こんにちは。BBライブスタジオ担当の谷友梨子です。
四日市競輪開設59周年記念が、6月19日から四日間に渡って行われました。 泗水杯の栄光を手にしたのは、 園田匠選手(福岡・87期)。
(優勝後、検車場で)
念願の記念初V。また、この優勝で、12月に地元で行われる競輪祭の権利も獲得しました。
直前の高松宮記念杯は、実は、2回目のGⅠ正規配分でした。 一次予選では、 先行した菅原晃選手の3番手から、捲った吉田敏洋選手に切り替え、直線追い込み1着!ビッグ初勝利を上げ、上々のスタート。
しかし、勢いに乗った二次予選Aでは、バック後方からインを突き、 直線小嶋敬二選手を捕えて1位入線を果たしたのですが、痛恨の失格(内側追抜き) となってしまいました。
四日市記念は、それ以来の参戦。前検日では、「最近、 状態はいいんですけど、流れが悪いですね…。高松宮記念杯2日目は、脚にはかなり余裕があったんですけど、 逆に見すぎちゃいました。そこに向けて何カ月も前からトレーニングもしてきたので、(失格は) ガッカリでしたね。でも、それは自分の操作ミスですから。調整自体は間違っていなかったと思いますので、 次につながると思います」と話していました。
四日市記念では、初日から快進撃。
初日特選では、安東宏高選手の捲りに乗って、 直線外鋭く追い込み1着!2日目優秀戦では、 先行した松岡貴久選手マーク、柴崎俊光選手の捲りを止めて追い込み3着。
正念場の準決勝Aでは、捲った松岡貴久選手の番手から追い込み1着。 10秒7で捲った松岡選手を、10秒6で交わし、松岡選手とワンツーで、 決勝進出を決めてきました。
<決勝メンバー>
「柴崎兄弟の連係なるか」「柴崎淳が3連覇なるか」…。 戦前にはこんな話題が挙がっていましたが、柴崎俊光選手は、準決勝Cを永井清史の番手から追い込んでクリア。 一方の柴崎淳選手は、 ヒヤッとする展開でしたが3着に届いてクリア。また、 準決勝Bでは、 鈴木幸紀選手も山本佳嗣選手の番手から追い込んでの2着で、 記念初の決勝へ。 地元からは3選手勝ち上がってきました。決勝の並びは、柴崎淳-柴崎俊光-鈴木幸紀に。
柴崎淳選手(三重)
「準決勝は、後ろに迷惑をかけてしまいました。脚自体は悪くありません。 兄弟連係は、選手になっての目標の一つでもありましたし、それはよかったと思います。3連覇は、 あまり意識していません。決勝は自分の持ち味が出せればいいと思います」
柴崎俊光選手(三重)
「永井さんのおかげで決勝に乗れました。決勝では、それを無駄にしないようにしたい。 淳とは、やっと連係できますね。しかもそれが地元なので、嬉しいです。淳の後ろは、 練習でもよく回っているので、決勝もそんな感じでリラックスして回れればいいかなと思います」
鈴木幸紀選手 (三重)
「初めて記念の決勝に乗れて、嬉しく思います。脚の状態は、 最近だいぶよくなっています。柴崎兄弟とは、 バンクでよく一緒に練習しているので、何の心配もない。自分が離れないようにするだけです」
別線で目を引いたのは、松岡貴久選手のスピード。 初日特選は10秒8、準決勝Aは10秒7(2着)の捲り。 2日目フォーリンカップでは、 押さえ先行策も見せていました。九州の並びは、 そのフォーリンカップと同じく、松岡貴久- 園田匠-大塚健一郎に。
松岡貴久選手 (熊本)
「 四日市は優勝しかしていないので、相性はいい (05年10月A級初V、07年4月S級初V)。今回3走した感じもいいですね。 決勝は、3:3: 3の3分戦なので、やりやすい。いつも通り、 自分のタイミングで仕掛けられればいいと思います。九州で上位独占できるように頑張るので、 車券(投票)をよろしくお願いします」
