地域公共交通総合研究所:「地域交通に関心を」 設立記念シンポに180人 /岡山
毎日新聞 2013年08月03日 地方版
両備グループが4月に発足させた一般財団法人「地域公共交通総合研究所」(小嶋光信理事長)の設立記念シンポジウムが2日、北区の岡山国際交流センターで開かれ、行政関係者、交通関係担当者ら約180人が出席した。基調講演で家田仁・東大大学院教授(社会基礎学)が、破綻した井笠鉄道などを例に「地域公共交通の将来は、国民が重要問題だと認識するかどうかにかかっている」と指摘した。【小園長治】
家田教授は「地域交通は、世界の先端から大きく水をあけられている。国の政策スタンスに問題がある。地方都市の公共交通政策が見過ごされている。また国民の意識にも問題がある。政治論争で、無駄な公共事業論と、心情的な必要論がある。国民の地域公共交通への関心は高くない」などと話した。
基調講演に先立ち、小嶋理事長は「地域の公共交通は苦境に立っている。マイカーの増加で利用者は昭和45年をピークに50%以上減った。新規参入などを認めた規制緩和が(地方公共交通機関の)衰退を招いた」と強調し、破綻した井笠鉄道の対応策などについて説明。地方公共交通の再編には「公設民営と公設民託の機能を合わせた準公設民営方式が最適」と述べた。
また家田教授ら専門家のパネルディスカッションも行われた。