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ブラック企業は戦々恐々? 結成された被害対策弁護団

【政治・経済】

楽天SocialNewsに投稿!
2013年8月1日 掲載
被害者が続々/(C)日刊ゲンダイ
 ブラック企業の代名詞「ワタミ」創業者の渡辺美樹は参院選に当選したが、ブラック企業の問題が解決したわけではない。むしろ、ブラック企業に食いつぶされる若者は増加の一途で、事態を危惧する弁護士約40人が7月31日、「ブラック企業被害対策弁護団」を結成した。

「若者を大量に採用し、過重労働・違法労働によって使い潰し、次々と離職に追い込むブラック企業の存在は、いまや日本の一大社会問題といっていい。今後、定期的に相談会を開催しながら情報を収集し、企業名を公表していくつもりです」(弁護団代表の佐々木亮弁護士)

 この日は、被害に遭った当事者たちも直接訴えた。まずはコンビニ「SHOP99」の元店長で、長時間の過重労働でうつ病になり休職を余儀なくされた清水文美さん(31)。いわゆる「名ばかり店長」訴訟で、主張がほぼ全部認められ、未払い残業代と慰謝料の合計約160万円を勝ち取った。

「会社側は“管理監督者だから”の一点張りで残業代を支払おうとしませんでした。話し合いにも和解にも応じてもらえず、裁判に訴えざるを得ませんでした」(清水さん)

 コンサルティング会社のインターンとして約2カ月間働いた大学4年生A君(21)の話には耳を疑う。就職活動中のため、企業名を公表できないが、事実なら犯罪だ。社員に殴られ、アザまでできたという。

「退社の際に挨拶しなかったという理由で、横断歩道で部長に10発くらい殴られました。もう仕事を続けられないと思い、電話で『辞めます』と伝えたところ、『オマエを採用するために何百万かかったと思っているんだ』と暴言を吐かれ、『ドアが傷ついた』『(インターンだから)スクール代払えよ』などと、36万円を請求されました」(A君)

<当事者が声を上げ始めたゾ>

 仙台のマッサージ店に3年3カ月勤務したB子さん(23)の話も悲惨。出勤時間は13時と遅めだが、勤務は翌日3時まで。ホテルに設置されたマッサージコーナーで宿泊客に声をかけ、ノルマが達成できないと朝礼でパワハラの嵐だったという。

「売り上げが悪いと朝礼で『ロープレして』と言われ、マニュアルを一字でも間違えるとやり直し。何度もやり直しを命じられ、泣く子もいました。一方的な理由で手当を減らされ、月給が5万円下がったこともありました。100万円以上の未払い残業代があるので、裁判に訴えます。裁判が始まったら企業名を公開します」(B子さん)

 若者の労働相談に取り組むNPO法人「POSSE」の今野晴貴代表がこう言う。
「被害に遭った当事者たちが直接証言してくれるとインパクトがあるし、ブラック企業への抑止力にもなると考えています。弁護団と協力して対策を続けていきたい」

 社名をバクロされる可能性があるブラック企業は戦々恐々だろう。
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