平成25年8月4日
自民、首相出席の削減を狙う−臨時国会で国会改革に意欲
自民党は、10月中旬にも召集される臨時国会で、国会改革に乗り出す方針だ。首相や閣僚が国会審議に縛られ過ぎているとして、首相らの出席回数を減らすルール作りなどを検討。来年の通常国会での実施を想定しているが、政府・与党に都合の良い改革に、野党が協力するかは不透明だ。
自民党が改革の柱と位置付けているのは、与野党論戦の主舞台である予算委員会の見直し。現状では、与野党の駆け引きの結果、首相が連日、長時間にわたって拘束されることも珍しくない。
先の通常国会では、安倍晋三首相が衆院予算委で過去最長の計43時間半の集中審議に応じ、首相官邸サイドから不満の声が漏れていた。
このため自民党内では、予算委について、前もって集中審議の回数や採決時期を決めることなどを検討。閣僚が国際会議への出席を優先できるよう、副大臣に答弁を任せられるルールの導入や、国会同意を必要とする対象人事の削減も狙っている。自民党は、衆参両院の「ねじれ」解消を踏まえ、審議の迅速化を図りたい考えだ。
契機になったのは、日本維新の会の動きだ。維新の松浪健太国対委員長代理が今年6月、自民党の佐藤勉国対委員長代理にこうした改革案を持ち掛けた。参院選のため先送りとなっていたが、佐藤氏は1日、維新の提案について「ありがたい話としてこれから進めていく」と語った。
維新側には、こうした改革と引き換えに、野党提出の議員立法の審議を促すルールを確立する狙いがある。
ただ、首相の出席回数が減った場合、野党にとっては、政権追及の機会を逃すことになりかねない。民主党の一部には改革の方向性に理解を示す向きもあるが、基本的には慎重だ。民主党幹部は「通常国会まで時間はたっぷりある。ゆっくりやればいい」と話している。