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2013.08.04

「ナチス憲法」を引き合いにした麻生太郎副総理発言について

 もうだいぶ下火になっていると思うが、「ナチス憲法」を引き合いにした麻生太郎副総理発言が話題になっていた。この話題については言及しないでおこうと思っていた。各論者が持説を決めてから議論していて、かつ攻撃的な雰囲気が濃いように思えたからである。しかし、事実がある程度わかってきたので、事実と常識的にわかる部分だけからは、ブログで指摘しておくのもよいだろう。


1 麻生発言は聴衆は反語として理解していた
 もう6年近く前になる。作家の森博嗣氏が2007年11月19日のブログで「【国語】 反語が通じない」(参照・現在はリンク切れ)というエントリーを書いて、ネットで話題になっていたことがある。


 反語という表現法があるが、最近の若者に通じないことがあって困る。
 反語とは、強調するために、意味を反対にして(通常は肯定と否定をひっくり返して)、多くは疑問形にした表現のこと。たとえば、「とても不味い!」という代わりに、「これが美味しいのか?」とか、「誰が美味しいと言うだろう」といったふうに言う。あるいは、単なる皮肉を反語という場合もある。たとえば、遅刻してきた人に、「早いね」と言ったりする。

 当時これを読んで「そうだなあ、現代だとそういう傾向があるかもしれない」と私も共感したものだった。
 なぜ反語が通じなくなったかについて、森氏は面白いことを言う。

 ようするに、通常の会話にはもうほとんど登場しない言い回しなのだろう。少なくとも、その人の周囲ではそんな言い方をする人間がいない。本を読まずに育つと、そうなる。そういう人が、「一度くらい、本でも読んでみようか」と読み始めると、書いてあることが全然わからない。つまり、「読めない本」がとても多い。

 なぜ反語が通じないのか。それは本を読まずに育ったからだ、しかしではそういう人は本を読めばいいのではない、でも、読んでも理解できない。
 笑った。
 この段落自体が反語表現なのである。
 反語表現はこのように人に笑いを誘う。ジョークにも使われる。
 しかし、言葉によって生きている人々にとっては反語的なジョークで済まされるわけにもいかない。

 さて、これを、「困ったものだ」で済ませてしまうのか、それとも、そのレベルに合わせてコミュニケーションが取れるものを書くのか、は自由だと思うし、作家はある程度、この選択をしなければならないだろう。

 ここは反語表現と取るべきかは悩むところだ。正直な述懐だろう。
 反語表現というのは、修辞として見ると、難しい部類に入る。
 反語表現を読み解くには、森氏は読書という教養の背景を挙げていたが、ほかにも鍵はある。
 まず、慣用的な反語表現が思いつく。英語の"Who cares?"という慣例句のように、「誰が気にする?」と言う場合、字義通り誰かを問うのではない(「気にする人はいないよ」「気にするなよ」という意味)。まさに慣例句だからだ。
 文脈からも反語がわかる。
 この「文脈」という言葉だが、英語の「コンテクスト」に含みがあるように、例えば、談話なら、聴衆の笑いの反応があれば、「ああ、あの笑いは、あの発言を反語表現で受け止めているのだ」とわかるものだ。
 このところ話題になっていた、「ナチス憲法」を引き合いにした麻生太郎副総理発言、「憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。」と報道された発言についても、その聴衆がどう受け止めていたか、ということがわかれば、少なくともそのコンテクストでは反語であったかどうかがことがわかるはずだ。
 そこでできたら書き起こしではなく、聴衆の声を含めた録音を聞きたいと思っていた。
 幸いユーチューブに上がっていた共同ニュース「改憲でナチス引き合い 麻生氏「誤解招いた」」(参照・現在リンク切れ)で確認できた。その後、この音声は削除された。現状コピーされた音声も挙げられている(参照)。
 その音声で確認すると、「あの手口学んだらどうかね」のあと聴衆が大爆笑している反応が聞き取れる。
 つまり、この表現を聴衆は反語表現として受け止めていたことがわかる。
 そうであれば、反語表現という修辞を解けば、"Who cares?"が「誰も知らない」と解されるように、「あの手口を学ぶのはやめなさい」と理解できる。
 麻生氏の発言が、聴衆にとっては反語表現として理解されたが、この部分だけを書き起こして伝えれば、森氏が懸念したように、反語が通じないという自体になっても不思議ではない。
 ここで重要なのは、反語として理解される聴衆およびその会合の特質である。
 森氏が作家として反語を使うか考慮するようになったのは、彼の言葉が本という媒体で届く範囲を想定しているからだ。反語表現は、その聴衆が反語と理解される範囲でしか使えないと言ってもよい。
 麻生氏の今回の発言でいえば、その聴衆と会合では反語表現して理解されたが、その部分だけを新聞や報道の書き言葉で抜き出せば、そのコンテクストは失われ、反語表現と解さない人もでてくるのは当然の成り行きである。この点をどう考えたらよいか。
 この点については、そもそも麻生氏がこの会合の発言を、反語表現が届かないかもしれない聴衆まで意識していたかにかかっている。
 朝日新聞の報道では、この会合は「東京都内で開かれたシンポジウム」とあるが、具体的には「国家基本問題研究所(櫻井よしこ理事長)が7月29日、東京・平河町の都市センターホテル・コスモスホールで開催した「日本再建への道」と題題する月例会であったようだ(参照)。
 同サイトの説明を読むと「政治家、メディア関係者をはじめ会員、一般参加者など合わせ540人が詰めかけた」とある。なので、麻生氏としては反語表現はそれを理解しえない人々まで届くと想定すべきだだった。その意味では、反語表現が理解されない事態については、麻生氏は責任を持つべきであり、それが後に「誤解招いた」として麻生氏自身が公式に述べたのも当然である(参照)。


