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「売却代金は 250億円ですが仲介者側と折半なので、こちらの取り分は 125億円。でもここにきて仲介者側が高飛車な態度になり、かなり減額されると思う」この売却代金の決済方法は2段構造になっている。前出の関係者はいう。
「11月14日に代金の一部が売却側各メンバーに支払われ、残金は 18日、3ヶ所の銀行口座に分散して振り込まれることになっている」私の情報が正確ならば、仲介者が売却側グループに送金のため使う銀行は米国・ロス市内の W・F銀行だ。
「私は、沢と興銀の貸し金庫に行った。金庫ナンバーは 0001。並の人物じゃないと思った。引き出しには 1,000ドル札束が 2〜3束、それと DKB 小切手が1センチ程あった」沢に融資したことのある不動産屋、安井承二郎 も似た光景を 93年頃目撃している。小池は日本貿易振興公社の理事をしていた時期がある。
「沢が小池に 250億円の小切手を渡したことは間違いない。沢の口から直接聞いた。度重なる小切手の譲渡要求を沢が拒否すると、小池は沢を拉致した。その沢を助け出したのが武道家の 大文字三郎 です」政財界に親交のある大文字に聞いてみると、「沢のピンチを救ったことはあるが、誰からかは言えない」と言葉を濁す。
100億円小切手の真贋をめぐる攻防 |
「スイス銀行支店長が DKB に真偽の確認をした。 DKB は “訳あり” と回答した。 結局、換金はできなかった」この回答に不満な彼は、その後 DKB 本店業務部、大蔵省銀行局銀行課、日銀考査局と日参するが埒があかない。
「業務部の次長と課長が来て、困る困るの一点張りで振込ができない。私は窓口の係員に、この小切手が偽造ものなら、はっきり偽造と書いてくださいと言うと、それはできないと言う」こんな押し問答が同年5月まで続いた。安井は続ける。
「誰も偽造とは言ってない。でも振り込みも認めない。疲れて2ヶ月入院し、退院後、健康も考えて、この件は財団法人・東興協会にゆだねました」同年 8月26日、東興協会は、この小切手を住友銀行青葉台支店から振り込んだところ、なんと同支店は受け付けた。 同協会の預金通帳には 100億円が記入された。
「平成6年8月26日に当銀行青葉台支店が、あなたの依頼に基づいて行った銀行振り出し小切手の取り立て手続き (入金および交換持ち出し手続き) には何ら瑕疵も認められません」つまり、問題の小切手の、振込依頼を受けたことと、手形交換所に回した作業に一切ミスはなかったと明言している。 にも拘らず、3日後の 29日、問題の小切手は DKB によって “偽造” という裏判子を押され、東興協会に返却された。
「安井、東興協会が所有していた小切手を本物で未使用の物と対照すると、その上
1.番号の構成が異なる
2.ハートマークを打つ位置が異なる
更に
1.色が黄色っぽい
2.印影が朱肉ではない
3.小切手番号末尾のAがゴム印で押したらしい
と丸の内署の指摘を考えて、偽造であることは明白です」
「カラーコピーでしょう。金額の数字はチェックライターで打たれているが、当銀行のものとは違います。それに、裏面に支払証明書のようなものが書かれているが本物にはありません」これに対し東興協会はこう反発する。
「裁判所の判断は基本的なミスをしている。
切手法の第7章は複本について規定している。私の持っている小切手は複本で、日常的に使われている正本とは違う。
複本の真贋を確かめているのに、裁判所は、DKB の提出した正本と比較して、ここが違うあそこが異なるというのはおかしい」
「この小切手法はかなり古い時代にでき、現在では、どこの銀行も複本は出していない」
逮捕者が一人もでない不思議 |
「同署5階で、顔見知りの警部補が、問題の小切手を科学捜査研究所で鑑定するから提出してくれと言った。1ヶ月後結果が電話で伝えられ、安井は言う。
鑑定後返すことを条件に渡した。
鑑定結果の説明と同時に小切手は戻ると信じていた」
「鑑定は偽造でした。小切手の返却を頼んだが、聞いてくれなかった」この件について山元副署長は言う。
「偽造がはっきりしたので、捜査上返せない。捜査の進行状況は、安井から話を聞いている段階です。しかし、今回の取材で DKB は「この小切手はある人物に渡した額面 9,700円の小切手 10枚のうち1枚をカラーコピーし、数字を改ざんしてつくられたものだ」と明言している。
安井に小切手を渡した沢は居所がわからないので安井が連れてくるといいと思う。類似のものが出回ってないので、専従捜査員もいません」
闇に封じ込められたスイス事件 |
