8日に開幕する「第95回全国高校野球選手権大会」に出場する代表全49校が31日、出揃った。
東京は東が「修徳」、西が「日大三」と揃って常連校が出場を決めたが、話題を集めたのは複数の都立高が上位進出したことだ。
最も注目されたのは、西東京大会で都立勢として33年ぶりに決勝進出を果たした「日野」だ。「国学院久我山」や「国士舘」といった私立の強豪校を破って快進撃するチームに、神宮球場が沸いた。
東でも、今春のセンバツ出場校の「安田学園」に勝ってベスト4に進んだ「江戸川」や、甲子園常連の「堀越」に競り勝ってベスト4入りした「城東」、準優勝の「二松学舎」に1点差まで迫った「雪谷」がベスト16に食い込んだ。
私立の強豪校がひしめく中、これだけ多くの都立勢が上位進出するなんて、一昔前では考えられなかったことだ。一体なぜなのか。
「東京都が04年度から入試に導入した『文化・スポーツ等特別推薦』の制度が関係しています。制度を導入する高校側が、『硬式野球』や『サッカー』などの種目で特別枠を設けた推薦入試で、試験内容は校長が決める。学力試験はありません。例えば、準優勝した『日野』の本年度の『硬式野球』は募集枠6人に対し、応募者は38人。倍率はナント、6.33倍です。同様に『江戸川』は募集枠2人に対し、応募者11人、『雪谷』は募集枠3人に対し、応募者は22人となっています」(都政担当記者)
特別推薦の基準は、中学時代の部活動で「都大会出場レベル」。私立強豪校にも引けを取らないハードルの高さだ。特別推薦志願者は、面接、小論文(作文)付きの「一般推薦枠」も受けられる。これも学力試験なしで、2度チャンスがあるみたいなもの。あの手この手で有力選手を集められたら、ヘタな私立校では太刀打ちできない。
大新聞の1年生記者たちは、都立が勝つたびに「都立の星」と書き立てるが、特別推薦枠がない「日比谷」や「西」ならいざ知らず、野球推薦で部員を集めているのに「星」もヘッタクレもない。
(日刊ゲンダイ2013年8月1日掲載)