婚外子相続規定:最高裁大法廷で弁論 合憲見直しの可能性

毎日新聞 2013年07月10日 11時40分(最終更新 07月10日 14時22分)

婚外子の遺産相続について当事者の意見を聞く弁論が開かれた最高裁大法廷=東京都千代田区で2013年7月10日午前10時29分、久保玲撮影
婚外子の遺産相続について当事者の意見を聞く弁論が開かれた最高裁大法廷=東京都千代田区で2013年7月10日午前10時29分、久保玲撮影

 結婚していない男女の間に生まれた非嫡出子(婚外子)の遺産相続分を嫡出子の半分とした民法の規定が、「法の下の平等」を保障する憲法に違反するかどうかが争われた家事審判の特別抗告審で、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允<ひろのぶ>長官)は10日午前、当事者の意見を聞く弁論を開いた。婚外子側は「規定は憲法違反で、直ちに司法の救済が必要だ」と訴えた。今秋にも大法廷が、従来の合憲判断を見直す可能性が高まっている。

 弁論が開かれたのは、東京都に住む父親が2001年7月に死亡し、遺産分割が争われたケース。

 規定の目的は「法律婚の尊重と保護」とされるが、婚外子側の弁護士は「家族や結婚に関する価値観は変化し、国際条約も出生による差別を禁じている」と、法改正の必要性を訴えた。婚外子本人も「少年期に精神的不利益を感じ、結婚を意識する時期には引っ込み思案になった」と述べ、規定が差別意識や劣等感を生む要因と指摘した。

 一方、嫡出子側の弁護士は「規定は合憲」と反論。「相続分を同等にすることに反対する国民は多い」と強調した。大法廷では10日午後にも、別の家事審判の弁論が開かれる。

 最高裁は新たな憲法判断や判例変更が必要な場合、15人の裁判官全員による大法廷で審理する。大法廷は1995年に合憲判断を示しているが、今回はこれを見直す公算が大きい。民法を所管する法務省民事局長を務めた寺田逸郎裁判官は審理を回避し、裁判官14人で担当する。【和田武士】

最新写真特集

毎日新聞社のご案内

TAP-i

毎日スポニチTAP-i
ニュースを、さわろう。

毎日新聞Androidアプリ

毎日新聞Androidアプリ

MOTTAINAI

MOTTAINAIキャンペーン

まいまいクラブ

まいまいクラブ

毎日RT

毎日RT

毎日ウィークリー

毎日ウィークリー

Tポイントサービス

Tポイントサービス

毎日jp×Firefox

毎日jp×Firefox

毎日新聞のソーシャルアカウント

毎日新聞の
ソーシャルアカウント

毎日新聞社の本と雑誌

毎日新聞社の本と雑誌

サンデー毎日

サンデー毎日

週刊エコノミスト

週刊エコノミスト

毎日プレミアムモール(通販)

毎日プレミアムモール(通販)

毎日新聞のCM

毎日新聞のCM

環境の毎日

環境の毎日

毎日新聞を海外で読む

毎日新聞を海外で読む

日報連

日報連