2 全文や全録音はいまだに公開されていないのではないか
 麻生氏発言の報道が話題になるにつれ、実際にはどのような発言をしたかが問われ、その問いに嵌るような報道も出て来た。だが、これが問題をかえってこじらせている。
 なかでも朝日新聞の「麻生副総理の憲法改正めぐる発言の詳細」(参照)については、2点考慮するべきことがある。
 1点目は、この「詳細」だが、公開されている録音と比較すると、朝日新聞による詳細であって「書き起こし」ではないことだ。
 朝日新聞は該当個所はこう報道されている。


 僕は4月28日、昭和27年、その日から、今日は日本が独立した日だからと、靖国神社に連れて行かれた。それが、初めて靖国神社に参拝した記憶です。それから今日まで、毎年1回、必ず行っていますが、わーわー騒ぎになったのは、いつからですか。
 昔は静かに行っておられました。各総理も行っておられた。いつから騒ぎにした。マスコミですよ。いつのときからか、騒ぎになった。騒がれたら、中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。だから、静かにやろうやと。憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。
 わーわー騒がないで。本当に、みんないい憲法と、みんな納得して、あの憲法変わっているからね。ぜひ、そういった意味で、僕は民主主義を否定するつもりはまったくありませんが、しかし、私どもは重ねて言いますが、喧噪(けんそう)のなかで決めてほしくない。

 録音から書き起こしてみよう。

 僕はあの4月の28日、忘れもしません4月の28日、昭和27年、その日から、今日は日本が独立した日だらって言って、月曜日だったから靖国神社に連れて行かれましたよ。それが、初めて私が靖国神社に参拝した記憶です。それから今日まで、まあ、けっこう歳食ってからも毎年一回、必ず行っていると思いますけれども、そういったようなもんでいったときに、わーわーわーわー騒ぎになったのは、いつからですか、これは。(聴衆笑いなし)
 昔はみんな静かに行っておられましたよ。各総理も行っておられたんですよ、こりゃ。いつから騒ぎにした。マスコミですよ。(聴衆拍手)だから、そ、いつのときから、騒ぎになった?と私は、騒がれたら、中国も騒ぐことにならざるをえない。韓国も騒ぎますよ。だから静かにやろうやというんで、憲法もある日気づいたら、さっき話しましたけれども、ワイマール憲法にいつのまにか変わってて、ナチス憲法に変わっていたんですよ。(数秒間を矯める)だれも気づかないで変わったんだ。あの手口学んだらどうかね。(聴衆大爆笑)
 もうちょっとわーわーわーわー騒がねえで。本当に、みんないい憲法と、みんな言って納得して、あの憲法変わっているからね。ぜひ、そういった意味で、僕は民主主義を否定するつもりまったくありませんし、しかし、私どもはこういったことは重ねて言いますが、喧噪のなかで決めてほしくない。それだけは是非お願いしたいと。

 朝日新聞の「詳細」と実書き起こしと、麻生氏のべらんめー口調しか違いがないようだが、実際に書き起こしてみると、問題とされた部分に奇妙だが重要な違いがあることがわかる。

朝日新聞
だから、静かにやろうやと。憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。


書き起こし
だから静かにやろうやというんで、憲法もある日気づいたら、さっき話しましたけれども、ワイマール憲法にいつのまにか変わってて、ナチス憲法に変わっていたんですよ。(数秒間を矯める)だれも気づかないで変わったんだ。あの手口学んだらどうかね。(聴衆大爆笑)

