UTMF/STYは山道を使ったランニングレースではありません。最低でも一昼夜走りつづけられる体力、そして炎天、寒冷、降雨、降雪など山岳地における厳しい気象条件や、運動しながらのエネルギー補給、臨機応変な装備の使いこなしなどが必要です、またそれらを原因とするあらゆるトラブルに対処する技術、知識も必要です。これがウルトラトレイルの面白さなのです。

これらは経験でしか得られません。無事にフィニッシュするために、その「起こりうるだろうこと」を事前に体験しておいてもらう、これが資格レースです。ですから単にその距離を走ればいいわけではありません。残念ながら昼間、舗装路を100km走ったところで得られる体験は、UTMF/STYにはあまり役立ちません。

現在、ウルトラトレイル・マウントフジ大会本部は、UTMFとSTYの参加資格について「距離が40km以上、70km以上、100km以上となるトレイルランニングレース」という表現のみで、該当する大会の名称をお知らせしていません。

なぜなら、UTMF/STYのためだけに、そのレースに出場する選手があらわれることを恐れるからです。

全国のトレイルランニングレースのオーガナイザーやスタッフは、主催するレースになみなみならぬ努力をしています。すべては「楽しく走ってもらおう」「豊かな自然を味わってもらおう」と、選手に喜んでもらいたいからの苦労です。また、地域の活性化やトレイルランニングの普及のための尽力でもあります。

われわれウルトラトレイル・マウントフジのスタッフもまったく同じ思いです。ですから彼らのレースを、UTMFやSTYの参加資格を得るためだけで走ってほしくないのです。

UTMF/STYが開催される前から、トレイルランナーなら誰もが走ってみたいと思うトレイルレースがあります。辛く厳しくそしておもしろいレースがあります。これらのレースで距離が40km以上、70km以上、100km以上であれば、まず間違いなくその距離に応じて「起こりうるだろう体験」をさせてくれるはずです。

どうか、それぞれのレースを満喫し、たっぷりとそれらを体験していただきたいのです。その体験は資格につながるはずです。

もし、それがUTMF/STYの参加資格を得られる大会なのか否か、わからないときはこちらにメールでお問い合わせください。詳しく調べてお答えいたします。info@ultratrailmtfuji.com

なお、ウルトラトレイル・マウントフジが回を重ね、いつかは姉妹レースであるUTMBのように参加資格をポイント制にするかもしれません。その場合には対象となるレース名称をご案内いたします。

以上が参加資格となるレース名称をお知らせしない理由です。どうぞ、ご理解いただきますようお願いいたします。