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経済
【新帝国時代 第5部(4)2】五島に中国漁船の大群 「陸から十数メートル…すごい威圧感」
調べに対し、船長(34)は「虎網漁はもうかるという話を聞いて昨年7月、虎網漁船を購入した。中間水域では思ったほど魚が捕れなかったので、日本側に入ればもっと捕れると思った」と供述した。
摘発できるのは日本のEEZ内だけ。日中中間水域での操業には手を出せない。日本政府は昨年4月、日中漁業共同委員会で虎網漁による乱獲について問題提起した。
中国農業省漁業局は昨年夏、虎網漁船の新造を認めない通達を出したというが、どこまで実効性があるかは疑わしい。人口13億人の胃袋を満たすために中国漁船は今後、東シナ海だけでなく太平洋にまで活動範囲を広げる公算は大きい。
一方、日本の漁業従事者は減るばかり。五島列島・奈良尾港は30年前まで20船団100隻以上が所属する全国屈指の遠洋巻き網漁業基地だったが、今は野村丸など2船団10隻に減った。野村丸を運航する「まるの漁業」の社長、野村俊郎(63)はこう嘆いた。
「私たちは日本の安全保障上も重要な役割があると自負してきましたが、トラブルを抱えてまで漁は続けられない。中国漁船の横暴を何とかしないと、そのうち日本漁船はいなくなってしまいます。それでいいんですか?」
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