家庭について
1995年度のデータでは、1家庭平均3,480kWhの電力を使い、その電気を作るのに約400kgの二酸化炭素を火力発電所から排出している計算になっています。電気製品の中で最も電気を消費しているのが冷蔵庫で約25%、2位が照明で約20%、ついでテレビ、エアコンと続きます。
電気1kWhで約114gの二酸化炭素が排出される計算になります。つまり、電気を上手に使うことで、二酸化炭素の削減になります。例えば、冷蔵庫の周囲には適当な間隔をあけて設置する、不要な照明をまめに消す、などのことに気をつけるだけでも、省エネになります。
また、待機電力にも気を付けましょう。プラグをコンセントに差し込んでいるだけで電力が消費される機器は家庭内に数多くあります。省エネルギーセンターの調査によれば、家庭の全電力量の10%以上を占めていることがわかっています。主電源を切るか、コンセントからプラグを抜く習慣をつけましょう。省エネ型の商品も多く出ているので、購入の際には待機電力もチェックするようにしましょう。
家庭から出される粗大ゴミは基本的には各市町村が収集し、処理を行ってきました。しかし大部分が埋め立てられている状況にあります。そこで廃棄物のリサイクルの新たな仕組みを構築するために制定された法律が「家電リサイクル法」で、2001年4月に本格施行されます。それによればエアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の4種類が特定家庭用機器として指定されており、段階的に追加されていく見通しです。
「家電リサイクル法」により、消費者は使用済み製品を引き渡す時に、必要な費用を負担しなければなりません。それは「メーカーのリサイクル料金」と「小売店の収集・運搬料金」です。「メーカーのリサイクル料金」は、メーカーごとに異なるということですが、これまでに公表されているものではエアコン3,500円、テレビ2,700円、冷蔵庫4,600円、洗濯機2,400円(いずれも税別)となっています。また「小売店の収集・運搬料金」(小売店が家電を家庭から回収する費用と、メーカーの引き取り場所まで運ぶ費用)は小売店ごとに料金が異なり、店頭表示されることになっています。これらのシステムは、家電リサイクル法システムによって運営されます。
地球温暖化の影響の1つに海面上昇があります。これは、気温の上昇により北極や南極の氷、氷河が溶けたり、海水が熱で膨張することが原因となり、海面の水位が上昇することをいいます。温室効果ガスの濃度が現在の増加率で進むと、不確実性はありますが2100年には海面の水位が、約65cm、最大で1mも上昇するといわれています。もし水位が1m上昇すると、太平洋のマーシャル諸島の一部では80%が、バングラディシュでは国土の18%が海に沈み、アジアでは数千万人規模での移住が必要といわれ、日本でも、50cmの水位上昇で299万人が移住を余儀なくされるといわれています。また、世界的な影響としては熱帯・亜熱帯地域での食糧生産の減少とそれに伴う飢きんや難民の増加、洪水や干ばつ、台風発生などの異常気象が頻発化するなど、海面上昇の結果、各地に大きな被害が出るものと考えられています。地球温暖化を少しでも防ぐため、電気の消費量を減らしたり(発電所から出る二酸化炭素が減ります)、不必要なアイドリングはやめる、身の回りに緑を育てるなど、私達にも今すぐできることがあります。
環境住宅は、光、熱、水といった自然エネルギーを活用することによって電気やガスの使用量を減らし、経済的にも効果的な住まいです。普段通りに過ごしているのに環境に配慮した生活が行えるのがうれしいですね。
●太陽エネルギーを利用する
屋根で集めた太陽エネルギーを電気エネルギーに換えたり、熱に換えたりして利用します。エネルギーを自給することで家庭からのCO2の排出が減り、環境にやさしい住まいとなります。
●雨水を利用する
お風呂の残り湯や雨水を、トイレ洗浄や庭散水、洗車などに使用できるため、水の節約になります。
●エコロジーコーナーで分別も楽々
使用済みの缶やビンを手軽に洗浄・乾燥できたり、リサイクルゴミを細かく分別できるスペースがあります。
ここに挙げたのはほんの一例で、ほかにも設計面では、高気密・高断熱設計で熱を逃がさないようにしたり、リサイクル可能な素材や天然素材、国産木材の活用がなされており、設備面ではオール電化住宅も注目されています。このように住まいも環境にやさしくなっているのですね。
A: 省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)における機器の省エネルギー基準設定の考え方であり、「エネルギー消費機器(自動車、電気機器、ガス・石油機器等)のうち省エネ法で指定するもの(特定機器)の省エネルギー基準を、各々の機器において、エネルギー消費効率が現在商品化されている製品のうち最も優れている機器の性能以上にする」というもの。1998(平成10)年6月の省エネ法改正によって導入されている(施行は1999(平成11)年4月)。
A: 2003(平成15)年3月末現在で、以下の18機器が指定されている。
・乗用自動車
・エアコンディショナー
・蛍光ランプのみを主光源とする照明器具
・テレビジョン受信機
・複写機
・電子計算機
・磁気ディスク装置
・貨物自動車
・ビデオテープレコーダー
