名古屋グランパスのFW玉田圭司(33)がアウェー磐田戦を前にした2日、前線からの守備に尽力する姿勢を強調した。自身4年ぶりの4試合連続ゴールより優先するのはチームの勝利。連続ゴールについて「考えないよ。まず勝つこと」と明言した。完勝した前節鹿島戦での手応えを胸に、オレ様ストライカーがフォアザチームに徹する。
炎天下での最終調整を終えたエースの表情は涼しげだった。玉田は目下3戦連発中。2009年8、9月以来4年ぶりの4戦連発への期待が高まるなか、「もちろん得点を狙っていきたいけど、チームが勝つことが大事」と強調した。キーとなる前線からの守備について「しんどいけど、チームのコンセプトとしてやっていく。連動してやることで攻撃も守備もうまくいく」と語った。
ストイコビッチ監督からFW2人は守備をある程度免除されてきた。玉田自身も「守備は好きじゃない」と公言。守備時に体力を温存し、攻撃で高いパフォーマンスを見せ周囲を納得させてきた。現代サッカーでは希少な存在となりつつあるオレ様ストライカーだ。
そんなエースに変化が起きた。7月22日のアーセナル戦で見せつけられたのが、素早い攻守の切り替えとFWの前線からの守備。その週の練習では闘莉王を中心とした守備陣が玉田とケネディのFW2人に迫り、守備を強く要求した。迎えた3日前の鹿島戦、前線から相手ボランチに積極的にプレッシャーをかけ続けた。これが完勝劇につながった。
闘莉王も「良かったよ。あれくらいやってくれればだいぶいい戦いができる」と認めた動き。ストイコビッチ監督は「まだ十分じゃない。どのゲームも同じパフォーマンスを出してほしい」と玉田に要望。ゴールと守備、要求レベルが高いのは玉田だからこそだ。 (宮崎厚志)
◆ピクシー監督、精神的に優位だ
ストイコビッチ監督は東海ダービーでの精神的優位を強調した。2日、17位と苦しむ磐田に対し「ジュビロは不幸にも難しい状況にあるが、逆に言えばわれわれのチャンス。あちらにとっては一戦一戦が決勝戦のようにプレッシャーを感じているだろう」と重圧を想像。「東海ダービーだが、われわれは自分たちのゲーム内容にフォーカスする。磐田には勝ちにいく」。鹿島戦に続く好内容での4連勝を誓った。
この記事を印刷する