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ケナフ材料に炭作り 群馬の学生ら名取・閖上の住民と協力
 | 炭焼き窯を砂で覆うなどの作業に取り組む群馬高専の学生ら |
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東日本大震災で被災した宮城県名取市閖上地区の農地でケナフを栽培する「ケナフ・プロジェクト」の一環で、ケナフ畑に炭焼き窯が完成した。収穫したケナフを炭として活用し資源循環を図り、被災者の交流拡大につなげる。窯作りには群馬高専(前橋市)の学生も参加し、住民と汗を流した。
窯は幅90センチ、奥行き1.8メートルで、ドラム缶を加工した本体を軽量発泡コンクリートと砂で覆うなどした。約400平方メートルのケナフ畑にある農業倉庫の一角に作られた。
炭焼き窯を活用した環境教育に取り組む群馬高専の特命教授が、プロジェクトを支援するNPO法人ケナフ協議会(愛媛県)の会員という縁で設置が決まった。窯の部材を提供した足利工大総合研究センター(栃木県足利市)の岩崎真理客員研究員の指導で学生4人と被災者が共同で製作。完成後、早速杉の木を試し焼きした。
5月に種をまいたケナフは背丈約1.5メートルに成長した。10〜11月の収穫期には約4メートルに達する見込みで、住民たちはケナフの迷路で遊ぶイベントや、収穫したケナフの繊維で「閖上和紙」を作ることを計画している。
炭焼きは冬期間などに行う予定。出来上がった炭は脱臭・防湿作用などを持つほか、農地の土壌改良にも利用できる。
群馬高専5年の中沢禎文さん(20)は「復興を願う被災地の方々と一緒に活動できてよかった」とほほ笑む。閖上で生まれ育った会社員遠藤伸浩さん(40)は「最初は試行錯誤だと思うが、炭焼きを通じて仲間が増えればうれしい」と話す。
2013年08月04日日曜日
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