2013年8月2日金曜日

参院選当選者と統一教会を結び付けるFAXと元事務所スタッフの告発文を独占掲載!


統一教会から北村経夫事務所に送信されたFAXの一部
本紙既報記事『参院選で自民党と統一教会が裏取引か?』『自民党参院選候補者が公示後に統一教会施設で講演、閣僚クラスの大物も関与か?』の続報。

本紙は参院選自民党公認の全国区比例代表選挙候補者(当選、現在は国会議員)の北村経夫氏が、選挙期間中に統一教会と関係していたことを示すFAXを入手した。

北村氏の選挙事務所の元スタッフで北村氏と統一教会の関係を知る福岡在住の若手保守論客からの告発手記と併せて掲載する。


◆自民党候補が統一教会と関係していたことを示すFAXを紙上公開


7月21日に投開票された参院選、その全国区比例代表選挙で自民党の公認を受け立候補し当選した北村経夫(つねお)氏(58)について、本紙は統一教会が全国の信者に期日前投票をさせ組織票を投じたのではないかという自民党との取引疑惑を報じた。

北村氏は選挙期間中の7月10日、福岡の統一教会施設2箇所に於いて統一教会の礼拝集会に出席し講演をおこなっっていた。

それを裏付けるFAXがこれだ。



北村経夫議員が統一教会と
関係していたことを示すFAX
公示直後の7月5日に統一教会の福岡教会から北村つねお福岡事務所の事務局長に宛てて送信されたFAXには、7月10日の集会場所である統一教会久留米教会と福岡教会の場所と時間が示されている。
【統一教会福岡教会から北村つねお福岡事務所へ送信されたFAX 2013年7月5日】
北村つねお福岡事務所 〇〇〇〇
お世話になります、7/10(木)の集会、よろしくお願い申し上げます。久留米教会は19:30より30分間、福岡教会は21:00より始めます。恐れ入りますが、それぞれ20分ほど前に御到着いただければ幸いです。
                    〇〇拝 
(以下略)

◆北村経夫福岡事務所で選挙活動の手伝いをしていた若き保守の論客からの告発

北村氏と統一教会の関係について、事の経緯を知る人物からの告発文を掲載する。

告発文の作成者は近藤将勝氏。近藤氏は、元民間調査機関記者で福岡在住の若手保守論客。産経新聞の『月刊正論』に記事を執筆していた経緯で北村事務所に出入りし北村候補(当時)の選挙活動の手伝いをしていた人物だ。
 
【近藤将勝氏の手記  2013年8月1日】
 
 
 
7月21の参議院選挙から10日が経ちました。選挙はお祭りだと言われますが、終わってみれば自民党・公明党が勝利。衆議院と参議院のねじれは解消され、いよいよ選挙前は封印してきた「戦後レジームからの脱却」に向けての取り組みを推し進めていくと思います。
 
私は根っからの保守主義者で、高校時代は、教師の日教組教育にも反発し、左翼的な思想傾向に強い抵抗感があります。平成21年の衆議院選挙で初めて選挙区で民主党の野田国義氏(現、参議院議員)に投票した以外は、選挙区・比例ともに自民党候補者に投票しています。その政治信条は、大学時代から北朝鮮拉致被害者救出や外国人参政権反対運動に参画。上京して国会議員に陳情活動を行うなどロビー活動をしながら、保守系雑誌として知られる月刊『正論』(産経新聞社)にも論考をたびたび寄せるなど言論活動も展開してきました。

今年4月末に一身上の都合で、福岡市内にある民間信用調査機関を退職しました。会社での仕事は、情報部というセクションに配属され、経済・政治問題の取材、企業情報誌の編集、企業調査、法人営業と多岐にわたっていました。

退職してほどなく、仕事つながりで知り合ったある雑誌の編集者のご紹介で、自民党の北村経夫候補(当時)の選挙事務所でボランティアスタッフとして従事することになりました。北村候補は、山口県出身で、元産経新聞論説委員や九州・山口本部長などを歴任してきたご経歴があり、在職中、講演を聴いたこともあり、どういう考えの方か把握しており、信用できる保守系の候補者との認識でした。

事務所での仕事は、専ら人に会って支持者名簿の獲得と、事務所でのポスターやリーフレットの発送作業でした。

5月から6月はひたすら人に会って、時には夜遅くお酒を飲みながら、リーフレットと候補が出版された「誇り高き国へ」(ポプラ社)を渡し、衆参とのねじれ解消や民主党政権下での「左翼」偏向政治の誤りなど、相手に合わせて話をしてお願いして回りました。6月の半ばまでは、事務所で事務作業をしたということはありませんでした。事務局長や事務所の女性とも6月半ばまではあまり話をしなかったように思います。