「先生との出会いは光明であり心から信じています。 指導してください」大文字は沢についてこう言う。
「90年2月私が経営する警備会社にガードを頼まれたのがきっかけです。沢の代理人かは不明だが二人は親密である。
滝口とスイスに行ったのは、彼のガードを沢さんに頼まれたためで、小切手の取り引きとは関係ありません。
沢とは今も付き合ってます。家賃を払ったり、5月の北京行きも支払った」
「銀行の応接室に行き 10分後に警官7人が来た。あまりのすばやさに罠にはめられたと思った」滝口はイタリア・ミラノ市の国境近くにある警察に連行され、大文字と富田はルガノ市にある警察、その他の人はルガノ本署で身柄拘束された。
「大文字が所有している原券からカラーコピーしたことと、富田にビジネスをもちかけられてスイスに来たことだけを認めてくれ」と弁護士が言い、滝口は了解した。
提供された工作資金 1,500万円 |
「本来なら ISLAND と表記されるのに EYELAND となっているのがこの会社の性格を表わしている。 EYE には私立探偵の意味もある。の推測を裏付けるような情報がある。警察関係者の話である。
その上ハブナーの言う “政府機関と関係がある” という言葉から考えて、この会社は米国情報機関の関連会社じゃないのか」
「各国の警察、情報担当者を集めたパーテイーが、毎年1、2回東京で開かれる。その時アイランド社の人と名刺交換しました。 東京駅近くの Mビルにオフィスがあるはずです」仲介者の 菅野紀夫 や 奥野正巳 の会話に、米国大使館という言葉がしばしば出てくることも、推測と符号する。
「7年物でも 10年物でも、当銀行には該当する社債自体が存在しないし、まして交換の話なんかどこからも来ていない。4月9日 米国ロスアンゼルスのサウス・グランド・アベニューに滞在する 奥野正巳 から売却側の 塩谷巌 に第一報が入った。
それに小切手が持ち出された事実もない。
一連の偽造小切手は額面 9,700円の本物の小切手 10枚のうち1枚をカラーコピーして、数字などを改ざんしたものが出回った物だ」
「日本を出発して2週間、本部より連絡がありました DKB に対する大蔵省保証手続きが4月11日までに完了すると、大蔵省からテレックスが入ったとのことです。
これで全てが完了することになり、4月22〜24日には 日本でお金が受け取れるので安心してください。
これから大事なことは、外部にこの件を漏らさないことです。 一番難しいことと思います。
質問があればどうぞ。 私が移動するときは FAX します。
署名」
獄死した 岡田貞子 の極秘帰国 |
「今、作業中です。そして4月23日奥野から塩谷への第3信。
本部よりバハマに4月18日に入るように指示があり、その後ジュネーブです。
今の計画では、4月23〜25日頃帰国できます。
現地の打ち合わせ次第なので、随時連絡します。 暫くまってください。
署名」
「急遽、デンバーの本部から4月21日出てこいと指示があり、打ち合わせに行ってきた。同じ日、奥野は、自分の身元保証人に次の FAX を送っている。
結論は、私が、直接銀行に入って送金作業をするのは4月28日からです。取り扱い銀行はユニオンバンク・スイス、ルクセンブルグ銀行の各バハマ支店です。
両方とも日本に支店があります。 私たちの組織が言うにはパリ銀行も使用するかも。
どうして日程が最終決定しなかったというのは、DKB が 10年債を発行するというのを、大蔵省が期間が長いと難色を示しているため。
私は、毎日苛々して、一体いつになるのか不安でしたが最終手続きが終わり、ほっとしました。
会長はじめ皆さん安心してください。
4月22〜25日までロスにいます。 26日にはマイアミ経由で現地に出発します、無論その前に連絡します。
署名」
「4月21日 デンバーの本部へ呼び出ウれて最終スケジュールを指示された。本分中デンバーの本部とは、仲介者 菅野紀夫 が所属する USレシービング。 エージェントだろう。
4月28日 バハマに入る、
4月29〜30日、作業に入る、
5月1日 日本へ送金準備、
5月2日 帰国予定、
遅くとも連休明けには受け取れるだろう。
署名」
彼女の逮捕容疑の偽造小切手詐欺未遂事件について |
「6月16日 DKB 訪問(本社常務第一号室) 陶山同伴(秘書役で) 127の件どうする」書かれているこの数字は何を意味するのか。
「沢が、訪ねてきた用件は、皇室関係者の写真が載ったカレンダーを買って欲しいということ。 127の件? 全然記憶にない」飯盛は DKB の出身で、後に頭取になる 奥田正司より、この時は、出世していた。でも、この沢との会談後 奥田に遅れた。
