瀬戸内海環境会議は、環境フォーラムやセミナーの他、さまざまな活動を行っています。 その中から最新の活動を紹介します。
2009年02月
広島県北広島町大朝でEMを活用した有機野菜づくり事業がスタートしました。
広島都市圏に水を供給する水源地域でもあり、環境を大切にしてまちづくりを進める広島県北広島町大朝で有機野菜づくり計画がスタートしました。当会議の村瀬事務局長が有機野菜づくりのコーディネーター、同会議の山本理事が大朝地域をコーディネートして大朝の産直市場「わさ~る産直館」を運営する大朝まちづくり会社と共同で実施します。その第1回打ち合わせを2月25日(火)、大朝の北広島町社会福祉センターで、関係者や農家のかたなど9名が参加して行いました。3月からEMを活用したボカシ作りからスタートし、主に土作りを主眼に、産直市場と学校給食用の野菜を継続てきに、安心安全な野菜の供給を目指します。目標は産直市場に出荷する農家30名で、大朝地区全体のブランド価値の創造も目指します。
地元農家の方や関係者との打ち合わせ風景 村瀬事務局長
2008年10月
西瀬戸内海の中央部「周防の生命圏」のど真ん中の上関原発。山口県が埋め立て許可。
瀬戸内海に残された数少ない原風景を残した「周防の生命圏」。住民の多くや県民・国民、市民グループ、生態学の研究者、環境保護団体などの反対や再調査などの意見や要望を無視して、また、地震やなどの危険性の指摘も無視して、山口県と知事は原発予定地の埋め立て許可を出しました。県は「原発の安全性の審査は対象外」と安全であろうがなかろうが原発のための埋め立てはOKとした。結局、国や県は、地元住民や県民・国民の安全・安心など、どちらでも良い。国策という名の原発を推進したいだけ。辞任した宮崎出身の大臣が、成田の空港建設反対をごね得といったように、権力者は住民感情や生きるということなどまったく理解しておらず、お上のやることに文句を言うやつは非国民だ。という戦前からの勝てば官軍意識そのままである。官軍の本拠地、長州なら当然の帰結か。
ならば、百歩譲って原発が温暖化やエネルギー危機の解決に役立つのであれば、そして原発が住民の安全や安心を脅かさないものであるならば、エネルギーの大量消費地のど真ん中に原発を造ろうではないか。東京、大阪、名古屋、札幌、仙台、福岡、松山、もちろん広島も例外ではない。しかも、電力会社の本社所在地に原発を作ろうではないか。エネルギーのロスも少なくなり、最大の消費地に作るのが当たり前ではないでしょうか。エネルギーは必要だけど、発電所は田舎に作って!さらにゴミも一杯出すけど、ゴミは田舎に持っていって!では道理が通らない。都市住民は自分達が必要とするエネルギーは自分達で作れるものは作りませんか。
周防の生命圏
防予諸島から東周防灘の島嶼部は、瀬戸内海国立公園の中でも、過疎化こそ進行しましたが、未だに瀬戸内海の自然環境が残る貴重な地域といえます。水質から判断すると、その中心的な地域は祝島から平郡島・周防大島に渡る地域です。 瀬戸内海は、紀伊水道、豊後水道,関門海峡によって外海と隔てられた東西約440km、南北約7~22km、面積は約220万haあります。内海は、小豆島を始め数多くの島々からなりその数約3,000あります。 国立公園は、「日本の風景を代表するに足りる傑出した風景地」を指定していますが
瀬戸内海国立公園は静かな海面、点在する多くの島々、白砂青松の浜、段々畑など自然と人間の営みとが一体となった、独特の親しみ深い景観(多島海景観)として、昭和9年にわが国最初の国立公園として誕生しました。