・電気冷蔵庫
・電気冷凍庫
・ストーブ
・ガス調理機器
・ガス温水機器
・石油温水機器
・電気便座
・自動販売機
・変圧器
平均気温の上昇が始まるのは、人類が化石燃料を使って産業を興し、本格的に森林を伐採して利用しだした産業革命以降のことです。気象庁の観測によると、日本でも、年平均気温はこの100年間で約1℃上昇しています。また、温暖化による世界の平均気温の変化は、100年間で約1.4~5.8℃と予測されています。これは過去1万年の間にかつて見られたことのない平均気温の上昇で、これまでに人類が全く経験したことのない急激な気温の変動です。中でも特に1980年代の温度上昇は目立ちます。マンモスが全滅したといわれる氷河期だけでも3~6℃低くなっただけであることを考えると、この気温上昇がいかに急激なものかわかるでしょう。
自動車税制のグリーン化は環境にやさしい自動車の普及を目的に平成13年4月から環境負荷の小さい車に対し、自動車税 ・自動車取得税の軽減措置としてスタートしました。自動車はCO2やNOXを大気に排出しており、これは地球温暖化や大気汚染につながります。そこで、環境にやさしい自動車の開発 ・普及を促進するため、自動車税と自動車取得税を対象としたグリーン化税制が導入されました。『排出ガスおよび燃費性能の優れた環境にやさしい車はその排出ガス性能に応じて税率を軽減し、新車新規登録後一定年数を経過した車は、その翌年度分から現行の自動車税額のおおむね10%税率を重くします』という内容の自動車税制のグリーン化が現在実施されています。つまり、環境自動車(環境負荷の小さい自動車)を購入した場合は軽課、環境負荷の大きい古い型式の自動車に対しては重課するということです。低排出ガスかつ低燃費車については原則、「超 ・低排出ガス」というラベルが車の後部についている車が対象となります(一部除く)ので、車の購入を考えているなら、環境にやさしい自動車の購入をオススメします。
例えば、スーパーやデパートに買い物にいくとき、自分のショッピングバッグを持って出かければ、スーパーの袋をもらわなくてすみます。購入する商品は、使い捨ての容器よりも、リサイクルできるガラスビンや缶がおすすめです。さらに、ビールビンのように何回も使える「リターナブルびん」の方が環境に与える影響は小さいです。また、何重にも包装された食材を選べば、食後はごみの山。生鮮品を買う時も、発泡トレイに入ったものより、バラ売りの方がごみは出ません。また、発泡トレイや牛乳パック、ペットボトルの回収ボックスなどを置くお店が増えていますので、 買い物に行く時は、ショッピングバッグにリサイクルできる空き容器を持って行くこともごみを減らすことにつながりますね。こうした、買い物時のちょっとした工夫でごみを減らすことができます。また、ごみの約3分の1は、台所からの生ごみといわれています。生ごみは、微生物たちに分解してもらうと、良質のたい肥になります。庭があったら土の中に埋める、そうでない場合は市販のコンポスターなどを使えば、生ゴミをたい肥に変えるのもそれほど難しくはありません。これらの事を、私たち消費者1人1人が心がけ、行動していくことで、ごみは減らせるのです。
EMボカシの「EM」とは「有効微生物群(Effective
EMボカシを使うと、早く簡単に生ゴミを腐らせられるという利点があります。また、コンポストに比べ、上手に利用すれば臭いもそれほど気にならないとのことです。
用意するものは、EMボカシの粉末と密閉容器です。EMボカシや密閉容器はホームセンターなどで販売されています。使い方は、まず生ゴミを容器に入れたらEMボカシをふりかけます。その上に適当なビニール袋などを広げてよく押し、空気を抜いてから蓋を密封します。翌日はまたビニールをとってゴミとEMボカシを追加し、またビニールを載せて容器のふたをする、この繰り返しです。容器が一杯になったら1週間~10日間ぐらい放置し、中身を庭に埋めます。この時、かぶせた土はしっかり踏み固めておくとよいでしょう。
こうすることで、生ゴミを減らし、肥料として有効活用できます。一度試してみてはいかがですか?
家庭ゴミのなかでも大きな割合を占める生ゴミ。これらの生ゴミは、コンポスト化して肥料としてリサイクルしましょう。コンポストとは、生ゴミなどの、有機物を含む廃棄物に微生物を混ぜ、発酵させることによって堆肥にするというしくみです。有機性廃棄物には窒素、リン酸、カリウムなど、肥料として重要な成分が含まれているので、肥料や土壌改良材として農業用に有用です。通常は、バケツ状などの容器の中で、微生物を含んだ分解促進剤をふりかけるなどして使われます。
家庭用の小型の生ごみ処理機も販売されています。電気の力で攪拌や加温などをして微生物に分解させる方式のものや、生ゴミを炭酸ガスと水に分解させるもの、温風等で加熱し乾燥させて体積を減量させる方式の生ゴミ処理機などもあります。こうしたコンポスト化で大事なのは、徹底した分別をすること。プラスチックや金属が混ざっていると、植物をいためたり、有害物質が溶けだしたりする可能性もあります。
コンポストの導入もよいですが、野菜の皮なども調理したりして、生ゴミを極力出さないことをまず心がけましょう。生ゴミを出す場合は、よく水気を切ること。水気をふくんだ生ゴミは悪臭が発生しやすく、容積が大きくなって(重くなって)回収に負担がかかるのです。