【ソウル聯合ニュース】旧日本軍従軍慰安婦の強制性を認め、1993年に当時の河野洋平官房長官が日本政府の公式見解として謝罪を表明した「河野談話」が発表されてから4日で丸20年となった。この間、河野談話の根拠となった日本政府の聞き取り調査に協力した元慰安婦の証言者16人のうち生存者は、わずか2人に減った。慰安婦問題解決を目指す韓国の市民団体などは、時間との闘いという危機感の下、日本が政府調査団の聞き取り資料を公開して真相解明につなげることを求めている。
従軍慰安婦問題の解決に取り組む「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」によると、93年に来韓した日本調査団の聞き取り調査で証言した被害者のうち生存しているのは87歳と82歳の2人だけだという。挺対協は1〜2カ月に1回のペースで2人のもとを訪問しているが、1人は深刻な認知症を患い、もう1人は高血圧と糖尿病に苦しんでいるという。
河野談話については、日本与党・自民党を中心とした保守勢力が「自虐史観」などと批判の対象にしているほか、「慰安婦の強制性を示す証拠はない」などとする意見が出ている。日本政界では河野談話の修正を求める声も上がっている。
こうした中、高齢の元慰安婦は次々と亡くなっている。2011年8月には70人だったが、ここ2年で56人に減った。このため一刻も早く、日本政府から誠意のこもった謝罪と反省を引きだす必要があるとの指摘が出ている。
93年に日本政府が16人に対して実施した調査の被害者証言を公開するよう、韓国政府が日本政府に対し強く要求すべきだとの声も出ている。
日本政府は被害者の人権保護を理由に証言を非公開にしているが、韓国政府が発刊した被害者の口述資料が存在することなどを根拠に、日本が非公開を貫くのは無理があるとの見方も多い。
朝鮮半島からの強制徴用被害者の賠償訴訟を勝訴に導いた崔鳳泰(チェ・ボンテ)弁護士は「河野談話の根拠になった証言資料を公開することで、日本政府は慰安婦動員の強制性に異議をはさむ余地がないことを明らかにすべきだ。証言者は事実上、証言の公開に同意している。韓国政府がどれだけ強い意志を持って日本政府に公開を求められるかが鍵だ」と話す。
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