「私が支店を担当していたときのパーティーで会って、名刺交換したと思う。この程度の出会いで大手銀行の常務が自分の執務室に入れるのも不可解な話だ。
沢はその縁で面会に来た」
「日本を出て 67日が過ぎた。5月30日バハマに送金された。その2日後、売却側の一人が、奥野と電話で話している。
あとは私が菅野と合流してバハマに行くだけ。
6月1日出発予定だったが、菅野が子供と遊んでて、目を怪我したので3日遅れる。
パートナーのコニーは、私がバハマに入り次第 作業が出来るように事前手続きを取る、と言ってる。
帰国についてはバハマから FAX します。
私自身トラブルが起きないように十分注意している。 ここで失敗は許されない。
皆さんによろしく。
Say hallow to everyone
署名」
「ユニオンバンク東京支店への振込は 6月11〜12日の予定、金額はまず 5%(125億円)残りの 5% はすこし月日がかかる」6月7日奥野が帰国した。
売却側の苛立ちと疑念 |
「1ヶ月も前にウエーバーからユニオンバンクのバハマ支店に振り込まれているのに、日本に送金されて来ないのはおかしいと、皆仲介者に疑いの目を向け始めた」関係者の一人が言う。「ウエーバーとはブライアンの秘書だ、コンラッドと菅野が組んで米国市場で金を転がしてる」 という意見が有り。 二人が、売却代金を金や有価証券で運用し、利鞘稼ぎをしているというのである。
「奥野は、菅野の言うがままに動いて居るだけ。 奥野では正確な話が聞けないから、菅を出せと、俺はどなった」と関係者の一人が言う。
「あなた方と会う必要がないと思ったから会わなかった。 私はこのビジネスに 10億円を供託してる。この後菅野は、コンラッドから送られた文書を近々、提示すると約束した。 送金期限を9月末日までと限定されていると言った。
感謝されても文句を言われる筋合いはない。
私は、いつまでに仕上げるとか、何日に米国から送金があると、言った事は一度もない。
送金が遅れ、迷惑は、認めるが、こちらの手落ちではない。
日米高官の約束事項が、日本側の都合で遅れているだけ 」
「コンラッド殿今迄の電話会談や数々の文書の他、私達があなた方にアドバイスできる事は、日本から公的な情報を8月8日に受け取った事だ。契約件数が2件と有るところから、2,500億円の小切手以外にもう一枚売却が行われていたことになる。 多分、仲介者の誰かが上乗せしたのだろう。
日本の大蔵大臣は契約2件に対する全額決済を 97年度第三期決算中に行う事を決定しました。
従って、あなた方は少なくとも 97年9月30日を過ぎる事なく受け取れると期待できます」
「昨日、すべての作業が終わったと、本部から報告を受けている。10月31日、仲介者側から売却側に決済の通知が届いた。 代金の支払は 11月18日だという。
既にこのビジネスは本部の手を離れている。 あとは銀行のシステムの問題だ。
あなたの (奥野) の口座は向こうに知らしてある。
こちらから銀行に入金の問い合わせなどしないこと。
あなたは銀行からの入金報告を静かに待っていればよい」
参考資料 |
Paul K. Bryan Konrad H. Hubner Director 特別代理人
西インド諸島のアンティグアに企業登録された国際業務法人である Eyeland Traders社は、共に尊敬すべき日本人ビジネスマンである 奥野正巳、越智道明 の両氏と、1996年12月5日に、もしくは 1996年12月5日頃に、合法的な契約を締結いたしました。
1996年12月5日に、もしくは 1996年12月5日頃に、両氏は東京にある第一勧業銀行から発行された、銀行小切手を Eyeland Traders社に提示されました。
この銀行小切手は、現在 DKB の会長である 奥田正司氏が Eyeland Traders社に支払うよう個人的に裏書きした、250億円の小切手です。
更にこの小切手には 奥田正司氏の印も押されています。
1996年12月5日、もしくは 1996年12月5日頃に、当 Eyeland Traders社はこの小切手を取り立てにウェスト・インディーズのアンティグアに在る当社の取引銀行に提示しました。
同行は同時にテレックスで第一勧業銀行に対し前述の小切手の回収を行う旨打電しました。
第一勧業銀行は、そのテレックスに対して、1996年12月5日に、もしくは 1996年12月5日頃に、「当銀行はそのような小切手を発行していない」と返電してきました。