 聴衆の反応はあえて取り上げないとしても、朝日新聞詳細では、「ワイマール憲法は」と「は」として主題提示されているが、実発言では、「ワイマール憲法も」と、「も」で例示されているに留めている。つまり、この実際の麻生氏発言の文脈では「憲法」は例示に扱われている。主題提示ではない。
 また、実発言にある「さっき話しましたけれども」の文言が朝日新聞詳細では削除されている。
 「は」か「も」の差違はそれほど大きな差違ではないとも言えるが、この削除はなぜだろうか。意図的だろうか。朝日新聞詳細にはその参照個所が含まれているようにも見えるのに、なぜ削除されたのだろうか。
 ここで奇妙なことに気がつく。朝日新聞詳細は特定の視点から見た「詳細」であって全文ではないことだ。どうも前方部分が欠損しているようだ。あたかも、日本国憲法10条以降をもって平和憲法を論じるような形になっているようだ。探ってみたい。
 まず詳細の全文はこうである。

麻生副総理の憲法改正めぐる発言の詳細
 麻生太郎副総理が29日、東京都内でのシンポジウムでナチス政権を引き合いにした発言は次の通り。
ナチスの憲法改正「手口学んだら」麻生氏発言に関する記事はこちら
 僕は今、(憲法改正案の発議要件の衆参)3分の2(議席)という話がよく出ていますが、ドイツはヒトラーは、民主主義によって、きちんとした議会で多数を握って、ヒトラー出てきたんですよ。ヒトラーはいかにも軍事力で(政権を)とったように思われる。全然違いますよ。ヒトラーは、選挙で選ばれたんだから。ドイツ国民はヒトラーを選んだんですよ。間違わないでください。
 そして、彼はワイマール憲法という、当時ヨーロッパでもっとも進んだ憲法下にあって、ヒトラーが出てきた。常に、憲法はよくても、そういうことはありうるということですよ。ここはよくよく頭に入れておかないといけないところであって、私どもは、憲法はきちんと改正すべきだとずっと言い続けていますが、その上で、どう運営していくかは、かかって皆さん方が投票する議員の行動であったり、その人たちがもっている見識であったり、矜持(きょうじ)であったり、そうしたものが最終的に決めていく。
 私どもは、周りに置かれている状況は、極めて厳しい状況になっていると認識していますから、それなりに予算で対応しておりますし、事実、若い人の意識は、今回の世論調査でも、20代、30代の方が、極めて前向き。一番足りないのは50代、60代。ここに一番多いけど。ここが一番問題なんです。私らから言ったら。なんとなくいい思いをした世代。バブルの時代でいい思いをした世代が、ところが、今の20代、30代は、バブルでいい思いなんて一つもしていないですから。記憶あるときから就職難。記憶のあるときから不況ですよ。
 この人たちの方が、よほどしゃべっていて現実的。50代、60代、一番頼りないと思う。しゃべっていて。おれたちの世代になると、戦前、戦後の不況を知っているから、結構しゃべる。しかし、そうじゃない。
 しつこく言いますけど、そういった意味で、憲法改正は静かに、みんなでもう一度考えてください。どこが問題なのか。きちっと、書いて、おれたちは(自民党憲法改正草案を)作ったよ。べちゃべちゃ、べちゃべちゃ、いろんな意見を何十時間もかけて、作り上げた。そういった思いが、我々にある。
 そのときに喧々諤々(けんけんがくがく)、やりあった。30人いようと、40人いようと、極めて静かに対応してきた。自民党の部会で怒鳴りあいもなく。『ちょっと待ってください、違うんじゃないですか』と言うと、『そうか』と。偉い人が『ちょっと待て』と。『しかし、君ね』と、偉かったというべきか、元大臣が、30代の若い当選2回ぐらいの若い国会議員に、『そうか、そういう考え方もあるんだな』ということを聞けるところが、自民党のすごいところだなと。何回か参加してそう思いました。
 ぜひ、そういう中で作られた。ぜひ、今回の憲法の話も、私どもは狂騒の中、わーっとなったときの中でやってほしくない。
 靖国神社の話にしても、静かに参拝すべきなんですよ。騒ぎにするのがおかしいんだって。静かに、お国のために命を投げ出してくれた人に対して、敬意と感謝の念を払わない方がおかしい。静かに、きちっとお参りすればいい。
 何も、戦争に負けた日だけ行くことはない。いろんな日がある。大祭の日だってある。8月15日だけに限っていくから、また話が込み入る。日露戦争に勝った日でも行けって。といったおかげで、えらい物議をかもしたこともありますが。
 僕は4月28日、昭和27年、その日から、今日は日本が独立した日だからと、靖国神社に連れて行かれた。それが、初めて靖国神社に参拝した記憶です。それから今日まで、毎年1回、必ず行っていますが、わーわー騒ぎになったのは、いつからですか。
 昔は静かに行っておられました。各総理も行っておられた。いつから騒ぎにした。マスコミですよ。いつのときからか、騒ぎになった。騒がれたら、中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。だから、静かにやろうやと。憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。
 わーわー騒がないで。本当に、みんないい憲法と、みんな納得して、あの憲法変わっているからね。ぜひ、そういった意味で、僕は民主主義を否定するつもりはまったくありませんが、しかし、私どもは重ねて言いますが、喧噪(けんそう)のなかで決めてほしくない。

