友人の一人から電話がかかってきて、親の成年後見人になることについて質問があった。
両親は地方にいて、自分は結婚して東京にいる方。
両親はすでに施設にいるため、空き家になっている家と土地を処分して
そのお金を自分たちの生活費と子どもの養育費にしたい、との事だった。
親の成年後見人になれば、親名義の預貯金を解約したり、親名義の財産を親に
代わって処分することが出来ます。
でもそれは親のお金を自分たちで自由に使えるわけではない、ことを話したらびっくりしていた。
親の成年後見人になる、と言うことは親の財産を守る立場になるのだから
親名義の家と土地を処分したお金(或いは預貯金を解約した場合のお金)を、
親のための入院費、施設利用料に使うならこれはOK。
親の為の必要な衣類・品物の購入、親の所に行くための交通費につかうのもOK。
でも、自分たちの生活費や子どもの養育費に使います、ではダメなのです。
もし全額使い込んでしまった場合はどうなるか?
成年後見人になると家庭裁判所に収支報告も定期的にしなければならなし
監査も入るからばれて「横領罪」になります。
実際、去年親の成年後見人になっていた息子が親のお金を使い込んで逮捕されてました。
この息子は会社経営者だったそうです。
推測ですが、会社の資金繰りに使ってしまったのではと思われます。
親のお金だから、遺産相続人は私なんだから私たちが使ってもいいでしょ、
とはならないのです。
このあたりのことが分かってない、勘違いしてる方が多いみたいです。
<2011-05-01追記>
その後、友人からは成年後見人にならないで家と土地を処分すること考える、と
メールがきました。
私もその方がいいと思いました。
また、裁判所で「あなたの好き勝手には出来ないんですよ」とか言われて、成年後見制度の利用を止めてしまう人もいるとか。
制度の利用が進まないのは、この辺りの仕組みのせいもあるかな〜と。
まあ、面倒だというのもありますが(苦笑)。
ならずに済むのなら、その方がいいですよね。
>制度の利用が進まないのは、この辺りの仕組みのせいもあるかな〜と。
それは確かにあると思います。
親をほったらかしてお金だけ使い込む、だったら問題ですが、親のお金をつかってなぜダメなの?と、思うのは普通だとおもいますから。
少し自由度を持たせてもらいたいなと感じます。
私自身も、親の成年後見人になってから、しまったなあ家裁に全額正直に報告するんじゃなかった、と思うところはありました。
>ならずに済むのなら、その方がいいですよね。
ほんとにそうですね。
なにかと面倒で、この制度、もう少し改善してほしいと感じます。
銀行の対応も、都市銀行、地方銀行でかなり違うのもこまります。
母の成年後見人になったらATMが使えなくなってしまった銀行もありますから。