瀬戸内海の中では豊後水道から進入する海水の影響を受ける位置にあり(①)、高い透明度と汚濁の少なさが特徴で、透明度が高い傾向がある(②)。また、この海域は近くに大都市や大河川が無いため、海水の有機物汚濁(③)や富栄養化物質(窒素④)の濃度が低く、陸からの水質汚濁の影響が相対的に少ない。海のきれいさと、陸域からの汚濁物質の少なさは,底質の有機物の少なさ(⑤)にも現れている。総合的に見て、豊後水道に面した過疎地域の島嶼部だったため、瀬戸内海では例外的にまとまった面積で綺麗な水質環境が保たれている地域だといえる。
図の赤丸地点が上関原発予定地。写真真ん中:中国電力の海底調査船。岩の向こうの美しい湾が埋め立てられる予定。
図及び周防の生命圏資料:広島大学大学院国際協力研究科 助教 菊地亜希良 『シンポジウム「周防の生命圏」から里海を考える』プレス資料から
詳しくは、菊地亜希良のHPをご覧ください http://home.hiroshima-u.ac.jp/kikuchi/aki/indej.html
2008年10月
村瀬、瀬戸内海環境会議事務局長、獨協大学で講演
平成20年10月3日、獨協大学にて村瀬事務局長が学生300人を前にして「一人が変わり、地域が変わり、社会が変わる」をテーマに講演いたしました。
講演内容要旨は
1、瀬戸内海環境浄化の歩み
2、EMの働きとは
3、人と微生物の関係
4、有用微生物系の技術文化の時代
5、創造的な町づくり、地域づくりとは
6、事例報告
瀬戸内海環境会議の歩み、20世紀の石油系技術文化時代の終焉、環境に対応したまちづくりを官主導から住民参加へ、また、環境に対応した産業が21世紀を生き抜くことなどを、全国の事例を紹介しながらお話しました。
2008年10月
広島ホームテレビが太田川浄化への取り組みを放送。
「太田川じゃぶじゃぶ大作戦」のチームが主体になって、平成15年9月から京橋川の縮景園前を中心に、EM活性液200㌧、EM団子3万個を投入してきした。その結果、現在では常磐橋下のヘドロが37㎝減少し、下流の猿候川は勿論、上流の本川、更に太田川放水路、元安川など太田川全域のヘドロが減少し綺麗になっている。放送ではEM投入時である5年前の太田川の状況が、どう変化したのか現在と比較して見せる予定。今では目測でも分かるくらい河川のヘドロの減少していることが確認でき、太田川全域で数万㌧以上のヘドロが減少していると思われる。取材に応じた広島内水面漁協の河野さんは、当初からこの「太田川じゃぶじゃぶ大作戦」に関わり、太田川を身近に見て来ているが、「太田川が確実に綺麗になり、シジミの生産も向上してきた」と話す言葉には説得力がある。太田川に溜まったヘドロを消すなどとても不可能だと思えるようなことでも市民の地道な取り組みによって、現実に綺麗にできる。これは奇蹟ともいえるかも知れない。
こうした放送を機に、市民一人一人が太田川の実態を知り、その汚染された原因が一人一人の市民の生活にあることに気づき、それを改め浄化していく生活スタイルを取り戻していくことによって、水の都である広島の綺麗な太田川を復活させたいものである。
10月3日 午後6時以降に約10分間放映されます。
(レポート村瀬)
2008年07月
周防生命圏シンポジウム7月12日~13日山口県祝島で開催。
平成20年7月12日から、山口県上関町祝島。漁業と農業で生活を営むわずか500人の西瀬戸内海に浮かぶ小さな島で周防生命圏シンポジウムが開催されました。美しく豊な瀬戸内海。まさに「周防生命圏」にふさわしい海域であるこの豊な海・島の価値の再確認と、地域のブランドとしこのすばらしい環境をどう生かすかを議論。島の人達の取り組みや高島の自然を守る会の方による貴重な生き物の存在する海の保護、海の再生への取り組みなど周防の海のすばらしさや、現状、これからを発表。周防生命圏が瀬戸内海に残されたある意味、人間の暮らしが息づくサンクチュアリであることを確認した。