 ところがこの麻生講演について別途次のような要旨を朝日新聞は公開している(参照)。詳細で欠損され要旨で見える部分を強調しておく。それ以外が後で「詳細」として取り出されたわけである。

麻生副総理の憲法改正めぐる発言要旨
 麻生副総理の憲法改正関連の発言要旨は次の通り。
 麻生氏発言に関する記事はこちら
 護憲と叫んでいれば平和が来ると思っているのは大間違いだし、改憲できても『世の中すべて円満に』と、全然違う。改憲は単なる手段だ。目的は国家の安全と安寧と国土、我々の生命、財産の保全、国家の誇り。狂騒、狂乱のなかで決めてほしくない。落ち着いて、我々を取り巻く環境は何なのか、この状況をよく見てください、という世論の上に憲法改正は成し遂げるべきだ。そうしないと間違ったものになりかねない。
 ヒトラーは民主主義によって、議会で多数を握って出てきた。いかにも軍事力で(政権を)とったように思われる。全然違う。ヒトラーは選挙で選ばれた。ドイツ国民はヒトラーを選んだ。ワイマール憲法という当時欧州で最も進んだ憲法下にヒトラーが出てきた。常に、憲法はよくてもそういうことはありうる。
 今回の憲法の話も狂騒のなかでやってほしくない。靖国神社も静かに参拝すべきだ。お国のために命を投げ出してくれた人に敬意と感謝の念を払わない方がおかしい。いつからか騒ぎになった。騒がれたら中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。だから静かにやろうや、と。憲法はある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口に学んだらどうかね。わーわー騒がないで。本当にみんないい憲法と、みんな納得してあの憲法変わっているからね。ぼくは民主主義を否定するつもりはまったくありませんが、私どもは重ねていいますが、喧騒(けんそう)のなかで決めてほしくない。

 麻生講演の全文と理解されがちな「詳細」には、次の部分の要旨に相当する前の部分が存在したことがわかる。

 護憲と叫んでいれば平和が来ると思っているのは大間違いだし、改憲できても『世の中すべて円満に』と、全然違う。改憲は単なる手段だ。目的は国家の安全と安寧と国土、我々の生命、財産の保全、国家の誇り。狂騒、狂乱のなかで決めてほしくない。落ち着いて、我々を取り巻く環境は何なのか、この状況をよく見てください、という世論の上に憲法改正は成し遂げるべきだ。そうしないと間違ったものになりかねない。

 この部分に関連した報道は、講演当日の朝日新聞報道で見つかる(参照)。

「護憲と叫べば平和が来るなんて大間違い」麻生副総理
■麻生太郎副総理
 日本の置かれている国際情勢は(現行憲法ができたころと)まったく違う。護憲、護憲と叫んでいれば平和がくると思うのは大間違いだし、仮に改憲できたとしても、それで世の中すべて円満になるというのも全然違う。改憲の目的は国家の安全や国家の安寧。改憲は単なる手段なのです。狂騒・狂乱の騒々しい中で決めてほしくない。落ち着いて、我々を取り巻く環境は何なのか、状況をよく見た世論の上に憲法改正は成し遂げるべきなんです。そうしないと間違ったものになりかねない。(東京都内で開かれたシンポジウムで)

 朝日新聞としては、当初、麻生講演をこのように報道して、後に共同報道から「ナチス憲法」が着目されるようになってのち、「麻生太郎副総理が29日、東京都内でのシンポジウムでナチス政権を引き合いにした発言は次の通り」として、その部分を取り出して「詳細」という報道をしたことが理解できる。


3 麻生氏講演の論旨は意外に明確。現状での改憲を望んでいない
 以上の考察から、麻生講演の全体像はまだ報道されていないように思える。
 加えて、その「詳細」に見られる前方部の欠損のために、問題とされる部分ついて、麻生講演の冒頭にまとめた論旨の文脈が見失われることにもなった。
 そこであえて、現状わかる部分の冒頭論旨と、問題箇所を簡素に要旨(書き起こし補正を加え)として繋げてみよう。こうなる。


