【埼玉】復興支援が結んだ縁 ゆるキャラ同士が婚約
ゆるキャラとして活躍する上尾市の「アッピー」と、福島県本宮市の「まゆみちゃん」が三十一日、婚約した。出会いのきっかけは東日本大震災以降の復興支援だった。厳しい状況でも両市の絆をさらに深めようと、アッピー側からのプロポーズで実現。両市はこの日、友好都市協定も結んだ。 (岡本太) アッピーは一九九八年、市制四十周年に合わせて誕生し、昨年、現在の姿となった。まゆみちゃんは二〇一二年二月、市のイメージアップキャラクターとして生まれた。名前の由来は市に自生する樹木で、かつて弓の材料にされたマユミ。曲げても力強く戻るその姿に、復興への願いと決意が込められた。 昨年十一月、両ゆるキャラは上尾市の「あげお産業祭」で初対面。東京電力福島第一原発事故の影響で風評被害が広がる中、本宮市から出品された野菜や米などをPRした。 両市は東日本大震災後の復興支援で結び付きを深めてきた。震災直後の二〇一一年三月二十六日、上尾市から市消防本部の救急隊員三人が本宮市入り。隊員は四千棟以上が全半壊、一部倒壊した本宮市を拠点に、患者の救急搬送などにあたった。五月までに延べ二十一人が派遣された。 本宮市では現在も復興に向けて険しい道のりが続く。同市によると、市内の全住宅で予定されている除染作業は7%が完了したにとどまる。今年も米の全袋検査が行われ、市の人口は震災前の水準に戻っていない。 婚約式は上尾市の市コミュニティセンターで開かれた。両ゆるキャラは両市の小学生、島村穣上尾市長、高松義行本宮市長に付き添われて入場し、誓約書にサイン。各地のゆるキャラから祝電が届き、上尾小合唱部が歌で婚約を祝福した。 島村市長は「しばらくは遠距離になると思うが、素晴らしい関係を築いてください」、高松市長は「アットホームな家族をつくってください。私たちも頑張ります」と祝辞を述べた。 PR情報
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