京大原子炉実験所の今中哲二助教の言動に要注意です。
7月14日の福島県いわき市での講演「低線量被ばくの健康被害 "科学 "ではっきり言えることと、言えないこと」のまとめの内容を見ると、今中氏が放射線被曝による健康被害に対する見積は甘いのではないかと思いました。
チェルノブイリの被曝による健康被害を2万人と見積もったり、福島の子どもの甲状腺に異変が起きている状況があるにも関わらず、怖いのは内部被曝よりも高線量地域での外部被曝だと言い、ICRPと同様に内部被曝と外部被曝の影響を同等と考えECRRを批判している、ECRRやバンダジェフスキー氏、肥田瞬太郎氏などに対する悪口とも取れる発言等々。
ミスター100mSvの異名のある福島医大副学長の山下俊一ほどではありませんが、反原発であっても、健康被害の問題に関してはかなり安全寄りに立っているのです。
放射能安全論に立つ人達は、反原発の今中氏がこのような話をしたことを以って、放射能恐怖症の人達はこれを読みなさい!と鬼の首でも取ったかのように狂喜しているようです。
確かに、人々に安全を信じさせるには、どう見ても御用学者でしかない山下俊一よりも、今中氏のように反原発のスタンスを取っている学者の方が、信じさせ易いでしょう。
でも、科学的に解明されていないからと言って、健康被害が疑われる異変がチェルノブイリでも起き、福島事故でも既に起こっている現実は無視出来ない訳ですし、ましてや「科学的根拠が薄い=安全」という訳ではありません。
福島での原発事故発生から1年半近くが経とうとしている今、ますます個々人の判断が厳しく問われる混沌とした時代になってきていると痛感します。
「市民研通信:「今中哲二さんを囲んで共に考える」 講演まとめ」
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