 日本の置かれている国際情勢は(現行憲法ができたころと)まったく違う。護憲、護憲と叫んでいれば平和がくると思うのは大間違いだし、仮に改憲できたとしても、それで世の中すべて円満になるというのも全然違う。改憲の目的は国家の安全や国家の安寧。改憲は単なる手段なのです。狂騒・狂乱の騒々しい中で決めてほしくない。落ち着いて、我々を取り巻く環境は何なのか、状況をよく見た世論の上に憲法改正は成し遂げるべきなんです。そうしないと間違ったものになりかねない。
 今回の憲法の話も狂騒のなかでやってほしくない。靖国神社も静かに参拝すべきだ。お国のために命を投げ出してくれた人に敬意と感謝の念を払わない方がおかしい。いつからか騒ぎになった。騒がれたら中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。だから静かにやろうや、と。憲法もある日気づいたら、さっき話しましたけれども、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口に学んだらどうかね。(聴衆、反語表現に大爆笑) わーわー騒がないで。本当にみんないい憲法と、みんな納得してあの憲法変わっているからね。ぼくは民主主義を否定するつもりはまったくありませんが、私どもは重ねていいますが、喧騒(けんそう)のなかで決めてほしくない。

 こうしてみると麻生氏講演の骨格が明確になる。
 まず、麻生氏は現状での改憲を望んでいない。
 それ以前に「仮に改憲できたとしても」として、改憲に懐疑的である。
 ある意味奇妙とも言えるのだが、麻生氏は「国家基本問題研究所(櫻井よしこ理事長)」という改憲派と見られる人々を前にして、現状での改憲は望ましくないと述べているのである。
 現状の改憲が好ましくない理由は、ヒトラーがワイマール憲法下で全権委任法を通し独裁を招くような事態が懸念されるからだ。そもそも麻生氏は「国家の安全や国家の安寧」が重要で「改憲は単なる手段」としている。
 ゆえに、喧噪の中で改憲を議論するのではなく、「国家の安全や国家の安寧」を国民が静かに議論ができるようになったら、その達成の手段として改憲を行うべきだと麻生氏は主張し、その際の陥穽として、反語表現として「あの手口をまなんだらどうか(その手口を学んではいけない・喧噪がないからと言って独裁はまずいでしょ)」としているわけである。


 しかし、なぜ麻生氏はこのような臆病な改憲論をもっているのだろうか。
 ここからは私の推測だが、日本国憲法はかなり改正が難しい硬性憲法であり、その硬性の意味を麻生氏が生涯問い続け、そこで2つの障壁を認識していたからだろう。一つは国民の喧噪という熱狂なかで改憲は行ってはいけないこと、二つ目は、しかし静かといっても民主主義を否定するわけにはいかないから、国民を誘導するような独裁性政権を導く手口は危険だ、ということだ。
 いずれにしても今回の口禍は麻生氏が、きちんとしたスピーチライターをもっていたら回避できたことだろうし、麻生氏の「失言」は記者が狙ってもいたのだろう。こうした事態を麻生氏が繰り返す点については、政治家としての資質に問題があると見なされてもしかたがないだろう。
 
 

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コメント

https://twitter.com/yamamoto7hei/status/363785247873175552
---quote---
この世で、書かれたもののうち、一番恐ろしい害悪を及ぼすのは「虚偽」ではなく「一部を作為的に欠落させた事実の提示」である。
---unquote---

投稿: 774 | 2013.08.04 08:31

反語や比喩は、ポエムです。政治家やネットの過激言動する人は実は、ポエムでやっています。ひどいと哲学までポエムです。ポエム表現をバカにしつつ、ポエムなんだから呆れる。

グローバルと現代に必要なのは、映画表現です。わかりやすいし、伝わります。モンタージュで、事実と事実を交互に見せていくだけです。コピペがネットで受けているのも、ポエムを長々と述べるより、ソースをキリハリしたほうが伝わるってことで。

改憲に賛成する人、反対する人たちは、現実を無視しています。まず、することは、議員の数と報酬や経費の改革です。たぶん、それをしたくないから、目をそらしたいだけです。それに、世界中、中国だって韓国だって、日本の改憲には反対していません。しているのは、国交の中である問題から目をそらそうとするからです。

ちなみに、個人の二人が目をあわせて話し合っているときに、目をそらしたら、そらされた方は怒るに決まっています。つまりね、目をあわせて言えないことを主張する政治家がもっともおかしいってことです。だいたい、自分の親や祖父と目をあわせて従軍慰安婦の話なんて、できますか? しましたか? そういことが政治的テーマになるのがおかしいんですよ。民主主義なんだから、双方が話し合える主題がもっとも大切で、もっとも急ぐテーマなんですよ。あと、目を合わせることができないようなことをしてしまったら、ひたすら謝るか、知らぬふりするしかありません。不倫して、目を合わせられるなら、頭がおかしいんですよ、笑。

投稿: | 2013.08.04 10:50

「寛容」→「慣用」
「返って」→「かえって」「却って」
かと.

