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【政治】

ナチス発言 波紋拡大 麻生氏に与党からも苦言

 麻生太郎副総理兼財務相が改憲に絡み戦前ドイツのナチスを引き合いに「あの手口を学んだらどうか」と発言したことに対し、与党の幹部から一日、苦言や注文が相次いだ。麻生氏は発言を撤回したが、海外も敏感に反応しており、くぎを刺す必要があると判断したとみられる。 

 連立与党の公明党の山口那津男代表は記者会見で「本人が撤回したのだから撤回に値すると認識したのだろう」と指摘した。

 麻生氏は発言撤回にあたってコメントを発表。「私の真意と異なり誤解を招いた」「ナチス及びワイマール憲法にかかる経緯について、極めて否定的にとらえていることは、私の発言全体から明らかだ」と釈明したが、山口氏は「枢要な立場の政治家は発言に重々配慮すべきだ。自らにも言い聞かせながら、慎重に対応していきたい」と苦言を呈した。

 自民党の石破茂幹事長も記者団に「ユダヤの方々からの意見もあるようなので、政府として誤解を招くことがないよう、きちんと対応すべきだ」と注文した。

 ただ、麻生氏の進退問題に発展する可能性に関しては、菅義偉官房長官が記者会見で「(辞任には)あたらない」と明確に否定した。

◆釈明コメント全文

 麻生太郎副総理兼財務相が発表したナチス発言撤回に関するコメントの全文は次の通り。

 七月二十九日の国家基本問題研究所月例研究会における私のナチス政権に関する発言が、私の真意と異なり誤解を招いたことは遺憾である。

 私は、憲法改正については、落ち着いて議論することが極めて重要であると考えている。この点を強調する趣旨で、同研究会においては、喧騒(けんそう)にまぎれて十分な国民的理解及び議論のないまま進んでしまった悪(あ)しき例として、ナチス政権下のワイマール憲法に係る経緯をあげたところである。私がナチス及びワイマール憲法に係る経緯について、極めて否定的にとらえていることは、私の発言全体から明らかである。ただし、この例示が、誤解を招く結果となったので、ナチス政権を例示としてあげたことは撤回したい。 (原文通り)

 

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