園田匠選手(福岡)
「3日間とも前が頑張ってくれて、僕は付いているだけなので、展開に恵まれています。 (自身の)タテ脚は、いいと思います。近況、 ずっと流れが悪く、どうしようもなかったんですけど、今回は流れが来ているので、しっかりモノにしたい。 決勝は松岡君の番手。大塚さんにわがまま言って、回らせてもらいました。しっかり自分の仕事をして、 見せ場を作りたい」
大塚健一郎選手 (大分)
「初日悪かったけど、 その後は徐々に微調整できていると思います。決勝は、 自分が番手でと思ったんですけど、園田君がわがまま言うので、3番手で頑張ります。まず3番手の仕事をして、 そこから4コーナー勝負させてもらいます」
東日本勢の前は、伏見俊昭選手。 連日番手戦でしたが、準決勝Aでは前の岸澤賢太選手(埼玉・91期)が出切れないと見るや否や、 1コーナーからカマシ先行策に。そのまま難なく逃げ切って、自力でも強いところを披露しました。 東日本の並びは、 伏見俊昭- 谷津田将吾- 松永晃典。
伏見俊昭選手 (福島)
「 四日市は相性もよく、とても走りやすい。今回は前検日から感触もよく、 何とかやれるんじゃないかな、という手応えはありました。今回は自力も覚悟して来ましたが、 3日間は後輩に恵まれて、決勝に乗れました。 決勝は自分が一番前で、若手を相手に、自力で頑張ります」
谷津田将吾選手 (福島)
「来る前、ここに向けてという訳ではないが、練習もしっかりやって来ました。今回は3走とも後ろのレースで、 脚の感じは、特別いいとは思っていません。決勝は伏見さんへ。 番手は初めてです。展開次第では、 自分にもチャンスが向いてくると思います」
松永晃典選手 (静岡)
「3走した感じはいい。 道中も楽に回れているので、直線の伸びもいいと思います。伏見君は強いので、 決勝は安心して3番手を固めます」
決勝は後ろ攻めになった九州勢がいったん押さえましたが、 ジャン4コーナーで柴崎淳選手が気迫の先行策に!しかし、 楽に4番手を確保した松岡貴久選手が、 バックからの捲り。これを柴崎俊光選手が懸命にブロックしましたが、 松岡選手マークの園田匠選手が、 そのスピードを殺すことなく、一気にタテへ。同門の先輩、大塚健一郎選手を連れ込み、 10秒8で記念初Vゴールへ!
ゴール後はサッと右手でガッツポーズ!3番手の大塚選手が、 その健闘を称えながら敢闘門へ引き上げていきましたが、その敢闘門前には、九州の同僚の姿も。胴上げのシーンも、 CS放送をご覧の皆様には、お楽しみいただきました。
<優勝インタビュー>
「初日から、九州の後輩がしっかり頑張ってくれました。脚の状態はよかったので、 あとは自分の仕事がしっかりできるかどうかだけでした。 決勝は最高の展開でした。柴崎(淳)君の先行は、初めから頭にあったので、松岡君が中団取れれば、準決勝同様捲ってくれると思ったので、 それに賭けていました」
「(松岡選手がブロックで不発になったが)後ろに同門の大塚さんが付いているので、そこはしっかりと自分の仕事をしたいと思い、 突っ込みました。そこからは、気持ちで自転車が前に進んでくれたと思います。 今後は、師匠(吉岡稔真さん)を追い越すまではできませんが、近づけるように頑張ります」
前検日に、「高松宮記念杯は失格になりましたが、調整自体は間違っていなかったと思いますので、次につながると思います」 と気丈に笑顔を見せてくれていましたが、その努力が、 この四日市記念優勝で、本当につながりました。今年後半戦は、努力が実を結ぶ、園田選手の躍進の年にしたいものです!
