賢い人に思われることって、簡単なんですよ。「賢者話法」を伝授します。
1. 誰かや何かを決して褒めない
まず大切なのは、誰かや何かを決して褒めないこと。
「これはすばらしいものだ!」と褒めてしまうと、「は?こんなものがすばらしいとか、おかしいんじゃない?」という批判を受けたり、褒めた対象が何らかのミスを犯した際などに「あいつ、こんなの褒めてたけど頭大丈夫か?失敗してるじゃんwww」と揶揄されたりします。
そのため、賢く思われたいのなら、決して褒めてはいけません。
2. 「負の可能性」について語る
次に、物事の「負の可能性」について語りましょう。
たとえば、社内で出てきた新しい事業企画。冒頭で指摘した通り、賢者は決して褒めてはいけません。しかめっ面で、何か深いことを考えている感じを醸し出しましょう。
そして、「田中君、この企画は、リスクもあるね。その点についてはどう考えるの?」と、負の可能性について指摘しましょう。リスクがあることなんて当たり前ですが、その当たり前を指摘することが、賢者の存在意義なのです。
3. 大衆に冷静さを呼びかける
場の空気が盛り上がっていたり、白熱してきたときは、冷静さを呼びかけましょう。
「みんな、一度冷静になろう。この企画にはリスクもある。田中君、論理的に整理してくれるかい?」
このひと言で、場の空気は、冷水を浴びせかけたかのように静まり返るでしょう。これぞ賢者パワー。
4. 過去の失敗について気にかける
賢者たるもの、リスクを恐れなければなりません。過去の失敗について気にかけましょう。
「こうした企画は他の部署でも行われていたけれど、やはりうまくいかなかった。うちの部署でも、新しい企画は鳴かず飛ばずだ。田中君、なぜこの企画はうまくいくと考えるんだね?」
田中君がしどろもどろになったり、論理的な根拠を示すことができなかったりしたら、あなたの勝ちです。おめでとう!「そうか、やはり合理的な根拠は見当たらないのか。わたしはリスクを考えると、この企画に賛同はできないかもしれない…」としかめっ面で語りましょう。
5. 断言しない
最後に、もっとも大切な話法は「断言しない」ことです。
自分の意見を言うときは「〜かもしれない」「〜だと思う」「〜ではないか?」「〜ということもあるだろう」など、曖昧な語尾を常に用いましょう。
「みなは田中君のプランに賛成しているのかもしれないが、この企画の内容はまだ十分に煮詰まっていないと思う。もう少し、時間を置いてから考え直すべきではないだろうか?」
バカだと思われるためには、この逆の話法を使うことがよいでしょう。つまり、
1. 誰かや何かを全力で褒める
2. ポジティブな可能性について語る
3. 人々をまだ見ぬ方向へ導こうとする
4. 過去の失敗を気にしない
5. 断言する
ということです。
ぼくは賢者よりも、馬鹿者であろうと願いますね。みなさんはどうでしょうか?