【個別銘柄】スズキや三井化高い、GMOや大塚商急伸、京セラ安い
8月2日(ブルームバーグ):きょうの日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は以下の通り。
スズキ (7269):前日比5.8%高の2569円。2014年3月期営業利益予想を従来の1500億円から1650億円に上方修正した。前期比14%増の見通しで、増益率は従来の3.8%増から拡大する。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、通常第1四半期では計画変更しない同社が通期予想を上方修正した点はサプライズとし、為替前提が多少悪化しても、計画達成に自信があることが上方修正の背景と見るべきだと指摘した。
三井化学 (4183):7.4%高の260円。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、1日午後に上方修正された会社計画から算出した7-9月営業益は27億円と前四半期比71%の減益となるとし、会社計画はやや保守的と指摘した。
GMOインターネット (9449):10%高の1205円。1-6月営業利益は前年同期比17%増の59億円だった。野村証券では、4-6月はインターネット証券事業がやや苦戦したとしながらも、WEBインフラ・EC事業、インターネット・メディア事業などの利益成長と収益改善でカバーしたと指摘。グループ全体での利益成長を目指す同社らしい良好な決算だったと評価した。
大塚商会 (4768):9.3%高の1万2160円。1-6月営業利益は前年同期比15%増の195億円だった。増収による売上総利益の増加と販管費のコントロールが貢献した。ゴールドマン・サックス証券では、決算は想定以上で、1-3月は3.8%増収と市場の期待に対してやや低調な伸びだったが、4-6月は10%増収を確保して挽回したと分析。商機を逃さない強さを確認したと評価した。投資判断は「中立」継続。
日本取引所グループ (8697):5.8%高の1万30円。米欧の金融緩和継続や7月の米供給管理協会(ISM)製造業景況指数が約2年ぶりの高水準となったことから、きのうの米S&P500種株価指数は最高値を更新。また、東京商品取引所からシステム利用料として5年で60億-70億円を受け取る提案をした、と2日付の日本経済新聞朝刊が報じた。米国株高を背景とした売買高の増加やシステム投資軽減が期待された。
京セラ (6971):1.8%安の1万160円。4-6月営業損益は254億円の黒字となり、前年同期の20億円の赤字から改善した。ただ、ゴールドマン・サックス証券では、同証券予想(310億円の黒字)を下回り、想定以下だと指摘。計画に比べて円安で推移したものの、通信の赤字拡大や部品の受注回復が鈍いとし、通期計画達成確度はやや低下気味の印象だとしている。
シミックホールディングス (2309):17%安の1560円と、東証1部値下がり率1位。13年9月期の営業利益予想を従来の43億円から38億円へ減額修正した。9.7%増益が一転、3%減益予想となる。CMO事業で既存案件の一部製品の受託生産量が減少していることや、期初に見込んでいた新規受注案件が顧客都合により生産開始遅れが発生したことなどが要因。
旭化成 (3407):4.8%高の679円。2日午後に4-9月営業益予想を従来の590億円から650億円に上方修正した。医薬品の販売が好調な医薬・医療事業、円安効果を受けるエレクトロニクス事業で増収増益となる見通し。4-6月営業利益は前年同期比2.6倍の283億円で、ブルームバーグが集計したアナリストの予想平均値208億円を上回った。
メック (4971):10%高の483円。いちよし経済研究所では、原材料費の見通しを保守的に見直すことで14年3月期以降の利益予想、フェアバリューを引き下げた。しかし現在の株価はフェアバリュー680円に対して20%超割安であるとし、レーティングの「A(買い)」を継続した。
日本板硝子 (5202):4.9%高の107円。4-6月期営業損失は4億円で、前年同期の85億円から赤字幅が縮小した。クレディ・スイス証券では、事業環境は依然厳しいが、リストラ効果発現で欧州事業は黒字を維持、決算の印象はポジティブと分析。純利益の黒字化はまだ先だが、業績改善に向けて着実に前進しているとの印象とした。
シャープ (6753):3.4%高の425円。4-6月純損益は180億円の赤字となり、前年同期(1384億円の赤字)に比べて赤字幅が縮小した。液晶販売が伸びている上、リストラや設備投資抑制の効果も下支えした。
キリンホールディングス (2503):2.3%高の1531円。1-6月営業利益は前年同期比5.6%増の604億円となり、会社計画580億円から4.2%上振れた。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では投資判断を「中立」から「アウトパフォーム」に引き上げた。従来からの目標株価1800円との乖離(かいり)や同業との収益性比較を勘案したとしている。
日本光電 (6849):4.5%安の4010円。4-6月営業利益は前年同期比28%減の16億円だった。SMBC日興証券では、高利益率の生体情報モニターの一時的伸び悩みなどで製商品構成が悪化し、同証予想の19億円を下回ったとした。
遠藤照明 (6932):8.9%安の2008円。会社側が14年3月期業績予想を7月31日に下方修正してきのう急落し、きょうも下げ止まらず。いちよし経済研究所では、15年3月期以降は直管形発光ダイオード(LED)ランプや海外市場向け売上高拡大が見込めるものの、プロダクトミックスの変化や円安定着などからこれまでのような利益率改善は見込みにくいと予想した。
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更新日時: 2013/08/02 15:26 JST