それでは、ここからは前検日の選手の表情をご覧ください!
松岡彰洋選手(三重)
近況ギアを4.08に。「練習の時に、たまたま後ろのギアだけを上げたら感じが良かったから、それに乗っているだけ。別に、 大ギアを意識したとかというわけではないんだけどね」
神田聖治選手(三重)
デビュー21年目にして、初めてS級入りを果たした神田選手。初の地元記念登場となりました。
上田裕和選手(三重)
今年年明けに落車。怪我で長期欠場していましたが、ようやく復活してきました。身体を戻して、復調していきたいところです。
永井清史選手(岐阜)
真剣な表情で、ハンドルにグリップをはめる永井選手↓
高木隆弘選手(神奈川)
四日市は3月以来、今年早くも2回目の登場。
深井高志選手(東京)
丸島真改選手(千葉)
勝瀬卓也選手(神奈川)
一昨年4月以来の四日市登場。その時は3歳だったお嬢さんも今では5歳に。また、もう1人男の子も誕生したそうです。
3歳の時は、競走から帰るたびに「勝った?」と訊かれていたそうですが、最近はだんだんと分かってきたのか、 「娘が気を遣ってくれてますよ」と、楽しそうに笑う勝瀬選手。 先日、 敗者戦で1着を取った時には、紙製の「金メダル」を首にかけてくれたそうですよ。
赤井学選手(千葉)
成清謙二郎選手(千葉)
五日市誠選手(青森)
取手記念に続き、今大会も2回、伏見俊昭選手との連携。すっかりお馴染みの連携に?!
佐藤幸治選手(秋田)
四日市は初出走。前検日雨でバンク練習ができなかった為、、囲まれた記者さん達に「走ったら分かると思うけど、直線が長いよ~」 と特徴を伝授(?)されるシーンも。
飯嶋則之選手(栃木)
ブルーのシャツにブルーのネクタイで爽やかに登場!
辻力選手(石川)
パリッとしたポロシャツがよくお似合いでした!
小嶋敬二選手(石川)
ニコニコ顔で上機嫌で売店に入ってきた小嶋選手。手に持っていたのは…
「上機嫌のすすめ」
今、読んでいる本だそうですよ!
中園和剛選手(福岡)
久留米競輪の選手会ブログによると、四日市記念の少しあと、7月3日にご結婚されたとか。中園選手ご結婚おめでとうございます! お幸せに!
木暮安由選手(群馬)
眼鏡に白シャツのコーディネートで爽やかに登場!検車場でもいつもニコニコ。記者さんからも人気者です。
佐藤亙選手(愛知)
中澤孝之選手(大阪)
「私は誰でしょう??」
正解は、伊藤保文選手(京都)!
9時過ぎには到着し、まだ人影まばらな検車場で「暇や~」とウロウロ。
「私は誰でしょう??パート2」
正解は…松岡貴久選手 (熊本)・柴崎淳選手(三重)!
前検日、仲良くじゃれあっていた(笑)2人でしたが、決勝では対決することとなりました。
柴崎淳選手は、四日市記念3連覇がかかった今大会ではありましたが、今大会は優勝を逃しました。 しかし、毎年登場する度に、その成長ぶりを地元ファンの前で披露しています。来年は、 さらにビッグになっての四日市記念の登場を期待しています!
そして、今シリーズ、スピードが光ったのが、松岡貴久選手。初日は10秒8で捲って1着! 準決Aは、10秒7で捲って2着と、そのスピードには圧倒されました。園田匠選手の優勝にも貢献し、今後の活躍に注目が集まります!
湊聖二選手(徳島)
沢亀浩司選手(福岡)
山本佳嗣選手(大阪)
準決勝戦では、ライン2車ではありましたが、先行策!…にさせられてしまった山本選手。かつての徹底先行の血が騒いだのか(?)、 いい逃げっぷりをみせましたが、惜しくも粘れず5着。しかし、それに応えた番手の鈴木幸紀選手が2着に入って決勝進出を決めました。 四日市は実に6年ぶりの登場です!
