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海水浴場に復興託す 10、11日限定の海開き 石巻・白浜

住民が海水浴の再開を計画する白浜海水浴場=石巻市北上町十三浜

 東日本大震災の津波で集落が流された宮城県石巻市北上町十三浜白浜の住民有志が10、11の2日間限定で、白浜海水浴場を再開する。地盤沈下を免れた美しい浜を、防潮堤の整備や集落跡の利用といった将来の地域づくりにどう生かせるかを検証し、提案する。「浜の復活を応援して」と大勢の来訪客を期待している。

 白浜海水浴場は国道398号沿いに延長約200メートルの砂浜が広がる。北上川河口に近く、遠浅で波が穏やかなのが特徴。ピーク時には海水浴客が年間1万人を超えた。
 北上地区復興応援隊と住民有志が7月上旬、3年ぶりの海水浴場開設に向けて活動をスタート。7月20日に運営母体となる「白浜海水浴場再開実行協議会」を設立し、東京のボランティアと海岸の清掃、草刈りをした。水質検査では海水浴に適していると判定され、5日に市の許可を得る見通しだ。

<防潮堤の模型も>

 計画では「2日間だけの海開き」と銘打ち、仮設のテントやトイレ、更衣室を設け、洗い場には沢水を引く。宮城県建築家協会も協力し、地区と防潮堤の模型を作って、将来像を気軽に話せる場も設ける。野菜栽培に取り組んでいる仮設住宅の女性たちがカレーを振る舞う。
 40世帯、160人が暮らした白浜では津波で11人が亡くなり、18人が行方不明となった。住民は地区外に避難し、集落跡は市が買い取って再利用計画を立てる。県は高さ8.5メートルの防潮堤建設を計画する。
 白浜の将来について、住民たちは集いを重ね「家族連れでにぎわった海水浴場を再生できるかどうか」が議論の焦点になった。課題と可能性を検証しようと、海水浴場の再開が持ち上がった。

<「住民再会の場」>

 「地元だけでなく、北上町の人にとってなじみの場所で貴重な資源。離散した住民が再会する場にもなる」と、協議会代表の佐藤尚美さん(40)。広く活動の賛同者を募り、有志25人が集まった。
 「海水浴場を本格的に再開できれば、夏の浜のなりわいを復活できる。防潮堤との共生の在り方も議論し、県に提案したい」と話す。
 協議会は本格再開の実現まで応援してくれるサポート会員も募っている。連絡先は事務局080(8200)0688。


2013年08月03日土曜日


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