投稿: maeda | 2013.08.04 11:35

聴衆が笑ったから反語である、との論拠のみで構成されていますが。まったく当たらない。なんでも書けばいいってもんではないでしょうwあきれましたよw

投稿: 直人 | 2013.08.04 14:50

バカかお前は!
麻生が「ナチス憲法に学んだらどうか」と発言した後聴衆が笑ったのは、麻生の低脳な発言即ち単細胞人間だと感じたから笑ったのであり、お笑い芸人並みの発言を笑ったのである。
自民党支持者が米国の押し付け憲法と非難する現憲法が、戦後の日本社会の発展を支えた規律であったことは紛れもない真実である。
米国の軍事負担を日本に肩代わりさせるため、憲法を平和志向から、軍事志向への改正を要求する米国軍産グループの押し付けに応じようとしているのが自民党の憲法改正論だ。

投稿: ハッピーおさむ | 2013.08.04 16:03

maedaさん、ご指摘ありがとうございました。訂正しました。

投稿: finalvent | 2013.08.04 16:20

直人さんへ。この程度反語表現は読解力のある人なら文章の全体の整合だけ読んでもわかるのですよ。ただ、それだけでわからない人が多いのでコンテクスト情報でも補足説明したというだけです。

投稿: finalvent | 2013.08.04 16:21

ハッピーおさむさんへ。「聴衆が笑ったのは、麻生の低脳な発言即ち単細胞人間だと感じた」というのは「国家基本問題研究所(櫻井よしこ理事長)の聴衆を想定すると、なかなかの反語表現ですね。

投稿: finalvent | 2013.08.04 16:23

あの秋葉原で聴衆を煽って日の丸を振り回させる麻生さんがこの文章で書かれているようなことを考えているのかねえ・・・
それじゃ典型的なマッチポンプじゃないか

投稿: | 2013.08.04 16:30

ここからは私の推測だが、日本国憲法はかなり改正が難しい硬性憲法であり、その硬性の意味を麻生氏が生涯問い続け、そこで2つの障壁を認識していたからだろう。一つは国民の喧噪という熱狂なかで改憲は行ってはいけないこと、二つ目は、しかし静かといっても民主主義を否定するわけにはいかないから、国民を誘導するような独裁性政権を導く手口は危険だ、ということだ。

この推測はありえないと思います。

投稿: 蛙 | 2013.08.04 16:31

私は、finalventさんの見方は、大きく外していないと思いますよ。

麻生氏の講演に関する問題が生じてから私が見た解説・意見のなかでは、一番しっくりくるものです
(その意味では、いろいろ躊躇されてましたが、この件、きちんと記事として挙げていただけたのは、
非常にありがたいです。感謝します)。

投稿: 国際法研究者(ノラ) | 2013.08.04 16:51

まあこうやって「本心を忖度」してるうちに外堀が埋まっていくんだよな。ほんとネット・ブロガーとか役に立たねえ

投稿: | 2013.08.04 16:55

反語という事は「手口を学んだらどうか」は橋下さんが言ってたブラックジョークではないか、という見方が正しかったという事でしょうか?

投稿: 通りすがり | 2013.08.04 17:06

欧米であれば、麻生氏はとっくに罷免されていることだろう。細かなニュアンスなど関係なく、ナチスを引き合いに出すこと自体が絶対に許されない行為であるのは、ナチスにより呪われた歴史を背負うことになった欧米の人々には避けられない事情だ。そうした事情に配慮できなかった時点で、麻生氏は政治家としてのセンスに致命的な欠陥を持っていると判断せざるを得ない。それとも、麻生氏を擁護する人々は、欧米の歴史そのものを否定して、日本だけ国際的に孤立した道でも歩くつもりなのだろうか。そんなことをしている余裕が今の日本にあるとでも本気で思っているのだろうか。

投稿: | 2013.08.04 17:22

ここまで寛容に考えてしまうと、麻生氏のこれまで取り沙汰された数々の失言についても、すべて反語表現だという言い訳が成立しかねないのではありませんか?

最後の一段落には同感です。
これが反語表現でなければですが。

投稿: tanocci | 2013.08.04 17:27

ちょっと安心しました。

麻生発言を全体で見れば(清和会に警告を与える)ブラックジョークだと気付くと思うのですが、新聞屋さんが切り貼りに熱中しているのが怖いです。

この件は、国民の言語レベルを計るクイズと捉えても良いように思います「(笑)」や「www」のような記号が無いとジョークに気付かないようだと、衆愚政治まっしぐら。でもTVの前にいるサイレントマジョリティは意外と分かってるんじゃないかなあ。

投稿: ぷえ | 2013.08.04 17:38

finalventさんへ。 いえいえ聴衆が笑ったことで反語としているのがおかしいと言っているのです。肯定でも笑うでしょう。「笑ったから反語だ」。これはまったく意味のない論拠。

投稿: 直人 | 2013.08.04 17:42

現代文は得意でしたし、センター試験でも満点だったのですが、書き起こしや録音を見聞きして文脈を読んだ後のほうがむしろ反語表現であるということが理解できません。

麻生氏は喧騒の中で憲法改正することを否定的にとらえており(マスコミが騒ぐこと、といったほうが的確かもしれないですが)その上で静かに改正されたワイマール憲法の話をしているのですから、肯定的評価を与えていると考えるが論理的ではないでしょうか。

