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2013年8月2日(金)

「地獄と恐怖を忘れたのか」 海外の批判

麻生副総理“ナチスの手口に学べ”発言

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 麻生太郎副総理兼財務相が、日本国憲法の改定について“ナチスの手口に学べ”と発言したことは、海外の世論も驚かせ、強い批判を招いています。


直ちに説明を求め抗議声明

米民間団体

 ナチスによる犯罪の追及を続ける民間団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(本部=米ロサンゼルス)は7月30日、「発言について直ちに説明するよう求める」とする抗議声明を出しました。

 声明は「ナチスが権力を握り、世界を地獄の底へと導き人類を恐怖に陥れたことを麻生氏は忘れたのか」と指摘。「世界がナチスから引き出すべき唯一の教訓は権力の座にある人物がどのように振る舞うべきでないかという点だけだ」と強調しました。(ワシントン=島田峰隆)

全人類に対し公然たる挑戦

中国

 中国外務省の洪磊(こうらい)副報道局長は7月31日、麻生太郎副総理の発言について談話を発表し、「日本の発展方向について、アジア諸国や国際社会の注目と警戒を引き起こさざるを得ない」と非難しました。

 また7月31日付中国共産党機関紙・人民日報は「日本の麻生副首相がなんとナチスに学ぶよう鼓舞した」との見出しを掲げ、麻生氏の発言を批判する記事を大きく掲載。専門家の話として「全人類に対する公然たる挑戦だ」「麻生氏の発言は日本政治の右傾化がすでにここまで進んだことを日本国民に示した」と伝えています。(北京=小林拓也)

国際的な常識規範への逸脱

韓国

 朝鮮日報(7月31日付日本語電子版)は、今回の麻生氏だけでなく、下村博文文部科学相の「韓国の民度が問われる」との発言にも触れ、日本政府要人の言動を「国際的な常識や規範を大きく逸脱したもの」と批判しました。

 中央日報(7月31日付日本語電子版)は論評記事で「ナチスを引用しながら日本の改憲問題を取り上げたのは、その策略が結局、ヒトラー式の専制主義と軍国主義を内心志向しているのではという疑惑を招くのに十分だ」と指摘しました。

ナチスの称賛理解に苦しむ

独紙

 独週刊誌『ツァイト』(7月31日付電子版)は「日本の財務相、ナチスの改革を手本にする」との見出しを立て、「ナチス時代についての肯定的な発言で国際的な憤激を引き起こした」と報じました。

 同様に「日本の副首相、ナチスの戦術を称賛」との見出しで報じた日刊紙ウェルト(7月31日付電子版)は、サイモン・ウィーゼンタール・センターの抗議声明を紹介するとともに、「日本の副首相の発言は理解に苦しむ」と指摘しました。

 また仏紙リベラシオン(1日付電子版)も麻生氏の発言を「暴走」であり「驚くべき対比」だと報じました。


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