脱法ハウス:増える女性専用…元住人「低収入、親頼れず」
毎日新聞 2013年08月05日 07時50分
「あの家があったから頑張れた。夢を追いかけている子は他にもいる」。独学でイラスト画を描き続け、昨冬、初の個展開催にこぎつけた。「人は『脱法ハウス』と呼ぶけれど、法律も親も私を守ってくれない。あの家で実際に多くの人が守られ、助かっている。規制されれば行き場をなくす」
入居者の2度の自殺未遂騒動などでつらくなり、都内の類似施設に移った。専有スペースは2段ベッドの下段のみ。規制の前に住宅施策を充実させてほしい。「ただ、安く長く入れる公営住宅があったら甘えてしまうかも」。ネズミ駆除で家賃を優遇されていた時期、バイト量が極端に減少。ある種の居心地の良さに慣れていく感覚を味わった。「狭い部屋でボーッと天井を眺めていると、どんどん無気力になる」
何よりもまず居場所が必要だ。そして、「このままじゃダメだよ」と言ってくれる誰かが、そばにいてほしい−−。「そんな場所、他にありますか」。答えを誰も教えてはくれない。