もしこれが反語だった(「学ぶべきではない」)とすれば文脈は「憲法は静かに改正するべきだ、でも静かに改正したワイマール憲法には学ぶべきではない」となってしまい、結局何が言いたいのかわかりません。

更にそのあと、「僕は民主主義を否定するつもりはまったくありませんが」と述べている部分は、マスコミが騒がずに改正されたワイマール憲法を肯定的に評価した事ついて、ナチスを称賛するわけではないが(静かにやったことについては学ぶべきである)と、弁明していると取れます。

私は件の発言は静かにやるべきだということを半ばブラックジョークとして「ナチスに学んでみればいいじゃないか」と述べたという風に受け取っています。

そして与党の副総理という立場の人間がナチスの行動をそのような冗談の種にしたというこでその不思慮を晒した出来事である、と考えています。

投稿: 足軽 | 2013.08.04 17:48

弁当爺の懸念通り見事なクソサヨ釣り堀になっちゃって・・・

問題は欧米じゃギャグでもナチネタは御法度という事でしょう

投稿: murasaki | 2013.08.04 20:05

常識的に言って、ナチスは現代社会では
絶対的な悪の象徴であり、
そこから「学ぶ」何て公言する人は皆無に近い。
だからこそ、「ナチスの手口に学ぶ」という表現が
反語(冗談)として受け止められるわけですが、

その一方で、ナチスのレッテルを貼ることで政敵の
政治生命を断ちたいと考える人は数多くおり、とりわけ
改憲を掲げる 今の自民党には注意が必要なんですが、
それを怠った所に麻生氏の拙さがあるのだと思います

投稿: 佐渡 | 2013.08.04 20:14

足軽さんへ、
この文を「ワイマール憲法が静かに改正された」と読むから理解出来ないのだと思います。
ワイマール憲法は「静かに」ではなく「ある日気づいたら」変わっていたのです、「誰も気づかぬうち」に。
なぜそんな事が起きたのか?
ワイマール憲法は改正されなかったからです。改正されずに実質上無効化された。ナチス憲法とも言うべき全権委任法によって。
で、この全権委任法の成立過程ってのががまさに「わーわー騒いだ喧噪の中」だったわけです。
ワイマール憲法が改正されていないことをもってして麻生さんが事実誤認してるように謝って捉えてる人もたまに見かけますが
当然麻生さんはわかって言ってます。発言を撤回された以上もう真意について話す事は無いでしょうが。

投稿: サクレ | 2013.08.04 20:36

僕も最初は足軽さんと同じ感想だったのですが、このエントリを読んで思ったのは、「ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。」この表現が即ち、まるで水面下で「静か」に変わったとみんな捉えているところが大きな誤解なのかなと。そうじゃなくて正しくは、みんながわーわー騒いで、全員が納得して決めた、ナチス憲法という恐ろしいものに同調していることも気付かずに変わった、そういう意味で麻生さんは言ったと。
だとするとたぶんほとんどの人は誤解してないですかね。反語という捉え方もすんなり来ます。
そういうこと?

投稿: ケンちゃん | 2013.08.04 21:09

「尊師のお言葉には深い”本当の意味”が隠されているはずだ」
「ステージが高い私にはわかる」←→「読解力が試されている」

オウム真理教の手口でも学んだらどうかね(ブラックジョーク)

投稿: | 2013.08.04 21:53

そもそも麻生さんは、「ワイマール憲法をナチス憲法に変えた手口を学んだら。」という意味でいったわけでなく、完璧なワイマール憲法がナチス憲法に変えられたことにより、ドイツの独裁体制が始まってしまった。このように、うやむやに憲法を変えてしまったら、日本も同じ末路をたどってしまう。だから憲法は冷静かつ慎重に決めなければならない。ということ言いたかったのではないでしょうか。僕にはナチスを肯定しているようには聞こえませんでした。テレビなどで放送・発表されていることは正しいのでしょうか。(・_・)エッ....?

