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【社会】

地下水1日400トン海流出か 福島第1原発

2013年8月3日 02時11分

 東京電力福島第1原発の高濃度汚染水が海に漏れている問題で、東電は2日、護岸から1日当たり約400トンの地下水が海に流出し続けていた可能性があると原子力規制委員会に報告した。護岸近くではトレンチ(配管などを通す地下トンネル)などに大量の汚染水がたまり、同原発の専用港でも汚染拡大が確認されている。たまった汚染水が地下水に混じって、海洋汚染が続いていた可能性がある。

 東電は、陸側の地下水が海に向かって1日10センチほど動いていることや、2号機周辺の護岸の改良工事を始めた直後から地下水位が上昇してきたことから、コンクリート護岸を越えて海に地下水が流出し続けてきたと推測した。

 流出が始まった時期は不明だが、事故発生2カ月後の2011年5月以降、流出が続いていると仮定し、放射性トリチウムの漏出量を試算、約2年間で20兆〜40兆ベクレルが海に漏れたとはじき出した。福島第1で認められるトリチウムの年間放出量は22兆ベクレルのため、東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は「通常の管理と差がない範囲にある数字だ。ただ、問題がないと言うつもりはない」と強調した。

 骨などにたまりやすく、より害の大きい放射性ストロンチウムは試算しなかった。

 ただ、東電の観測でも専用港の各所で採取した海水から放出限度を大幅に超える濃度のストロンチウムを検出。汚染が続いているのは確実とみられる。

 東電の試算は、5月下旬に採取した井戸水で検出されたトリチウム値(1リットル当たり50万ベクレル)を使っているが、同じ日、同じ地点でストロンチウムなども同1900ベクレルが検出されている。

(中日新聞)

 

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