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2013年07月29日

顧客の生の声を活かすには?

【ベネッセ導入事例】一度挫折したCRM活用、失敗に学び顧客の声を活かすシステムへ

ベネッセコーポレーションでは2006年、VOCを事業に活用するため、大規模なCRMパッケージの導入に踏み切った。しかし、情報蓄積に多くの時間が割かれるなど、現場の業務効率はかえって悪くなるという事態を招いていた。そこで同社は、VOCの活用に本腰を入れるためにも、CRMの刷新を決断する。一度は失敗を味わった同社が、その経験を活かして選んだソリューションとは?

“顧客の生の声”を正確に掴み、事業にフィードバックしていくことが重要

 グループ内で「国内外の教育」と「生活」の事業領域を担うベネッセコーポレーションは、合計385万人の会員数を有する通信教育講座の「こどもちゃれんじ」「進研ゼミ」や、日本全国の90%の高校で採用されている模擬試験の提供、月間発行部数32万部の妊娠/出産/育児雑誌「たまごクラブ」「ひよこクラブ」の発行などを手掛けている。

 こうした各事業に対応するコールセンターの運営を行っているのが同社のカスタマーコミュニケーション部だ。顧客との直接的な接点を持つ部門であり、「顧客の声」(VOC:Voice Of Customer)を収集、分析する役割も担っている。

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ベネッセコーポレーション
カスタマーコミュニケーション部 部長
北川 美千代氏

 その部長を務める北川 美千代氏は、「顧客接点となるチャネルは電話以外にも、メール、Web、FAXなど多岐にわたります」と、顧客とのコミュニケーションがますます複雑化する現状を指摘した上で、次のように語る。

「お客様の生の声を聞くことができるのは、コールセンターにかかってくる電話が中心。それをどう活用し、事業に反映していくかが非常に重要な鍵を握ります」(北川氏)

 同部署に所属するコールセンターは、東京/大阪/岡山/北九州の4か所にあり、合計席数は約950で窓口オペレーター数は常時2500名、入電件数は、年間で実に400万件以上にものぼる。400万件は膨大だが、コールセンターは人と人とのコミュニケーションであることを忘れてはいけないと北川氏は言う。

「例えばお客様が『分かりました』と言って電話を切られても、本当に理解していただけたのか、あるいは不承不承、分かったと言われたのかは、人にしか分かりません。後者の場合には不満として捉えるべきです。それをオペレーターがきちんと掴んで、事業にフィードバックできるようにしていくことが非常に大切だと考えています」(北川氏)

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 どん底の状況から失敗の教訓を活かし、VOC活動を改革

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