投稿: | 2013.08.04 22:57

finalventさん、みなさんこんばんは

サクレさんも書かれているとおり、全権委任法の成立過程の喧噪をどう認識しているかが、問題だと思います。

麻生さんの発言の

>ヒトラーは民主主義によって、議会で多数を握って出てきた。いかにも軍事力で(政権を)とったように思われる。全然違う。ヒトラーは選挙で選ばれた。ドイツ国民はヒトラーを選んだ。ワイマール憲法という当時欧州で最も進んだ憲法下にヒトラーが出てきた。常に、憲法はよくてもそういうことはありうる。

こういう断言は微妙だと思います。
1933年3月の選挙でも単独過半数をとったわけではなくて、連立政権が成立しているだけです。
ここから、国会議事堂放火事件等を利用して全権委任法成立までの過程は民主主義の手続きとは評価できないはずです。

大変大騒ぎしてワイマール憲法を死文化に追い込んでいるわけで、ここいらの歴史認識は批判されてもしょうがいのではないかと思います。

それはさておき、国家基本問題研究所という場所で麻生副総理が、憲法改正は冷静にやろうやとか、8/15に靖国神社に行くんじゃなくて静かに参拝したらどうかとか発言したのは、とても意義のあること思います。
また、ナチスを引き合いに出して警鐘をならしたのも、政治家としては時宜に合った含蓄のあるものではないでしょうか。表現は拙かったかもしれませんが。

ともすれば政権内の「慎重な」改憲派の麻生氏を、護憲派の共同通信と朝日新聞が攻撃しているのがなかなか笑えるところです。

読売新聞と産経新聞の論調はユダヤ人団体のスポンサー攻撃が怖いのか、新聞の消費税がらみなのかよくわからないところですね。

投稿: 苺矢毒蛙 | 2013.08.04 23:01

話の流れで見ていくと「あの手口を学んだらどうだね」と揶揄されている対象は「マスコミ」のような気がします。
反語っていう事もあるのかもしれませんが、この話の前段でおちょくられているのがマスコミですから、その延長線上にあるのでは?だから笑いが起きたのでは。

もうひとつ、これも話の流れでいくと、ここで言う「ナチスの手口」はナチスが得意としたマスメディアの利用・大衆操作を念頭に置いて出しているはず。
ホロコーストを見習えとかそういう話ではないだろう・・・というのは流れで分かるのですが、ナチスという単語を出せば一人歩きし始めるのは当然なわけで、不用意な失言であるのは間違いないのでしょうね。

投稿: ふ | 2013.08.04 23:21

「現状の改憲が好ましくない理由は、ヒトラーがワイマール憲法下で全権委任法を通し独裁を招かないようにするためで、そもそも麻生氏は「国家の安全や国家の安寧」が重要で「改憲は単なる手段」としていることだ。」


この文章の日本語が変で、意味を量りかねます。補足をお願いします。

投稿: いるか | 2013.08.05 00:18

事の発端は朝日より読売だろ。
ナチスの手口学んだら…憲法改正で麻氏講演 読売新聞-2013/07/29
朝日新聞が嫌いなのはわかったけど
読売新聞も嫌いになってね

投稿: | 2013.08.05 02:27

ナチスの手口学んだら…憲法改正で麻生氏講演(2013年7月30日07時32分 読売新聞)
http://megalodon.jp/2013-0731-2055-33/www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130730-OYT1T00050.htm

改憲「狂騒、狂乱の中で決めるな」…麻生副総理(2013年7月30日07時32分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130730-OYT1T00050.htm

何が2013年7月30日07時32分7時32分なのか?
これを分析と言うんだよw

投稿: | 2013.08.05 03:10

麻生さんの例えは適切じゃない気がしますけど、全体を読めばそんなに変な事いってないですよね。

ただ朝日中心にマスメディアの歪曲報道の仕方は分かった気がします。非常に悪質ですね。

投稿: | 2013.08.05 03:48

その手口を学んではいけない、ではなく
その手口を認めた上で、学んではいけないという方が
しっくり来るんだよなあ。
そこが見る人にとってはジョークではなく
ブラックジョークであり、不謹慎になる。

投稿: ワイマール | 2013.08.05 04:30

sun
憲法もある日気がついたら、
ドイツの、さっき話しましたけれども、
ワイマール憲法もいつのまにか変わってて、
ナチス憲法に(喧騒の中)変わってたんですよ。

(わーわー騒いでるその裏で)だれも気がつかないで
(実質無効化し)変わったんだ。
あの手口(を悪い例として)学んだらどうかね。もうちょっと。
わーわーわーわー(その時みたいに)騒がねーで。

本当にみんな(が)いい(と思うワイマール)憲法、
これが一転、それを(喧騒の中)みんな納得してあの憲法変わってるからね。

だから、ぜひそういった意味で
ぼくは民主主義を否定するつもりもまったくありませんし。

しかし私どもはこういうとこは重ねていいますが、
喧騒の中で決めないでほしい。
sun

喧騒の中では良い改憲はできないってことですね。

投稿: | 2013.08.05 06:07

 なんか一部では誤魔化そうと躍起になってるが、この発言を誤魔化すのは、麻生に未曾有を正しく読ませるのよりも難しい話だ。

投稿: なまえ | 2013.08.05 06:30

いるかさんへ。ご指摘ありがとうございました。係り受けを訂正しました。

投稿: finalvent | 2013.08.05 07:28

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