国家的詐欺だ やらずボッタクリ 「支給は70歳から」なら、もう年金制度はやめろ!

2011年10月25日(火) 週刊現代
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 厚労省年金局の担当者に、支給開始年齢70歳への引き上げについて問うたところ、「年金は財政的に悪い状態を想定して見通しを立てている。年齢引き上げの議論は財政の悪化ではなく、あくまでも諸外国が開始年齢を引き上げているからだ」と答えた。非難の嵐の中で、支給年齢引き上げの議論がなし崩し的に進められている。日本年金機構関係者がその内幕を明かす。

「年金部会では、70歳への支給年齢引き上げ案にさまざまな反発があると聞いています。反対論者は『まるで逃げ水だ。問題を先送りにしているだけで、抜本的な改革になっていないじゃないか』と言っている。

 年金部会の委員もまた内心では、制度の根本を変えないといけないのに、その場しのぎの改革をやっても仕方がないと思っているようです。年金局長に、『小手先の改革をなぜやるのか?』と聞いたことがあります。すると、『とにかく直せるところから直していきたい』と答えるのみでした」

 厚労省のやり方はあまりに姑息。学習院大学経済学部教授の鈴木亘氏は、

「支給を70歳からにしても年金財政は足りない。年金制度に頼るのではなく、個人で貯蓄をするなり個人年金を買うなどで、自分の将来を守らないと生きていけない時代になるだろう」

 と警告する。大和総研顧問の原田泰氏もこう述べる。

「私が言いたいことは、現行の年金制度を廃止せよということ。若者に納得のゆく結論は出ないと思いますから、支給年齢引き上げを話し合う会議はうまくいかないでしょう。若い人から保険料を徴収して、まだ働く高齢者に年金を給付するのは、あまりに不公平です」

 もう年金制度になんか頼らないから、これまで支払った分をいますぐ返してもらいたい。

「週刊現代」2011年10月29日号より

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