臨時国会:ねじれ解消、開会 ナチス発言、野党攻勢 順風のはずが…与党防戦

毎日新聞 2013年08月02日 東京夕刊

 ◇参院正副議長、山崎・輿石氏選出

 衆参両院の多数派が異なる「ねじれ」が解消され、初めての国会が2日、動き出した。7月の参院選を受けた第184臨時国会が同日召集され、午前の参院本会議で、議長に自民党の山崎正昭前副議長(71)、副議長に民主党の輿石東前参院議員会長(77)をそれぞれ選出。参院選で大勝した自民党は議長職を6年ぶりに奪還し、予算委員長など主要ポストも獲得した。ただ、憲法改正を巡り、ドイツのナチス政権を引き合いに出した麻生太郎副総理兼財務相の発言を受けて、野党側は批判を強めており、与党主導で進むはずだった国会の空気は一変してきた。

 臨時国会の会期は7日までの6日間。ねじれ国会が解消されるのは、2010年以来3年ぶりとなる。2日午前10時に開会した本会議では、山崎氏は投票総数241票の満票で選出。輿石氏の投票は1回目の投票で、投票総数が投票者より多い事態が起こり、異例の再投票となった。

 安倍晋三首相は2日、衆院本会議前の自民党両院議員総会で「参院選の勝利でゴールの到達ではない。新たなスタートラインに立った。もう野党の責任にするわけにはいかない。問われているのは自民党だ」とあいさつ。ねじれ解消を受けて、「消費税増税やTPP(環太平洋パートナーシップ協定)など課題が山積しているが、いったん決めたら一糸乱れず前に進める」と表明した。

 臨時国会は与党の数の力で「順風満帆」に幕開けするはずだった。しかし、麻生氏のナチス発言を受けて、野党各党は今国会中に衆院予算委員会などでの集中審議を要求。日本維新の会の小沢鋭仁国対委員長は2日、民主党に対し、野党国対委員長会談を呼びかける考えを明らかにした。

 参院選に分裂選挙で臨み、自民大勝を許した野党にとって、麻生発言は各党をつなぐ格好の材料。社民党の又市征治党首代行は2日の両院議員総会で「海外でも問題視されている。野党でどう追及していくか、相談したい」と強調した。

 これに対し、菅義偉官房長官は2日の記者会見で、麻生発言に関する国会審議について「見解とか、価値観の相違といった議論の余地がある問題ではない」と述べ、野党の要求に応じない考えを表明。その上で「本人は撤回して、これで決着だ」と防戦に追われた。

 自民、公明両党は今国会で法案の処理はせず、安倍首相の所信表明演説や各党の代表質問なども、秋に召集する臨時国会に持ち越す方針。

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