日米両国による、中国包囲網が敷かれつつある。オバマ米大統領が来年春にも日本を公式訪問する方向が明らかになったうえ、米上院は全会一致で、沖縄県・尖閣諸島を含んだ東・南シナ海での中国の威嚇行為を非難する決議を可決したのだ。「尖閣危機Xデー」とされる終戦記念日(8月15日)や、尖閣国有化1周年(9月11日)が近づくなか、日米同盟の強化を示すことで、中国の暴発を封じ込める狙いのようだ。
「最近、中国軍の早期警戒機が沖縄本島と宮古島の間にある公海上空を往復したり、中国海軍のミサイル駆逐艦など艦艇5隻が日本列島を1周するなど、中国による軍事的挑発が目立っていた。日本政府をはじめ、ホワイトハウスや米議会も適切に判断したのだろう」
国際政治学者の藤井厳喜氏は、最近の日米連携の動きをこう語る。
日本政府は、オバマ大統領を国賓として招く考えで、すでに米側に打診している。今後、両国は事前調整を本格化させるが、大統領訪日が報道された7月31日という時期が注目されている。
米上院は直前の同月29日に中国非難決議を可決した。決議には「米政府は、日本の施政権を害そうとするいかなる一方的な行動にも反対し、そうした行動に米国の立場は影響されない」とあり、中国が尖閣強奪に乗り出した場合の、日米安保条約第5条に基づく対日防衛義務も明記した。
菅義偉官房長官は翌30日の記者会見で「高く評価したい」と歓迎した。
実は最近、尖閣をめぐって、終戦記念日(8月15日)と、尖閣国有化1周年(9月11日)という、2つのXデーが警戒されている。