安倍政権No.2・麻生副総理の「ナチス発言」が波紋
安倍政権のNo.2・麻生副総理の発言が波紋を広げている。
1日朝、自らの発言が誤解を招いたとして、「(わたしの発言が)誤解を招いたことは大変残念、遺憾に思っています。ナチス政権を例示として挙げたことは撤回したい」と釈明した、安倍政権No.2の麻生副総理。
撤回をしたのは3日前の、あるシンポジウムで、憲法改正をめぐり、ナチス政権を引き合いに出した、「ワイマール憲法も、いつのまにか、ナチス憲法に変わっていた。誰も気がつかなかった。あの手口に学んだらどうか」との発言。
この発言を受け、アメリカのユダヤ人人権団体が、麻生副総理を批判する声明を出し、中国・韓国も批判している。
中国中央テレビは、「日本の主要な指導者が、ナチスの憲法改正をまねるようなことを公言することは、アジア近隣諸国と国際社会に警戒心を引き起こさずにはいられない」との中国外務省のコメントを報じた。
韓国外務省報道官は「このような発言が、多くの人を傷つけるのは明らかだ」と述べた。
世界を駆けめぐった、麻生副総理の「ナチス発言」。
安倍首相も「撤回は当然早い方がいい」と語っていたという。
そして1日、麻生副総理は「喧騒(けんそう)にまぎれて、十分な国民的理解および議論のないまま進んでしまった。“あしき例”として(挙げた)。(ナチス政権を)極めて否定的にとらえていることは、全体の流れを見たら、はっきりしていると思う」と述べた。
民主党の海江田代表は「撤回をして済む問題ではない」と述べた。
社民党の又市党首代行は「よく字を読み間違えた人だから、歴史も読み間違えたんでしょう。(閣僚・議員を)辞任しなさいと」と述べた。
日本維新の会の橋下共同代表は「ちょっと行きすぎたブラックジョークだったんじゃないでしょうか。ナチスドイツを正当化した発言では決してないと...。国語力あれば、そんなことはすぐにわかりますよ」と述べた。
そして、抗議声明を出していたアメリカのユダヤ人人権団体は、FNNの取材に対し、「いまだに理解に苦しむのは、なぜ彼がナチスドイツの手法を取ることに触れたのかということです」と述べた。
折りしも1日は、安倍首相肝いりの対外広報を強化する戦略チームが立ち上がった、まさにその日。
新たな対外戦略の出ばなを、政権No.2の発言がくじいた格好となった。