東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 千葉 > 8月3日の記事一覧 > 記事

ここから本文

【千葉】

震災前の水準に近く 観光、水産…回復基調 千葉銀、復興調査

県内の復旧・復興状況をまとめたレポート

写真

 千葉銀行は、東日本大震災からの県内の復旧・復興状況に関する調査結果を発表した。取りまとめたちばぎん総合研究所によると、震災発生以来二年余りが経過し、人口流出には歯止めがかかったほか、打撃を受けた観光、農業、漁業は震災前の水準へ回復基調にある。震災のマイナス影響について「脱却を宣言できる日も近づいている」としている。 (堀場達)

 それによると、復旧・復興の成果として、液状化対策や放射能除染が進んでいることや、人口、観光、農漁業をはじめとする産業・経済の幅広い分野が震災前の水準に戻っていることを挙げている。

 このうち人口に関しては、液状化被害地域(千葉、船橋、浦安、市川、習志野、香取各市)と、汚染状況重点調査地域にも指定された東葛・北総の放射能被害地域(松戸、佐倉、柏、流山、我孫子、鎌ケ谷、白井、印西、野田各市)の転入や転出に伴う変動が、ことし四月は六千百六十七人増と、大幅な転入増加になったと指摘。

 県全体でも四月の人口増が七千三百七十七人で、震災前の二〇一〇年四月(七千六百四十三人増)と同水準まで回復したことなどから、同研究所は「一一年から二年連続で一万人以上減ったが、ことしはプラスになる可能性もある」とみる。

 除染をめぐっては、重点調査地域の九市の作業進捗(しんちょく)ぶりを一覧表にまとめた。各市とも学校や通学路など、子どもが利用する公的施設の除染はほぼ終了したという。

 一二年の県内の延べ宿泊者数は、千七百五十万人で、前年比19・9%増。一〇年比4・7%減と、震災前の水準に近づきつつある。「特に厳しい状態が続いていた銚子方面で、ことし春や大型連休中の観光客が震災前並みに戻ったとの声が聞かれた」としている。

 農林水産物は、海外で輸入制限が続いている国があり、放射能汚染に伴う出荷自粛も一部に残る。ただ、流通量や価格は震災前と同水準になり、同研究所は「農漁業の復旧はほぼ完了した」としている。

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo