工業製品の放射能基準値問題について
テーマ:ブログ日本の製造業は福島第一原発事故以降、重大な岐路に立たされていますが、その一つが工業製品の放射能汚染に対する恐れです。
そのため、前田武志の肝いりで経済産業省、原子力安全保安院、環境省、国交省、厚労省から担当者をお呼びして、意見交換会を行いました。
その中で重要な問題が明るみにでました。
日本では工業製品に関する放射線量の基準がないのです。
主要国における工業製品の放射線量基準は、輸入時においてEUでは0.2μシーベルト/時、ロシアでは0.3μシーベルト/時、中国でも周囲の放射線量の3倍以上の線量が汚染の基準になっています。
※米国は非公開(経産省より報告)
しかし、日本には政府の定める放射線量基準がありません。
そのため、輸出においては他国基準に従って基準を設定せざるを得ませんが、国内流通については、輸入も含めて何の基準もなく、各国では流通しないようなものですら流通する恐れがあるです。
もちろん、工業国家である日本では業界(全国鉄リサイクル協会)が自主的に0.5μシーベルト/時を設定しています。
しかし、この数値を政府は認定している訳ではありませんし、あくまで自主基準であるため、違反したとしても罰則はなく、国民の安全は企業の良心に掛かっているのです。
現在、被災地を移動する自動車のエアフィルターなどから放射性物質が検出されるなどの事案が起こっているようです。
問題はそこで検出される数値が健康上問題あるのか、また検出された自動車を整備や売買、廃車解体することに何か規制などあるのか、ということが民間からは分からないということなのです。
意見交換会でいくつか判明したことがありました。
整備工場などで働く方の健康については、厚生労働省の労働安全衛生法の電離則において基準が明記されており、事業主が法に則して労働環境に責任を持つことになっているとのこと。
但し、厚労省はサービス官庁ではなく規制官庁であるため、独自に線量計を用意して、事業者の責任でやってもらわなければならないとのことでしたが。。
二日間に渡って意見交換会を行いましたが、前田武志としては製造業界が安心して活動できるよう、放射線量基準の設定を原子力安全委員会に検討させるべく働きかけると同時に、本件には重大な関心を持って継続的に取り組んで参ります。
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