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麻生副総理・財務相 ナチス発言撤回
8月1日 13時6分

麻生副総理・財務相 ナチス発言撤回
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麻生副総理兼財務大臣は、憲法改正に関連して「ドイツのワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法に変わっていた。あの手口、学んだらどうか」などと述べたことについて「真意と異なり、誤解を招いたことは遺憾だ」と述べ、発言を撤回しました。

麻生副総理兼財務大臣は、先月29日、東京都内で開かれたシンポジウムで、憲法改正に関連して「憲法の話は狂騒の中でやってほしくない。ドイツのワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法に変わっていた。誰も気付かないで変わった。あの手口、学んだらどうかね」などと述べました。
この発言に対し、アメリカのユダヤ系の人権団体や野党側から「ナチス政権を称賛する発言だ」などとして批判が出ていました。
これについて、麻生副総理兼財務大臣は、1日午前、記者団に対して「私の発言が真意と異なり、誤解を招いたことは遺憾だ。私は憲法改正について、落ち着いて議論することが極めて重要であると考えている。この点を強調する趣旨で、けん騒に紛れて十分な国民的理解や議論のないまま進んでしまった悪しき例として、ナチス政権下のワイマール憲法の経緯を挙げた。私がナチスおよびワイマール憲法にかかる経緯について、極めて否定的に捉えていることは、私の発言全体から明らかだ」と述べました。
そのうえで、麻生大臣は「この例示が誤解を招く結果となったので、ナチス政権を例示として挙げたことは撤回したい」と述べ、発言を撤回しました。

「ナチス肯定断じてない」

菅官房長官は、午前の記者会見で「安倍内閣、政府の立場はナチスを肯定的に捉えるようなことは断じてない。わが国は戦後一貫して平和と人権を徹底的に擁護する社会を築き上げ、国際社会に貢献してきた。今後もその方向性はまったく変わらない」と述べました。
また、菅官房長官は「麻生副総理には、きのう電話で『誤解を受けている』と伝え、本人は『趣旨と違うので撤回したい』ということだった」と述べました。
さらに、菅官房長官は記者団が「野党側からは麻生氏の議員辞職を求める声が出ているが、この問題はこれで終わりか」と質問したのに対し「今、申し上げたことに尽きる」と述べました。

米ユダヤ系団体が批判

麻生副総理兼財務大臣が憲法改正に関連して、ナチス政権に言及した発言に対して、アメリカのユダヤ系の人権団体は「ナチス・ドイツの台頭が世界を恐怖に陥れたことを忘れたのか」と批判しました。
アメリカ・ロサンゼルスに本部を置くユダヤ系の人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」は、30日、麻生副総理兼財務大臣が憲法改正に関連して「ドイツのワイマール憲法も、いつの間にかナチス憲法に変わっていた。あの手口、学んだらどうか」などと述べた発言に対して声明を発表しました。
声明は「ナチスのどのような手口に学ぶ価値があるというのか。ひそかに民主主義を損なうことか」と疑問を投げかけ、「ナチス・ドイツの台頭が世界を第2次世界大戦の恐怖に陥れたことを麻生副総理は忘れたのか」と批判しています。
そのうえで「麻生副総理は発言の真意を明らかにすべきだ」と主張しています。

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