その後6月下旬に差し掛かり、いよいよ、公示が迫るとポスターやリーフレットの発送作業のため事務所に来てほしいとの連絡がたびたび入り、午前中あるいは午後から出向いてパンフレットに後援会名簿の用紙を挟んで、封筒詰めする作業などをしたと思います。

やはり一緒に仕事をすると、最初は人見知りしていても自然と会話も生まれるもので、事務所の女性とも選挙情勢のことなどを話すようになりました。そのなかで、ある団体の支援を候補が受けているということを耳にしました。その団体とは「世界平和連合」です。政治運動に係わるものなら知っている統一教会の関連団体です。統一教会は反共を掲げて、自民党など保守系政治家に選挙支援を引き換えに浸透してくるという話は聞いていました。しかし、北村候補のご実家は「踊る宗教」と呼ばれた別の宗教団体で、統一教会から支援をもらうというのは信じがたいとその時は思いました。ただ、安倍総理と候補は同郷で、近しい関係もあります。候補の祖母で教団の教組である北村サヨ氏は、安倍総理の祖父、岸信介氏が「将来、必ず総理大臣になる」と予言したといわれ、岸信介元総理は統一教会やその政治組織である国際勝共連合と深い関係にありました。「もしかして・・・」と不安を覚えつつ、伝聞では判断できないと胸の奥にしまうことにしました。

 7月に入り、公示を迎えました。折しも、公示日から上京し、9日まで東京に滞在しておりました。滞在中は、首都圏の知人にお願いしながら、仲間と国会を回ってTPP反対の陳情書を与野党の議員に提出する活動もしていました

710日に、塩谷元文部科学大臣と地元福岡県連から江藤秀之県議会議員を応援弁士にお迎えし、博多駅前で街頭演説会が行われました。私も自民党カラーの水色のポロシャツを着て、朝6時半に博多駅前に集まり、のぼりを立てるなど準備作業を行い、公職選挙法に基づく証紙を貼ったビラを「自民党です。よろしくお願いします」と出勤していくサラリーマンなどに配布しました。

塩谷議員の激励や候補の演説のあと、撤収作業を行い、支援組織のひとつであるJR九州関連企業の方の運転する車で、事務所に備品を運び、運動員の人と近くで食事をしてその日は、解散しました。

その後、数日は夏風邪で事務所へ行けなかったのですが、私の携帯に「あんたがこの人に入れてくれっていった自民党の候補者、統一教会と関係あるのか」という電話がかかってくるようになりました。ネットを検索すると、そういう情報が流れていました。

そこで、自分は事務所にいるんだから直接事実を確かめようと思いました。

そこで、こういう話を聞きました。

「近藤君だから話すんだけど、じつは事務所に統一教会の人がスタッフできていたの。東京のほうから紹介されてきていた女性」。さらに「講演をしていた」というのです。

 「え?マジかよ・・・」と内心思いましたが、平静を装い、「そうでしたか。今その方は?」と尋ねると「インターネットで統一教会との関係が明るみになって引き上げた」ということでした。そしてさらに衝撃だったのが「支援者が離れた」という事実です。

私は困惑せざるを得ませんでした。北朝鮮による拉致被害者救出運動に取り組んできた私にとって、その北朝鮮と友好関係があり、霊感商法で日本人から金を巻き上げる統一教会と結びつくなんて考えられないからです。

は、米ソ冷戦時代、ソ連の脅威があるなか、反共産主義で一致団結する必要性はあったと考えます。その後、その後、統一教会元幹部の告発手記を掲載した文芸春秋で、霊感商法の実態や文鮮明氏に幹部が天皇陛下の身代わりで礼拝するというような事実が暴露されそれまで同志的関係にあった民族派・保守系が遠のいていった経緯があります。

かし統一教会の霊感商法など問題が指摘されてきた、警察の捜査が行われてきたにもかかわらず、依然として自民党は密接な関係を有しています。事務所にスタッフを送り込んで来たり、期日前投票を呼び掛けるなどバックアップする。政治家の側も会合に参加する、教団の施設で講演を行うなどを通じて関係が深まる というのは、適切とはいえないように思います。活動を通じて統一教会系の日刊紙「世界日報」の記者さんを個人的に知ってはいましたが、勝共運動とは一線を画してきました。日本はサタンの国とか罪が多いと教え、信者を献金地獄で苦しめるカルトの支援を受けることは国を売ることに他なりません。

問題は、候補の独断なのかどうかです。自民党という組織の候補者で、しかも新人が勝手に、統一教会の支援を受けることはありえません。にわかに一部でうわさされる安倍総理と統一教会の関係も信ぴょう性があるのではないかと思うようになりました。

 そこで、この手の情報に詳しい方たちにいろいろ尋ねてみました。そのなかで、支援者から離れた方の中に、産経新聞を応援する政財界の集まりである「九州正論懇話会」の会員でもある会社の経営者がおられ、統一教会との関係をメールで批判しているという情報をキャッチしました。転送されてきたメールを読むと、博多駅前で街頭演説会を行った10日の夜、候補が統一教会で講演していたとあり、それは自社の社員を運転手で派遣していた関係で、予定表と統一教会からのファックスを社員が持ち帰り報告したことで知ったこと、「統一教会の支援を受けるなら、保身のために国を売りかねない」と厳しい批判が綴られていました。そしてその会社は、選挙運動から手を退かれました。

これは大変な問題でしたが、具体的な物証が出てきました。事務所で後援会名簿をもとに電話作戦を行っていましたが、東京の事務所から送られてきた名簿の中に、複数の国際勝共連合や世界平和連合の支部長の名前と携帯番号がありました。もちろん私たちはそこにも電話をかけ、「投票しました。頑張ってください」といわれ、二重丸をつけて東京に報告しています。

さらに統一教会からのファックスや10日の日程表も確認し、いよいよ疑念は確信へと変わりました。事務所の人間も認めているうえに文書が存在していたのですから。もちろん、統一教会で講演することは私たちにも伏せられていました。

これまでも統一教会・勝共連合と政治家の関係は指摘されてきました。ただ、ここまで露骨に文書で出てきたものは初めてで、複数の経路で流出した文書は、統一教会による政界工作を明らかにするものだと、マスコミや治安関係者の関心を呼んでいます。

統一教会の支援についてはマスコミもキャッチしていて、事務所にNHK福岡放送局の記者が取材に来ていました。たまたま取材した記者は知り合いで、尋ねてみました。
彼は「報道するつもりはありませんから、事務所の皆さんにご安心くださいとお伝えください」とか言う。これは、そういう軽い問題ではないと思います。

ここで、はっきりさせておきたいと思うのは、北村氏の前職、産経新聞の立場・反応についてです。
 産経の東京・大阪複数きいているのですが、地盤の九州・山口の西部本部副本部長・九州総局長の石橋文登氏からは次のようにお答えをいただきました。

「政治部にいたが知らない」
「中国地方は在日が多い関係もあって岸さんの時代から勝共連合が強い」
「選挙について事務所にいたあんたも知っての通り、産経新聞は一切関与していない」
ということでした。
「産経は選挙に関与していない」
これは間違いないことです。北村氏は、九州電力・JR九州・山崎製パン・業界団体では、全日本トラック協会などを中心として支援を受けていました。

さて、前述の経営者のメールには、大変重要なことが指摘されていました。それは、統一教会との関係が発覚して、福岡事務所の事務局長に問いただした際、「菅官房長官の差配である」と事務局長が述べたという件です。

それについては、ウラが取れたわけではありません。しかし、北村議員は、安倍総理の肝いりで出馬したいわば秘蔵っ子で、ポプラ社から出した著書の表紙には安倍総理とのツーショット写真が載っています。断定はできないとはいえ、選挙は、安倍総理の出身、自民党山口県連からの公認を受けて戦っており、官邸と無関係に統一教会が勝手に支援したなどとはちょっと考えにくいのではないでしょうか?  

通常、選挙、とくに組織票が重要となる参議院選挙の場合、自民党や民主党の多くの候補者は、あらかじめ母体となる支援組織がかちっとあります。たとえば、自民党であれば、特定郵便局長会や建設団体、日本医師会、農協などです。民主党であれば、日教組や自治労、部落解放同盟などがあります。公明党はもちろん創価学会です。自民・民主両党は様々な宗教団体の支援を受けています。

