【競馬増強へ…現場からの提言】話は少しさかのぼってダービーウイークの栗東トレセン。よほどヒマそうに見えたのか、ニヤニヤしながら記者に話しかけてきたのは角居厩舎の中田助手。その第一声がこれだった。
「誰が決めたのかは知らないけど、マジでうれしいですよ。80年の歴史の中でウオッカが勝ったダービー(2007年)が一番インパクトがあったってことでしょ?」
タレント中心から競走馬をメーンに据えるCMへとJRAが路線変更したのは「20th Century Boy」シリーズを開始した2011年。「高い出演料を払うくらいなら自前で」という後ろ向きな発想でスタートした? 方向転換の理由は定かでないが、競馬の主役は言うまでもなく競走馬。このGⅠプロモーションシリーズは記者の周囲でもなかなか好評で、CMに取り上げられた馬が“正解”かどうかで話題になったりもする。中田助手が記者に振ってきた発言も、ダービーのCMにかつての担当馬ウオッカが起用されたからだ。
ウオッカで正解かどうかは各自の見解に任せるとして、彼女の功績(牝馬による64年ぶりのダービー制覇)に改めてスポットを当ててくれたという意味で、今年のCMは個人的にうれしいチョイス。「百聞は一見にしかず」ではないが、競馬の素晴らしさをストレートに伝えるにはレース映像こそが最適で、そこに着目してくれたJRAへの賛辞をいつかはしたいと思っていた。当コラムにはあるまじき行為(?)かもしれないが、たいこ持ち記者と呼ばれるのも覚悟のうえで、この話題を取り上げさせてもらった次第だ。
「担当の広報企画課が過去の優駿の読者投票ランキングや年代のバランスなどを考慮したうえで候補馬を選定。会内合意を経たうえで決定しています」とJRA。今年のGⅠプロモーションCM「THE LEGEND」に登場する馬はこの過程を経て選定されており、おそらく来年以降もこれに近い形でCMは制作されることになるだろう。
それについての異論は全くないが、ひとつだけ提案させてもらえるなら、GⅠのない期間、例えば夏のローカル開催中などはGⅠシーズンでは取り上げられない過去の名レース、名シーンを取り上げてみてはどうか。例えば11馬身差の圧勝だったサイレンススズカの1998年金鯱賞。15年を経た現在でも色あせない名馬の姿は、競馬にまるで興味のない人の関心をも引くことができる力があるのでは。
東京スポーツ新聞社が運営する携帯サイト「東スポ芸能」で、AKB48の研究生・峯岸みなみ(20)が連載コラム「AKB48峯岸みなみの研究生じろじろリポート(略称じろリポ)」を担当。昇格を目指す研究生たちの素顔を紹介します。