一回、坂本(手前)を空振り三振。落ち着いていた【拡大】
雄たけびで、眠れる虎を叩き起こした。がけっぷちでも、諦めない-。藤浪が魂の105球だ。負ければ自力V消滅の一戦で、G倒を果たした。
「負ければマジックがついてしまいますし、ここから何としても追いつくんだという思いでした」
1点リードの五回無死二塁から、二死までこぎつけ長野を迎えた。ファウルされてもカットボールを続ける。2-2からの8球目。ついに空を切らせると、右手もグラブもガッと握りしめ、ほえた。「点を取られてしまうと流れをやってしまう場面なので、気持ちを入れて投げました」。胸の中で静かに燃やしていた炎を大観衆の前で初めてあらわにした。
最速こそ148キロだったが、直球はうなりを上げ、宝刀カットボールは鋭く低めに決まる。六回にも一死一、二塁のピンチを背負ったが、村田を左飛に、ロペスは投ゴロに打ち取り、一塁へ大事にトスした。直後の攻撃で代打・桧山を送られ、6回6安打無失点でお役ご免。直後に打線も爆発し、7勝目(4敗)だ。中9日で臨んだ本来の日曜日登板で快投。東の雄に待ったをかけた。