有名なのは、神道政治連盟や創価学会、立正佼成会などですが、統一教会の政治性は、東西冷戦時代は反共を掲げ、多くの勝共推進議員を輩出するなど突出しています。自民党の政策と彼らが主張する内容も非常に近いです。無償で選挙スタッフや当選後も公設・私設問わず秘書を送ってくるのは政治家にとっては有難いという面もある、と自民党の某議員秘書を務める友人は認めています。表面上の主張はともかく、実際には日本の国益とはいえない活動を行い、霊感商法などでその犯罪行為が社会的に断罪されてきた組織の支援を受けること自体、大問題で、選挙の付き合いだから・・・では済まされないと思います。

統一教会が支援を行うのには、他の団体同様、思惑は当然あるわけで、指摘される警察・公安当局の捜索をさせないことを取引したということが事実であれば、国民の利益に反することに他なりません。今でも霊感商法や信者さんも上からの献金要求に借金してまで応えて生活がぼろぼろの人もいるわけです。

政治家は大きな組織や企業の代弁ばかりではなく、そういう弱い立場の人を守る責任があります。政治的な思惑で原理原則を捻じ曲げていくならば、九州正論懇話会会員で、有力支援者だった社長さんが言うように、「保身のために国を売る」ことにもなりかねません。
 ましてや、私は、社会問題、不正を批判する記事や論考を仕事として書いてきたわけで、自身の行動をどうするのか選択を迫られました。このまま黙って知らぬ存ぜぬもできましたが、やはり良心が咎めました。拉致被害者奪還を目指してシンボル、ブルーリボンバッチを着用しています。陽明学でいう知行合一。言葉と行動の一致をさせなければ政治運動をやる資格はないと思いました。ともに選挙運動に従事した事務所の皆さんと一緒に当選をお祝いしたい気持ちもありましたが、投開票日前日に、事務所にスタッフを離れる旨を伝え、投票は自民党の以前から面識のある方に入れました。

以上、長くなりましたが、公にできる部分をできるだけ自分の心境を含め明らかにしていると思います。統一教会と北村議員の関係は、長年の自民党の体質、そして日本と朝鮮半島をめぐる外交問題をも含んでいるからこそ、保守陣営に属する私も慎重に扱いたい事柄ですが、しかし、事務所で見聞きしたことを自分の腹の中に納めなかったのは、政治的立場を超越して同憂の皆様に注意・警告を喚起したいという思いからの行動であることはご理解いただきたいと願う次第です。そして、これを契機に日本の政治が少しでも健全な方向に向かい、統一教会の違法活動を根絶してほしいと思います。

 

平成2581日 

近藤 将勝 記す

若手の保守論客が、何故北村氏の疑惑を追及することを決意したのか。その思いの丈が綴られている。その真摯な気持ちは自民党首脳に伝わるであろうか。

◆北村氏の統一教会での講演は政府首脳の“仕切り”?

7月10日、北村氏は夕方まで行動を共にしていた支援者や運転手に以降の予定はキャンセルになったと告げて帰した後、統一教会の施設へ向かっている。

手記にあるように、後日、北村氏が統一教会で講演をおこなったことを知った支援者が北村つねお福岡事務所の事務局長に問い質したところ、事務局長は「菅官房長官の仕切り」と弁明したという。
菅義偉官房長官と云えば、自民党政権で選挙対策総局長や選挙対策副委員長を歴任した選対のエキスパートだ。

もし仮に、この事務局長の弁明が事実であるとしたら、政権首脳が北村氏の統一教会での講演を指示したということになる。

俄かに信じがたい話ではあるが、自民党と統一教会の取引疑惑に政府首脳まで関与していた疑いも出てきた。
ある事情通は「もし菅官房長官が関与しているとしたら安倍総理が知らないとは思えない」と話している。

真偽を確かめるべく北村経夫福岡事務所に選挙期間中から何度も電話したが、事務局長はいつも不在で、事務所も投開票翌日に閉鎖されてしまったため、この事務局長には連絡が取れずじまいだった。


◆「候補者は“猿回しの猿”」 では“猿回し”は誰だったのか?


福岡事務所を引き継いだ東京事務所の担当者に訊いた。
東京事務所は参議院議員会館内に移転していた。


──北村氏が福岡の統一教会施設で講演したことについて

「こちらでは全く存じ上げていませんね」「全然聞いていないです」「初耳です」

──北村氏が選挙期間中に福岡の統一教会施設で講演した経緯について

「認識していないから、お答えする余地がない」「こちらの方から『選挙お願いします』という依頼は全くしておりません」

──北村陣営として統一教会の支援を受けたかどうかということについて

「判りません」「与り知らない」

──以前問い合わせた時は「勝手にやってるのだろうということだったが?

「そうです」「こちらから依頼しているわけではないし勝手連的におやりになっているんだろうと思います」

──何かしら見返りや交換条件的なものがないと勝手にはやらないと思うが?

「そんなものはないでしょう。それは私どもに御訊きになってもコメントのしようがないですから」

──統一教会と自民党が取引をしたのではとも言われているが

「それはないでしょう」「全然聞いたことありません」

──東京事務所の与り知らないところでの話ということか?

「そうですね、全く存じ上げておりません」

──福岡事務所からも聞いていない?

「ないです」 「こちらでは把握していないしコメントのしようがない」

──福岡事務所の事務局長が東京事務所に来ていたことについては

「聞いている」

──東京は関係なく福岡であった話だと?

「そう思います」

──北村議員本人に事の経緯を訊きたい

「それは本人は知ってるわけないと思います」

──御本人が教会へ行かれているわけですから経緯を知らないわけはないと思うが?

「選挙中は『こっちへの方へ行きなさい』と猿回しの猿みたいなもんですから。選挙というのはそういうものですよ」「何人(なにびと)であれどんなところであれ先導して下さる人の言うままに御挨拶には行くと思う」

──統一教会は霊感商法など社会的に問題のある団体だが?

「もしそうであれば、それは偶然にそういう風になったんじゃないんですかね」

──お願いしていないのなら、何故北村候補が統一教会へ行ったのかが謎として残る

「それは・・・ちょっと不思議ですよね」   


北村氏本人なら判る筈であり本人に訊くしかなさそうだが、担当者からは新事務所のFAX番号すら「やがて国会便覧に出ると思う」と教えてもらえなかった。

事務所スタッフに“猿回しの猿”と表現された候補者(当時)、ではその猿回しは誰だったのだろうか?


◆福岡教会は北村氏の講演を認める

福岡の統一教会の各教会担当者に訊いた。

久留米教会は以前にも北村氏の講演事態を否定しているが、今回も記者に対し「鈴木エイトさんじゃないの?話すことはないですから切ります」と一方的に電話を切ってしまった。

統一教会福岡教会の担当者は、7月10日の祈祷会の際に北村氏が講演をしたことについて認めている。北村氏が講演したの経緯については「話が来たので」「たまたま水曜日が空いていたので」とのみ答え、統一教会本部や自民党からではないとしながらも、北村事務所と統一教会の双方から要望があったと答えた。
政治家の講演については「ウチは創価学会とか幸福実現党みたいな独自候補を出しているわけではないし政党も持っていないので」と前置きした上で「いろんな方から講演要請がある」として自民党だけではなく、維新の会の候補者からも打診があったと話した。
担当者は、北村氏への組織票集票指示については否定した上で、勝共連合の政治家への秘書派遣など統一教会と政治家との関係について「今は一枚岩ではなく過去のこと」とも話していた。

◆北村経夫福岡事務所に世界平和連合の女性スタッフが?

近藤氏の手記にあるように、福岡の北村経夫事務所では統一教会の関連団体である世界平和連合の女性スタッフが事務を手伝っていたとの情報があった。
現在は東京の世界平和連合事務局にいるこの女性スタッフ本人に確認したところ、北村経夫福岡事務所に居たことについて暗に認めるようにも取れるニュアンスの発言をしたかと思えば、またそれを撤回したりしながらも明確に否定するわけでもなく、20分以上話した結果、最終的には「電話をいただいても答える必要がないと思う」との回答だった。

北村経夫福岡事務所の別の女性スタッフにも、この世界平和連合の女性について確認したが「全く知りません」との回答で、北村氏の統一教会施設での講演についても「私は何も知りません」と答えるのみであった。

◆『誇り高き国』の著者の選挙戦は誇り高かったのか?

もし、統一教会が北村氏へ目標とされる10万票を集票していたとすると、北村氏の総得票数(142.613票)の約7割が統一教会の信者からの票ということになる。自民党全国比例区で最下位当選した元大阪府知事の太田房江氏の得票数が77.173票、時点で落選した若狭勝弁護士の得票数が76.829票だった。もし北村氏への統一教会選挙支援が事実であり集票数が10万票をクリアしていたとすると、北村氏は統一教会の支援なしには国会議員にはなれなかったという計算になる。

北村氏は、今年3月【誇り高き国へ】という題名の著書を出版している。本日8月2日に国会開会式を迎え晴れて国会議員として当院した北村経夫参議員議員。北村氏にとって、今回の参院選は『誇り高き』選挙だったのだろうか。

 

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