2013-08-05
「パトレイバー」実写映画企、目撃証言多数。「パトレイバー生みの親」たちの対立も、また才能の証か。
どれがオリジナルかもうわからんけど、とにかく横浜に「実物大パトレイバー」が登場し、それが写真を撮られまくり、投稿が相次いだ。それをまとめたものが多数ある。
http://matome.naver.jp/odai/2137346739293738201
http://patlabor-nextgeneration.com/
おまけで
http://patlabor-nextgeneration.com/
んで。
http://newskenm.blog.fc2.com/blog-entry-5482.html
@Ito_Kazunori『パトレイバー』実写版の件。いろいろといろいろアレだけど、おいらは無関係なのだった。
うむ。刮目して待て!(何を?)
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1209/18/news093.html
ゆうきまさみ氏は、「実写化の話は知りません。ああいう政治的な動きはやめてほしい」ときっぱり否定。アニメ・実写ともに現在映像化の話は動いていないはずで、「少なくとも僕は何も聞いていません」とツイートしている。
うん、実は「パトレイバー」に関しては、その後ゆうきまさみ+出渕裕 vs押井守 を中心に「俺のやりたいことが出来なかった。大体あの設定は・・」とか「そっちの世界観こそひとりよがりで訳分からん」的な不満がもれ伝わってきた。
ただし、どっちも真正面から論争するというより、時々思い出したように散発的にこの話題を語っていて、しかも他の作品づくりがそれへのアンサーだったりする・・・ような気がする。
ちょっと自分は能力的にその任にたえないが、だれか「パトレイバーに関係したヘッドギア内部の相互言及・論争史」の年表を作ったら面白いかもしれないです。
断片的にいうなら、
ここでhttp://d.hatena.ne.jp/gryphon/20121204/p3
いちど紹介した、日経ビジネスサイトでの、押井守の自作回顧サイトが非常に参考になるでしょう。計2本ぐらいになるんだっけ。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20121130/240347/
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20121130/240348/
女の子のファンとか泣いちゃったけどね(笑)。遊馬はちっとも出てこないし、野明は全然かわいくない。キャラクターまで変えちゃった・・・(略)
最初から(レイバーを動かす)その気はなかったから。戦車とかヘリコプターを動かすほうが絶対大事だから。・・・(略)ほとんど全エネルギーを注ぎ込んだからね(笑)。レイバーはほとんど動いてない。最後だけはいちおう動かしてみせたけど、極端に言うと使用前と使用後しか見せてない・・・(略)あのロボットにはそれしかテーマがない
ただその一方でね、こんな対談も。
http://www.kyo-kan.net/oshii-ig/report/20030925.html
ラーゼフォン 多元変奏曲 初回限定版 ブックレット 出渕裕×押井守対談(抜粋)
ラーゼフォン 多元変奏曲 初回限定版のブックレットには出渕裕×押井守対談が掲載されているのだが、それを押井氏と出渕氏の関係を中心にちょっと紹介してみよう。
押井 僕のエッセイで、ぶっちゃんって人間についてコラムとかエッセイとか、さんざん書いて、まわりの人間はみんな悪口だと思ってるよね(笑)。でも、そうじゃないんだよ。評価してるから書いたんだ。
僕の「出渕裕論」を締めて言えば、「ぶっちゃんは、メカニックをキャラクターにした男だ」ということ。というか、アニメーションのメカニック、ロボットはみんなキャラクターだったんです。そのことを無意識のうちに極限まで追求した……そういう意味で言うと、日本のアニメーションを代表する男……永遠にファンの側にいられる男…ロボットは彼らおよび彼女らにとってキャラクターだった。そういうことを体現している…唯一の男。
メカニックというのは、本来は自立した瞬間から別世界…僕は、はっきりギミックにしようと思ってたの。ところがぶっちゃんのデザインに足引っ張られて(笑)、そうならなかった。
出渕 でも、あれ押井さんのいう、ギミックにしてたら今の『パトレイバー』はなかったでしょう。それと、今の押井さんも(笑)。
押井 ないない。それはまさに思うわけ。あの98式っていうのが、ファンの好むキャラクターになってなければ、最初のビデオ6本でこの仕事は終わってた…そこらへんが僕のアンビバレンツ(二律背反)な部分だけどね。
押井 …ぶっちゃん個人に対しては、『パト2』のときに大喧嘩やらかして、「お前なんかといっしょに仕事したくない、顔も見たくない」って。
出渕 それは、要するにあの電話口の話でしょ。デザイン上がらないんで、怒った押井さんが「お前やゆうきまさみは要するにレイバーが宇宙でドンパチやるよーなものをやりたいんだろ!」って、それでこっちがキレちゃった。アレ(笑)。
日本のアニメーションが持つ非常に不可解で特殊な領域と、緑を切ろう緑を切ろうと思いつつ、どうしても抜けきらず…「家」みたいなもんで、家を飛び出しても結局は家の問題は解決しない。 だからこそ、出渕裕っていう男に代表されているような、そういう絵柄の世界、アニメーションの世界、デザインの世界を、多分僕がいちばん正確に語れる位置にいる
あー・・・これを読んで、なんとなく対立点が部分的ながら、すっと分かってきたぞ。
ロボットを単なる「メカ」として扱いたい、そんな流れと、ロボットはメカ以上の存在であるという流れ・・・前者がガンダムで歴史を変えたのは事実だけど、「本当に100%メカ扱いはできない」という制限もある。その中での世界観の違いか・・・
まあ、才能があるからこそのぶつかり合いであって、ぶつかるほどの才能もない側からは計り知れないところもある。ものづくり、世界づくりの一端をのぞかせていただいたようなものだからな。
それにこういう喧嘩はたまたま歴史の神にテイクノートされるか、歴史の神がそれを永遠に秘密にするか、の違いだったかもしれない。
トキワ荘レジェンドたちが楽しく会社をつくり、一時は数十人単位の社員を抱えながらも、解散したときは「さしひきゼロ」だったというスタジオ・ゼロ。あの中だってずっと和気藹々なはずもなく、激しく言い合ったりしたこともあったと思うんだな。
ただ、こういう対立はまたあと十年経てば
というコンテンツにもなると思うのだ。そういう点では、逆にあってありがたかった、押井守とゆうきまさみ・出渕裕の対立だった。
この前、円谷プロの伝説たちの相互の対立や、押井守・宮崎駿・庵野秀明の対立をまとめたり
手塚治虫・石ノ森章太郎の「嫉妬と尊敬のドラマ」をまとめたりして、余計にそう思うのだ。
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gryphon 2013/08/05 08:49 またtogetterに力を割いてしまい、ブログ記事が減っちゃった。