今日まで、Eyeland Traders社は企業レベルで、また私は現在東京で当社を代表する立場で、さらにアンティグアの回収銀行は銀行対銀行レベルで、そして当社の大事な日本人クライアントである越智、奥野両氏も、奥田氏と連絡を取って、なぜ同氏が越智、奥野両氏の苦労して得たお金を受け取り、その受け取りとして前述の小切手を与えたにもかかわらず、今になってその小切手の存在を否定し 回収に回された小切手に対して支払いを拒絶することによって同氏の銀行、および同氏自身の名誉を傷つけてしまった理由を説明するようあらゆる努力を続けてきました。
Eyeland Traders社は第一勧業銀行から支払い拒否の連絡を受けるとすぐ、調査を開始し、その結果、小切手の番号から、11枚もの同じような小切手が、同じような状況のもとで預金者に対して発行されていることが判明しました。
さらに 11枚以上の小切手のことだけでなく、Eyeland Traders社に対して小切手が発行された事実、及びその有効性について知っている4つの銀行の幹部の姓名と役職名も分かりました。
また、さらに 11枚の小切手の所有者達も同じく DKB から小切手の支払いを拒否されたことも明らかになりました。
当社は、奥田氏、および第一勧業銀行によって個人的にまた集団的に、“詐欺” にあったというのが、Eyeland Traders社の取締役会の意見です。
ゆえに、本日、当社は日本の警察に、これまで収集してきた調査資料をすべて提供するつもりです。
これには小切手の番号、クライアントの名前、前述の銀行幹部の名前も含まれています。
また、ここで奥田氏と第一勧業銀行に対して正式の告訴状にサインいたします。
当社は然るべき調査期間中は、出来る限り日本の警察当局に協力する所存です。
同時に、奥田氏が当社のクライアントに個人的に発行し、Eyeland Traders社に支払うよう裏書きした、現在当社所有の小切手の額面価額を回収する努力を続けるつもりです。
Eyeland Traders社 取締役会
Mr. Paul K. Bryan 署名
奥野正巳 殿、越智道明 殿
Credit Lyonnais (Suisse) Geneva SWIFT : CRLY CH GG 口座番号 : CHF/GBP/USD 00-14819-7 振込転送先 : European Union Bank
Nevis St. St.John's
Antigua, W.I.当座振込口座 : 90165615
Paul K. Bryan Director
同文コピー送付先: | 記録弁護人 |
EUB | |
J. Zelcer | |
Lord Mancroft |
Mr. Konrad Hubner
口座番号 | : | USD 00-14819-7 |
当座の振込転送先 | : | ヨーロピアン・ユニオン・バンク Nevis Street St.John's, Antigua, W.I |
テレックス | : | (0393)2136 EUBANK |
受取人 | : | EUROPEAN UNION BANK |
口座番号 | : | 90165615 |
Paul K. Bryan Director
同文コピー送付先: | 記録弁護人 |
U.S.M. | |
FBI | |
IFMPOL | |
INTERPOL | |
EUB | |
U.S.Ambassadorial Corp. | |
USAG |
Paul K. Bryan Director
(記録者) |
奥野正巳 |
Passport(JP) No.MN7265658 |
DKB 決済の件
主題:支払いスケジュール
Paul K. Bryan Director
コンラッド・ハブナー様
DKB 決済の件
主題:最新の支払いスケジュール
Paul K. Bryan Director
菅野紀夫 様
DKB 決済に関する件
1. 契約 : FC:120496 : YEN
銀行小切手 A157602 3C2. 契約 : FC:03139602 : YEN
銀行小切手 A157602 4E
主題:支払いスケジュール
Paul K. Bryan Director
コンラッド・ハブナー 様宛
契約:FC:120496:YEN に関する件
契約:FC:03149602:YENに関する件
主題:決済
Paul K. Bryan Director
同文コピー送付先:記録弁護人
添付書類のコピー
コンラッド・ハブナー様、及びジャック・ゼルサー様宛
契約:FC:120496:YENに関する件
契約:FC:03149602:YENに関する件
主題:決済
Eyeland Traders社を代表して Paul K. Bryan Director