少女らのわいせつ画像を撮影し、インターネット上で交換したとして、岡山県警生活環境課と岡山中央署が摘発した児童ポルノ事件は、全国29都道府県の愛好者約60人が逮捕、書類送検され、被害児童は200人以上になることが1日、捜査関係者への取材で分かった。同種事件の摘発は全国でも最大規模。県警は近く追送検し、約1年4カ月に及ぶ捜査を終結する。
捜査関係者によると、児童買春・ポルノ禁止法違反容疑で摘発されたのは10〜50代の大学生、自営業、会社員ら。約60人の中でもいくつかのグループがあり、画像をやりとりしていたという。
これまでの調べでは、2011年10月〜今年4月、海外や国内の複数の動画共有サイトに「児童愛好者」とプロフィルを書き込んで仲間を募り、メールやSNS(会員制交流サイト)のファイル送信機能で児童ポルノ画像を送るなどした疑い。県警はパソコンや携帯電話から動画約15万点、静止画約11万点を押収した。
愛好者は、警察の摘発やサイト管理者の検閲を逃れるため、ロリコンの当て字「炉利」、男児を指す「ショタ」などの隠語を駆使。互いに面識はなくネット上の「ハンドルネーム」で呼び合い、「コレクションを褒められ、増えていくのが楽しかった」「子どもの裸に興味があり、性的興奮を高めたかった」と供述しているという。身内の小学生女児を撮影していた男もいた。
県警が昨年4月、サイバーパトロール中に海外の動画共有サイトで画像取引の書き込みを発見。メールの履歴などからグループを割り出し、別ルートで追っていた神奈川県警と共同捜査していた。
関係者によると、捜索先は全国の160カ所に及び、消去された画像の復元や被害者の特定に時間を要したという。