【イケメンドクター・吉田眞の医学情報のウソ！ホント？】

　人間が生命活動を維持する際、絶対に必要な栄養素が、炭水化物・脂質・たんぱく質です。ハンバーガーなどの、いわゆるジャンクフードはこれらを全て兼ね備えた、ある意味では「完全食」とも言えるんです。もちろん、健康のためには、ほかにもビタミンやミネラル、必須アミノ酸などの補充が必要ですが、これらを適宜補いさえすれば、ジャンクフードが主食であっても生命維持に問題はない、と断言できます。
 
　もっともジャンクフードの“完全性”には大きな欠点もあります。少量で十分な栄養が取れているのに、人間の脳が満腹を感じず、必要以上に摂食してしまう、という危険です。ジャンクフードで健康を害する最大の原因はこの“食べ過ぎ”で、後に待つのは糖尿病や高脂血症などの生活習慣病です。
 
　一方で、ジャンクフードと発がんの関連も指摘されますが、遺伝的な素因や添加物の関連などを踏まえると、今のところ何が正解かは断言できません。

☆よしだ・しん＝内科・外科を扱う総合診療科医を経て、現在は精神科医。非常勤医師として、刑務所、少年院、ホームレス支援施設、高齢者の在宅診察などに従事。２００９年にはラジオパーソナリティーを務めた。ロックバンド「医療講義」のボーカルと作詞・作曲を担当する。