ただ、自動車の運転マナーの悪いニューヨークでは自転車の運転には十分な注意が必要だ。市当局は、自転車専用レーンの設置を急ピッチで進めているが、十分に整備されているとは言い難い。昼間は荷物を配達するトラックなどが、堂々と自転車専用レーンに駐車していることも多い。結局、自転車は車道を走るはめになる。混雑した歩道を避けて自転車専用レーンを歩く人もいて、自転車が快適に走れる交通マナーが定着するまでには、まだしばらく時間がかかりそうだ。
■年間会員は6万人を突破
問題もまだまだ多い自転車シェアだが、ニューヨーカーの反応は上々だ。「シティバイクを使うようになって、地下鉄やタクシーを使う回数が減った」と、ジョーナ・チェーシンさんはいう。ニューヨークの地下鉄が1カ月乗り放題券で112ドルなのに対して、シティバイクが年間95ドルというお手ごろ価格である点も気に入っている。
ダン・コップスさんは、自分で自転車を所有しているが、シティバイクも愛用している。自分の自転車は3000ドルという高級自転車で、盗難が心配で気軽に駐輪しておけなかったからだ。今では「自分の自転車はレジャー用。買い物などの雑用にはシティバイク」と使い分けている。
開始から2カ月がたち、自転車の取り出し、返却のトラブルは減っているように感じられる。だが、最近は「人気がありすぎて、使いたい時に最寄りの駐輪場に自転車がない」という声が増えている。
年間会員は6万人を突破。駐輪場、自転車ともに数を増やしているが、人気のある駐輪場と人気のない駐輪場のバランスを取るのが難しいようだ。現在は人気のない駐輪場からカラになった駐輪場にバンで自転車を積んで運んでいるが、利用者が集中する通勤時には「焼け石に水」のようにもみえる。今後は、より戦略的な駐輪場の配置などが求められそうだ。
(ニューヨーク=清水石珠実)
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