今回のレポートは常連の沢辺様が担当しました。
五行歌に興味のある方はhttp://w01.tp1.jp/~a920031141/gogyouka.html に入って下さい。五行歌という自由律短詩について考えたり作品を発表するスペースです。昔は喫茶店文化というものがあり、大学生は授業の合間に喫茶店に入り浸って本を読んだり議論して切磋琢磨したものです。今はこの文化は殆ど消えていますが、八王子五行歌会はウェブ上の小さな喫茶店だと思っています。
_____________＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
八王子五行歌会・ネット歌会
沢辺温子
八月二日（金）
第二回ネット歌会。ネットには課題もありますが、
高齢の方はじめ皆無理なく自宅から参加できる等、
良い点もあります。
ジューサーに 坂木つかさ（一席）
思い出丸ごと
放り入れ
上澄みだけを
銀の匙で掬う
面白い表現で、前向な気持ちが詠われた。
奇麗な歌。「銀の匙」がいい、飾りすぎ、の
両論。作者は、良い思い出だけを心のアル
バムに残してゆこうという気持ち、と。
空よ 頸城(くびき)おとめ（二席）
遠いね
畑にいる
わたしが
見えますか
スケールが大きい。面白い歌。視点を空に
あげたのがいい。空を見て「ワー」と大声
が出そう。作者、誰かに見てほしいと、す
がれるものを探したら空があった。
好きな作家の 沢辺温子（二席）
本を読みながら
眠りにつく
とろけて行く
なにもかも
同感だ。本当にこんな気持ち。この気持ち
よく解る。作者は、最近大好きになった作
家の本を読みながら眠る幸せな気持ち。
煙草の煙 持国天（三席）
プカッと消えてく
人生よ
空箱を振れば
カサカサと鳴る
作者は、最初は投げやりな歌だったが下二行を推敲した、と。
今日あるか明日あるかと みつる（三席）
孫からの電話待ち続けて
９３歳
孫の笑顔見るまで
明日もまた待つ
素直な気持ちに共感と敬意。作者は、思った通りそのままの気持ち、と。
〈投稿者〉頸城おとめ、ＧＥＮＴＡ、坂木つかさ、桜井凛、持国天、ねり女、那田尚史、みつる、吉田進一、沢辺温子