フォーラム前日ののエクスカーションでは、5艘の漁村で島を一巡り。ブタの放棄田放牧に取り組む氏本さんの農場見学やスナメリクジラ・ウミスズメなど貴重な生き物が生息する瀬戸内海で一番美しく豊な祝島周辺の海「日本の里海・周防の生命圏」を見学した。
■発表者
広島大学大学院国際協力研究科助教・菊池亜希良氏、高島美登里(高島の自然を守る会)、飯田知彦(九州大学大学院)、氏本長一(祝島未来航海プロジェクト)、向井宏(海の生き物を守る会)、新井章吾(海草研究所)の皆さんが、それぞれの立場で周防の海のすばらしさや危うさ、また里海のあるべき姿の提言などを行ないました。
(レポート山本)
■主催 日本生態学会中国四国地区会・環瀬戸内海会議
共催 祝島未来航海プロジェクト
後援 NPO法人瀬戸内海環境会議、海藻研究所,長島の自然を守る会、NPO法人やまなみ大学地域自立支援センター 他
2007年02月
大学と地域の連携モデル。ダム源流域の人と水の循環調査に北広島町大朝地域の住民や大朝中学校の生徒たちが協力。
■広大と協力。大朝中学校の生徒が一斉採水
2007年2月8日、広島大学大学院中越研究室が主管し調査研究している、土師ダム(広島県安芸高田市)水源地域ビジョン推進プロジェクトの一環で、調査の指揮を取る広大の菊池亜希良さん(広島大学大学院国際協力研究科助手)の指示を受け、北広島町大朝中学校の1・2・3年全生徒(迫広淑文校長・生徒67名)とアジアからの留学生7名が参加。朝、昼、夕方の3回、大朝エリア25地点で一斉採水をおこなった。そのほか、生徒と親世代の水や川に対する意識の違いをみるアンケートも実施。3月14日に大朝中学校で、広島大学がおこなっている、24時間定点観測結果や岩戸地区の水環境調査の結果とあわせ、岩戸地区の皆さんや、大朝地域の人々にも呼びかけ、発表会を開催した。
に、広島大学と地域住民の皆さんとの連携研究のモデル。また、これからの都市と水源の町とを結び交流したり、お互いが協力して水と人のいい環境を作るための活動の基礎となる事を目的にしています。
■人と水の循環調査
土師ダムは広島都市圏と呉市、瀬戸内海の島々まで水を供給する貴重なダムとして機能しています。土師ダムに注ぐ川の水質は、近年上下水道の普及や水辺の清掃活動などを通し改善の方向にあるものの、ダムの水質は思うほど改善せず、水質に及ぼす影響は生活排水による汚染と言う単純なものではない事が考えられ、その原因や改善の方向をもとめ、ダム源流域の最上流部にあたる北広島町大朝地区の人と水の関わりと水質・水環境の調査・研究を行なうものです。この調査・研究は、土師ダムとその他のダムや水源地の水環境整備に普遍的に役立ち、北広島町のまちづくりの基礎的なデータとして共の活用と共に、広島大学と地域住民の皆さんとの連携研究のモデル。また、これからの都市と水源の町とを結び交流したり、お互いが協力して水と人のいい環境を作るための活動の基礎となる事を目的にしています。
2006年12月
環境を考えるテキスト「微生物のちからシリーズ①」を発行
瀬戸内海環境会議では、この地球環境を何十億年かけて作り出した微生物の知られざる力を多くの方に知っていただくために環境テキスト「微生物のちからシリーズ」を発行いたしました。また、危機的な状況を向えている地球を救ってくれるのも、目に見えない小さな生き物「微生物」ではないかと考えています。海も川も大地も森も微生物に始まり、さらに、人間もこの微生物の力、助けを借りて生きています。そんな生命のバランス、微生物の働きや力を、小学生でも大人でも理解できるようテキストにいたしました。多くの方々に生命の繋がりや力を知っていただき、環境を考えるテキストとしてご利用いただきました。
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