藤木裕選手(京都)
5月の小田原ではS級初Vも達成し、競走得点も上がってきた藤木選手。練習の成果を出して、記念でも結果を残していきたいところです。
加藤慎平選手(岐阜)
志村太賀選手(山梨)
二次予選Bは11秒3で捲って1着クリアーでしたが、準決勝Aは4着で惜しくも決勝進出を逃しました。
藤田大輔選手(千葉)
四日市バンクは好相性。(07年5月A級…2・1・①、昨年2月S級…1・1・②) 3回目の今回は結果が出ませんでしたが、 次回の登場をお待ちしています!
朝倉佳弘選手(東京)
眼鏡をかけて、いつもとは少し違った雰囲気で登場!このあと、地元(京王閣) 記念も控えていて奮闘が期待されます。
柴崎俊光選手(三重)
昨年の四日市記念・準決Cでは、藤田竜矢選手を捲って1着目前でしたが、 諸橋愛選手に差され2着と、 決勝進出を逃しましたが、今年は、決勝進出。弟・淳選手との兄弟連携も実現しました。
決勝では、淳選手が思い切った先行策。俊光選手にもチャンスがありましたが、3着と終わりました。決勝後は、「言葉が無いですよ…」 と肩を落としていましたが、初の記念決勝入りも果たし、着実に一歩ずつ力をつけてきています。来年の記念も兄弟連携が見たいものです。
8月には初のお子さんも誕生予定で、「いい励みになっています!」と、早くもパパの顔も覗かせていました。
安東宏高選手(福岡)
5月の地元別府記念では、初の記念決勝進出も果たし、 近況競走得点も上がってきました。
「地元記念は、 メンタル部分で勉強になりました。体の状態云々ではなく、気持ちひとつで、 ここまで取り組み方や走り方が変わってくるんですね。これまでは、分かっていた“つもり”だったんですけど、改めて気付きました。 肉体的なレベルというのは、積み重ねでしか上げられないじゃないですか。でも、メンタル的な成長というのは、 何かキッカケや言葉をもらうことで、その瞬間から上がりますね。そんなことを感じますね」
近況の戦い方については、「自力主体の自在?そうですね。 自力の気持ちが強いから、自在に動けていると思います。自在に構えていたら、完全に自力は出せないし、後手を踏みますよね。 常に気持ちとしては自力で、結果、タイミングなどで位置を取りに行ったというのもありますが、基本は動くことが大前提です」
そんな安東選手には、 お弟子さんが1人。一番弟子の、利根正明(とね きみはる、 97期、A3)選手です。
「家が同じ市だったので、『練習を見てください』 という話だったんですよ」
「大分には、他にいい選手は一杯いるじゃないですか。 そうしたら、何を血迷ったのか(笑)、僕のところに来ました。でも、そんなことを頼まれたら、 「僕にできることなら喜んで」 と、受けました。僕はまだ5年くらいしか選手をしていないけど、 その中で教えられることは、全部伝えられたらと思います」
「そして…。不思議なもので、 人に教えようとすると、自分が成長しますね。逆にいつも「ありがとう」 と言いながら教えています。教えようと思って取り組むと、自分が得るものが大きいですね」
お弟子さんと共に、自分自身も成長していう安東選手。今年は、 更なる大きな舞台での活躍が期待されます。
皆様のおかげを持ちまして、今年の四日市記念も無事終了しました。
30分ほど前には、この敢闘門には決勝メンバーが顔を揃え、戦いの前の険しい表情を見せていましたが、 今はひっそりと穏やかな夕暮れ時を迎えています。
ファンの皆様、四日間に渡りましてありがとうございました!次回からはまたナイター競輪がスタートしますので、 今後共四日市競輪をよろしくお願いします!
谷友梨子