ソチ五輪で金メダルを目指すスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅(16=クラレ)が、サマーGP開幕戦(ドイツ)から帰国。同大会では最大のライバルで“もう1人のサラ”ことサラ・ヘンドリクソン(18=米国)が欠場したにもかかわらず、個人戦はまさかの2位。新たなライバルが次々に台頭する中、国内でも昨季高梨が2度負けた“陰の実力者”が再起に向けて動き出すなど、沙羅包囲網は国内外で着々と狭まっている。
オフの間、重点的に取り組んだ着地時のテレマーク姿勢が乱れ2位。高梨は「練習不足」とミスを認め、8月3、4日に札幌で行われるサマージャンプ大会2連戦での挽回を誓った。
とはいえ、テレマークは発展途上。改善の道は開けている。実際、混合団体戦では完璧とまではいかなかったものの、きっちり修正し優勝の原動力になった。むしろ問題はテレマークより高梨が個人戦で優勝をさらわれたことだろう。同大会は2月の世界選手権で優勝したヘンドリクソンが不在。昨季W杯総合覇者の高梨の独壇場となってもおかしくなかった。
ところが、優勝したのは伏兵のアレクサンドラ・プレトリアス(17=カナダ)。彼女の実力は本物なのか…。小川孝博チーフコーチ(47)は「このままいったら対抗馬になる」と大警戒する。ヘンドリクソン、欠場中のオーストリアのエース、ダニエラ・イラシュコ(29)と合わせ「世界4強」にリストアップしたほどだ。
特徴はムダのない空中姿勢。「体もそんなに大きくなくて体重も軽い選手なんですけど、落ちないというか、いいジャンプをしてます」(小川コーチ)。W杯は10位が最高だが、“夏女”のイメージを一変させ五輪で大化けする可能性があるという。
さらに国内にも強力なライバルがいる。岩渕香里(かおり=20、松本大)が7月からジャンプ練習を再開。8月下旬から9月上旬の大会出場に向け、順調な調整を続けているという。
昨年はサマージャンプで高梨を2度抑えて優勝した実力の持ち主。同9月の練習中に両足の前十字靱帯を断裂し、現在は長野・飯山のミディアムヒルで試運転をしている状態だが「遠くに飛びたい気持ちが出てきた」(関係者)と気持ちに火が付いているという。3度の手術を乗り越えた美女ジャンパーは、ソチ五輪をはっきりと視界に定めている。
ほかにも、オーストリアの超新星で“第三のサラ”こと、チアラ・ヘルツル(16)も控える。高梨は国内外から追われる立場になっているのは間違いない。
東京スポーツ新聞社が運営する携帯サイト「東スポ芸能」で、AKB48の研究生・峯岸みなみ(20)が連載コラム「AKB48峯岸みなみの研究生じろじろリポート(略称じろリポ)」を担当。昇格を目指す研究生たちの素顔を紹介します。