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タイガー産業(株) 代表取締役会長 島袋 盛義さん、代表取締役社長 島袋 太悟さん、専務取締役 島袋 雲茜さん

2013.07.12 Fri.

【executive INTERVIEW 沖縄に立つ 沖縄を発つ(1)】
タイガー産業(株)
代表取締役会長 島袋 盛義さん
代表取締役社長 島袋 太悟さん
専務取締役 島袋 雲茜さん

「沖縄から本土、世界へ」の志で35年。
中国・台湾へも新たな展開を仕掛ける



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(写真左より、島袋太悟さん、島袋盛義さん、島袋雲茜さん)

 タイガー産業株式会社の創立は1979年。創立35周年のメモリアルイヤーにあたる今年、経営陣の体制を一新し、同社をリードしてきた島袋盛義さんが6月1日付で会長に就任、二代目社長には島袋太悟さんが就任した。
 総合金物卸商としてスタートした同社は、1984年に工場部門のタイガー工業株式会社も設立。自社製品も扱うメーカー兼商社として大阪、仙台、東京など日本各地に営業拠点を広げ、1997年には中国・南寧市にも工場を設立した。
 こうした軌跡からは順風満帆な印象を受けるが、「南寧市の自社工場は、設立から前年度まで17期連続赤字でした。ただし、今年度の中国国内での売上は30%増を目指しますよ」と、盛義さんは逆境を笑い飛ばす。会長職に就いた後はのんびりと過ごす予定が、今春、台湾に本社を持つ鴻海精密工業からの大口注文が入り状況は一転。「こうなったら、本格的に中国での営業をやっていくか!」と、盛義さん生来のバイタリティが湧き上がってきたそうだ。

 とはいえ、県外や海外での交渉には、県内での実績や経験が通用せず、想定外の困難も多い。盛義さんは営業畑で長年、そんな苦境を幾度となく経験したという。「まず県外では、いいモノがあっても販路がないと難しい。そこで、営業の基盤になる営業所の確立が重要になってきます。その分、これだ!と思ったらサッと動くことが大切ですね。また、海外での展開では言葉の壁に必ずぶつかります。違う文化を背負っているのだから、気長に向き合っていくしかない」と、盛義さんは〝チャンスをつかむ勘〞と〝待つ姿勢の大切さ〞、相反するふたつを臨機応変に使い分ける必要性を強く説く。

 さらに海外、特に中国では輸入関連法規が頻繁に改正される上、許認可の審査も厳しい。多くの制約に直面しながらも、同社がここまで中国で事業展開できたのは、自治体や国、行政に粘り強く働きかけた中国出身の同社専務、島袋雲茜さんの活躍あってのことだという。「現地での交渉に関しては、他の誰にもできないことをしてくれたと思います」と、盛義さんからの信頼も厚い雲茜さんに、中国での事業展開の秘訣を聞いてみた。「中国に限らず沖縄から外に出ていくなら、まず現地での市場調査をしっかりと行い、人脈を築く。そして、その地域に合うよう製品を改良することが大切です。関東と関西、日本と中国とでは文化が全く違うように、所変われば品が変わるのは建設資材でも同じこと。地道に現地での声を拾えば、売れる製品づくりや売りやすい人脈づくりに確実につながっていくと思います」

 そんな同社は今、大きな飛躍への助走態勢に入っている。そのひとつが主力商品の建築物基礎杭「アルファウイングパイル」の改良への取り組みだ。改良新製品では支持力を高める一方でコストも軽
減し、「逆回転で簡単に外せる」という従来の利点も維持。更にその生産拠点としてうるま市に新工場を建設し、県外・海外からの大口需要に応えると同時に、地元の雇用に貢献していくという。

 沖縄から外へ、また未来へと常に視線を注ぐ盛義さんに代わり、社長に就任したのが36歳の太悟さんだ。会長と専務が海の向こうで新たな展開を仕掛ける一方で、県内の地盤をしっかりと守ることが自分の使命だと語る。「社員が幸せに働けること、人として成長できることに価値を置く、新しい社内環境の整備に力を注いできました」。その結果、社内の雰囲気が一段と活性化してきたそうだ。
 常に時流を読み、世界の市場で戦える製品を沖縄から生み出し続ける盛義さん。その〝夢〞を継ぐ者として、「社員一人ひとりが自分で考え、決断し、行動する」大切さを問う太悟さん。その思いと情熱は、国内約160名、海外約300名の従業員に届き、「沖縄から世界へ」の新たな挑戦を支えていくのだろう。


タイガー産業株式会社 
創業:1979 年4月
事業内容:建築・土木資材等の製造・卸売
本社所在地:うるま市州崎12-11
☎098-982-1888(代表)
自社サイト:http://tiger-sg.co.jp

 

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