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最終更新:2013年8月1日(木) 18時18分

麻生副総理 「ナチス政権例示」発言を撤回

 麻生副総理兼財務大臣が憲法改正についてドイツのナチス政権を引き合いに「あの手口に学んだらどうか」などと発言したことに対し、国内外で批判が広がりました。危機感を強めた総理官邸からの指摘を受けて、麻生氏は1日、発言を撤回しました。

 麻生氏は先月29日、東京都内で開かれたシンポジウムで、憲法改正について「ドイツのワイマール憲法は、ある日気がついたらナチス憲法に変わっていた。誰も気づかないで変わった。あの手口に学んだらどうか」などと発言しました。これは、憲法論議は静かな環境のもとで進めるべきだという認識を示そうとしたものとみられますが、ナチス政権の手法を肯定したとも受け取れる発言で、国内外で批判が相次ぎました。

 中国外務省は麻生副総理の発言について、「日本の指導者がナチスをまねて憲法改正の手続きを進めようと公然と述べたことは、アジアの近隣諸国と国際社会の日本に対する関心と警戒心を引き起こさざるを得ない」と批判する声明を出しました。

 中国メディアでも・・・

 「日本社会は麻生氏を批判しないどころか、“ナチスを見習えば憲法を改正できる”という彼の話をつくろい、守るようなことをしている」(中国の専門家)

 また、アメリカのユダヤ人人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」は30日、声明を発表し、「どのような手口をナチスから学ぶ価値があるのか。真意を明確に説明せよ」と、麻生副総理の発言を批判しました。

 事態を重く見た総理官邸は、慌てて火消しに走りました。

 「きのう、(麻生)副総理と話をしました。『例示が誤解を受けていますよ』と、そういうことで進言して」(菅義偉官房長官)

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 「私のナチス政権に関する発言が私の真意と異なり誤解を招いたことは、大変残念、遺憾に思っています。ナチス政権を例示として挙げたことは撤回したい」(麻生太郎副総理)

 麻生氏は1日、「私がナチス及びワイマール憲法に係る経緯について極めて否定的にとらえていることは発言全体から明らかだが、誤解を招く結果となった」として、ナチス政権を例として挙げた発言を撤回しました。

 一方、野党は・・・

 「撤回をして済む問題ではない。この問題についてさらなる追及をしていきたいと思っています。同時に安倍総理の任命責任の問題についても触れないわけにはいきません」(民主党 海江田万里代表)

 麻生氏は内閣発足直後の今年1月にも発言を撤回していて、今後の安倍総理の政権運営にとって不安要因となりそうです。(01日17:19)

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