県内のオレオレ詐欺や金融商品取引詐欺など特殊詐欺の被害額が上半期（１〜６月）、前年同期比３億５１００万円増の約５億１９００万円になっていることが、県警のまとめで分かった。振り込め詐欺の統計を取り始めた２００３年以来、最悪のペースで増加しており、県警は２日、被害拡大を防止しようと、「振り込め詐欺等の被害防止ネットワーク会議」を設立し、行政や金融機関、各種団体同士の連携を強化することを確認した。

　県警振り込め詐欺対策室によると、県内の特殊詐欺被害件数は７月末現在、前年同期比８６件増の１４２件。被害額は同約４億５３２９万円増の約７億１４３０万円となっている。特に手渡し型のオレオレ詐欺が増加しており、被害者を首都圏の駅周辺まで呼び寄せる手口が目立っている。

　新設したネットワークには県警や自治体、金融機関のほか、県老人クラブ連合会や県シルバー人材センター連合会、県高圧ガス保安協会など１３団体も参加。各団体の会員を「振り込め詐欺被害防止アドバイザー」に指定し、オレオレ詐欺被害の９割近くを占める６５歳以上の高齢者に注意を呼び掛けていく方針。

　県警の岩城新治郎・振り込め詐欺対策室長は「１件でも被害を減らせるよう、地域の各支部にも連携の輪を広げてほしい」としている。【佐久間一輝】