【コラム】「B級スピーカー」呉善花とその一味の取り扱い方

入国禁止知りながら訪韓の呉善花氏、「反韓商人」演出?
韓国人の神経逆なでする嫌韓論、日本の主なメディアでは専門家扱いされず
騒がせておいてもよし…対応の必要も価値もなし

 呉善花氏に対する韓国人の心情といえば不快なこと極まりなしだ。しかし、韓国人が思うほど同氏の存在感は大きくない。同氏が活躍する舞台は産経新聞のほか、月刊誌「SAPIO」や「正論」といった極右系メディアだ。主なメディアでは同氏についてほとんど取り上げない。

 データベースを検索してみると、2000年代以降に毎日新聞に掲載された呉善花氏の記事は11件で、朝日新聞・読売新聞でも14件だった。それもほとんどが新刊を紹介する短信記事だ。専門家待遇するほどの実力がないということは日本の主流社会でも分かっているのだ。だからこのような人物に日本の首相として初めて会った安倍晋三首相は、自身のレベルがその程度であることを自らさらけ出したことになる。安倍首相は3カ月前、呉善花氏をはじめとする極右・反韓派の人々を首相官邸に呼び、夕食を共にした。

 日本における呉善花氏の立ち位置は、主流を外れたB級論客程度だろう。日本の出版界には一定部分の反韓市場が存在する。同氏の影響力といえば、限られた「極右オタク」グループ内で仲間同士あれこれ言い合う程度だ。日本の知識人社会全体を見れば、無視してもいいほど微々たるものである。そうした人物に入国禁止措置まで取ったのは韓国政府の過剰対応だ。韓国攻撃の口実を公に与えてしまう結果になった。

 法務部は2年前、独島(日本名:竹島)上陸を計画した日本の極右系議員たちの入国を禁止した。この場合、入国禁止はやむを得なかっただろう。これら議員が独島に上陸していたら、ありとあらゆる騒動を繰り広げていたに違いないからだ。出入国管理法上の入国禁止事由「韓国の利益を害する行動を取る懸念」(第11条)が当てはまるケースだった。

 だが、呉善花氏の場合、その言説は悪質だが入国禁止事由に該当すると見なすのは難しい。同氏がテロや反韓パフォーマンスでもしない限り、韓国に来るからといって国益が侵害されるわけではないからだ。入国したとしても韓国内では同氏が活動する場もないし、同氏に会おうという報道陣もいない。入国禁止は同氏に対する懲罰的な意味しかない。もめ事を起こしたくてしょうがないような人物を無駄に増やすことになっただけだ。

 韓国人は日本の閣僚や政治家の妄動を両目を見開いてしかと監視しなければならない。しかし、呉善花氏のようなB級極右派は騒ぎたいように騒がせておけばそれまでだ。むきになって対応措置を取る必要も、そうする価値もない。

朴正薫(パク・チョンフン)副局長・企画エディター
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