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【栃木】

甘みアリ 新品種ナシ おりひめ誕生

表面がなめらかで、見た目も美しい県産ナシの新品種「おりひめ」

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 ナシの収穫量が千葉、茨城両県に次ぐ全国三位の栃木県で、新品種「おりひめ」が誕生した。県産ナシが新たに開発されたのは、一九九六年に品種登録された「にっこり」、二〇〇七年の「きらり」以来。開発に成功した県は一五年までに苗をナシ農家に供給し、一八年夏からの本格的な出荷を目指している。 (神田要一)

 県内で主に生産されている「幸水」や「豊水」は、果皮のざらざらした感触が特徴の赤ナシだが、おりひめは表面がつるつるして見た目にもきれいな青ナシ。青ナシは西日本で生産が多く、県内では初めて開発された。果肉は柔らかく、果汁もたっぷりあり、甘さも幸水と同程度に仕上がった。

 主力の幸水は七月からハウスものが流通し始め、露地ものは八月のお盆明けからがメーン。しかし、ナシが高い単価で取引されるのはお盆前で、多くのナシ農家から「この時季に収穫できる品種がほしい」という声が上がっていた。こうした要望を受けて、県農業試験場で九一年から研究を続けてきた。

 県経営技術課によると、二十二年かけて生み出した新品種は、お盆前から収穫できる「極わせ」。実の重さは、この時季としては大きい平均三百七十グラムある。外観が美しく、女性的なイメージを生かし、収穫期が旧七夕の季節に重なることも加味して「おりひめ」と名付けたという。

 今年四月の冷え込みによる凍霜害で、県内のナシは約十七億三千万円の被害を受けた。福田富一知事は「(おりひめが)災害からの元気回復に向けた希望の星となるよう期待したい。おいしいナシを長期間にわたり消費者に提供できることは、農家の所得向上にもつながる」と太鼓判を押している。

 県内のナシの収穫量は、一一年度で約二万三千トン。産出額は五十七億円で、ともに全国三位を誇る。

 

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