この数字なあに?:5兆円 福島県内の除染費用
毎日新聞 2013年08月02日 東京朝刊
東京電力福島第1原発事故で拡散した放射性物質の除染にかかる費用は、福島県内だけで最大約5兆円に上るとの試算を産業技術総合研究所の研究チームがまとめた。国はこれまで除染経費として1兆1500億円を計上しているが、その4倍を超えた。また、国が福島県外に建設する方針の最終処分場にかかる費用は計上しておらず、費用はさらに増えそうだ。
チームは、文部科学省が2011〜12年に同県の上空で計測した放射線量や、既に実施した除染の手法ごとの単価、市町村の担当者への聞き取りなどを基に必要経費を算出した。
事故による年間の被ばく線量を1ミリシーベルト未満まで引き下げる場合、▽国が直接除染を行う「除染特別地域」で最大2兆300億円▽それ以外の地域で最大3兆1000億円−−の計5兆1300億円かかると見込んだ。内訳は▽除染作業に2兆6800億円▽除染で生じた汚染土壌などの中間貯蔵(30年間)に1兆2300億円▽仮置き場での保管に8900億円−−など。【阿部周一】