際宇宙ステーションに送り届け、補給が済むと用途を終えた実験機器や使用後の衣類などを積み込み、大気圏に再突入して燃やします。一連の補給作業には、国際宇宙ステーションとのランデブーやドッキングも行われるため、優れた安全性が要求されますが、日本は技術試験衛星VII型(おりひめ・ひこぼし)で培ったランデブー技術を基に、H-II/H-IIAロケットの開発で得られた機体設計技術、「きぼう」日本実験棟の有人安全技術なども適用し、低コストで信頼性の高い輸送手段としての実用化をめざしました。また、「こうのとり」の運用を通じて、将来のフリーフライヤーや有人輸送の基盤となる技術の蓄積が可能となります。


「こうのとり」の機体はこのような構成になっています

「こうのとり」は直径約4m、全長10m弱、観光バスが収まる大きさです。機体は大別して3つの部分から成り立っています。最後部には軌道変換用のメインエンジン、姿勢制御用のRCSスラスタとそれらに推進薬を供給する燃料/酸化剤タンク、高圧気蓄器等が搭載される「推進モジュール」。中程には、誘導制御系・電力供給系・通信データ処理系の各電子機器が搭載される「電気モジュール」。そして先頭には、補給物資を格納する「補給キャリア」という構成です。