麻生副総理:発言、なぜナチス例示か 国際社会と認識ずれ 橋下氏は「行きすぎたジョーク」

毎日新聞 2013年08月02日 東京夕刊

 岸田文雄外相は「私の立場からは、外交・政治問題化しないよう努力しなければならない」と強調。「わが国は戦後一貫して平和と人権を徹底的に擁護する社会を築き上げてきた。こうした国の姿勢をしっかり説明していきたい」と述べた。山本一太沖縄・北方担当相も「(発言)撤回でけじめをつけ、安倍政権がナチスを肯定することはありえないと改めて示していく必要がある」と述べた。

 この日の閣議や閣僚懇談会では、安倍晋三首相や麻生氏から説明はなかったという。菅義偉官房長官は会見で「あくまで誤解だ。見解の相違や価値観の違いなど議論の余地がある問題ではない」と強調。「本人が撤回したことで決着だ」と述べ、事態は沈静化するとの見通しも示した。甘利明経済財政担当相は「物事をやさしく説明しようとして、かえって誤解を招いてしまったのではないか。伝わっているニュアンスと自身の思いが全然別だということで撤回されている」と指摘した。【松尾良】

 ◇記者団に擁護発言

 日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)は1日、麻生氏の発言について大阪市役所で記者団の質問に答え、「ちょっと行き過ぎたブラックジョークだったんじゃないか」と述べた。発言全体に関しては「ナチスドイツを正当化したような趣旨では全くない。憲法改正論議を心してやらないといけないということが趣旨だったんじゃないか」と理解を示した。さらに、ナチスを例えにしたことについて「政治家で(こうした言動を)やろうと思ったら、こういう批判は出るんだろう。エンターテインメントの世界とかならいくらでもある」とも述べた。【村上尊一】

 ◇世界意識し発言せよ

 京都大の中西寛教授(国際政治学)は、中曽根康弘元首相が1986年に「米国は知的水準が低い」などと発言し、反発を買ったことを引き合いに出し、「政治家の発言は世界に伝わることが前提で、世界の文脈を意識して発言すべきなのに、いつまでも進歩しない」と批判。「ナチスの手口を学べ」という発言についても「むしろ、そうなってはいけないという例に使うべきで、少なくとも憲法改正には反生産的。反対派に塩を送ったようなものでとんちんかん」と話した。

 ◇日米同盟に影響

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